学者生活

December 13, 2009

「新」の政治

■ 京都・清水寺で毎年、発表される「今年の漢字」は、「新」となったようである。。
 しかし、「新」と聞いて、古代中国・・前漢の崩壊後に十数年だけ存在した王朝、「新」のことを思い起こした人々は、どれだけいるであろうか。
 「新」とは、前漢の外戚であった王莽が樹立した。
 王莽は、日本では「姦臣」の代表のように語られた。
 『平家物語』の冒頭にも、次のように記される。

  祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。奢れる人も久しからず、只春の夜の夢の如し。猛き者も終には亡ぬ、偏に風の前の塵に同じ。
  遠く異朝を訪へば、秦の趙高、漢の王莽、梁の周異、唐の禄山、此れ等は皆、旧主先王の政にも随わず、楽を極め、諫をも思い入れず、天下の乱む事を悟らず、民間之愁る所を知ざりしかば、久しからず亡びし者どもなり。

 どこかの「剛腕・幹事長」を思い起こさせる記述である。
 / 旧主先王の政にも随わず   ― 皇室のルールを平気で曲げている。
 / 楽を極め、            ― 六百人も随行させて訪中とは御満悦であろう。
 / 諫をも思い入れず        ― 諫言らしきものをした同志は遠ざけられてきた。
 / 天下の乱む事を悟らず     ― 日米関係を平気で乱している。
 / 民間之愁る所を知ざりしかば ― 「鳩山不況」に責任は負わないのか。、

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December 11, 2009

江畑謙介さんを偲ぶ会

■ 一昨日、江畑謙介さんを偲ぶ趣旨の会合が開かれた。
 場所は、東京市ヶ谷・防衛省近くのホテルである。
 日本の「軍事・安保」サークルが一挙に集結という風情であった。
 スピーチをした人々は、大体、次のような具合である。
  中谷元、石破茂、小池百合子の歴代防衛大臣
  舛添要一前厚生労働大臣
  長島昭久防衛政務官
  山内昌之教授、森本敏教授、佐瀬昌盛教授
  佐々淳行元内閣安保室長
  柳沢秀夫 NHKキャスター
  ヨゼフ・ピタウ神父
 供花の列で、一番、目立つところに、北澤俊美防衛大臣の名前がある。ちょっと異色だったのが、「ロンドンブーツ1号2号 田村淳」という名前である。確か、大河ドラマに武将役で出ていたお笑い芸人だったはずである。「江畑さんは、お笑いの世界にも交友があったのか…」と思った。
 

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December 05, 2009

「バブル」は楽しい…はずである。

■ 最近、政治ネタのことばかりを考えていたら、自らの「精神」が劣化していることに気付いた。
 「愚鈍の統治」を相手にしていたら、その「愚鈍」ぶりが、こちらにまで伝染してきたようである。
 これは、かの「新型インフルエンザ」よりも、始末に負えないものであるようである。

 とはいえ、今月中に原稿を五本分、片づけなければらない。
 また、「憂いの表情」を浮かべながら、原稿を書くのである。
 仕事とはいえ、やだな…と思う。
 
 先週、政府が「デフレ宣言」をした。

 昨日、有楽町の家電量販店に行ったら、スタッフから、「先日、お買い上げいただいた品は、いかがでしょうか」と声をかけられる。「御蔭さまで、佳いものを頂きました。気に入りました」と応えた。
 何を買ったのか。
 ヘッドフォン・アンプ、「LUXMAN P-1u」という品である。
 「諭吉先生が18人分」という値段であった。ヘッドフォン・アンプという範疇では、これ以上、高額なものはないようである。雪斎が普段、使っている「SENHEISER HD-650」というヘッドフォンに組み合わせると、かなりのリスニグ環境が出来上がったことになる。もっとも、今夏、「SENHEISER HD-800」というのが出たので、最上位の環境には届かない。

 ただし、この程度の消費では、「デフレ退治」には、全然、貢献したことにはなるまい。人間の精神衛生上、「バブル」の方が間違いなく、楽しいような気がする。先週、手を出した某電機株が一週間で50%上昇したので、一昨日の時点で有り難く利益確定しておいた。、リーマン・ショックよりもドバイ・ショックに恐れを為した現内閣というのは、富士川で水鳥の羽音を聞いて遁走した平家と同じ類であろうけれども、現在の日本の産業構造上、「円安」よりも「円高」の害の方が大きいと認識されたのは、よかったと思われる。午前2時現在、一気に1ドル90円近辺になっている。雪斎の計算が正しければ、日経225は、少なくともクリスマス直前までは上昇基調だと思うのだが、どうであろうか。現内閣のスタート・ポイントは、日経225で11500円前後である。果たして、ちゃんと戻せるのか。

 ところで、 こうしたハイ・エンドの機器で、ブルックナーの交響曲を聴くのは、「至福の時間」ではある。土曜、日曜の休日である。
 下の一枚は、結構、気に入っている。 
 ● ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』
   ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指揮)
   オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

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November 15, 2009

連続する「食言」

■ 昨日夕刻、身体的な状況が急変したので外出予定をキャンセルする。
 誠に残念な判断である。
 雪斎も、長命は無理だろう。

■ 昨日、オバマ演説は、色々な意味で「興味深い」演説であった。言葉が大事にされている。
それにしても、下の記事には、唖然とした。
 □ 普天間移設、現計画前提とせず=作業グループ、米大統領の見解に異論-鳩山首相
11月14日21時22分配信 時事通信
 【シンガポール時事】鳩山由紀夫首相は14日夜(日本時間同)、シンガポール市内で同行記者団に対し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関する日米の閣僚級作業グループについて「オバマ米大統領は日米合意が前提と思いたいだろうが、それが前提なら作業グループをつくる必要はない」と述べ、作業グループでの議論は、現行計画のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設を前提としたものではないとの見解を示した。
 オバマ大統領は同日の演説で、作業グループに関して「両国政府が既に達した合意を履行するためのもの」と述べ、現行計画の早期履行を求める考えを示したが、首相の発言はこれに異論を唱えたものだ。 

 これは、ワーキング・グループの性格について、一昨日の日米首脳会談できちんとした認識のすり合わせをしなかったであろうということを示唆する発言である。認識の齟齬がきたしているのであれば、「ワーキング・グループの趣旨は、こういうことだよな…」と日米両国で合意してから、表に出せばよいものを、後になってから、「いや、あれは、そう意味ではないのだ…」と表に語ってしまう感覚は、雪斎には解せない。
 これは、米国政府からすれば面白くない話であろう。自分だけ先にシンガポールに行った挙句、そのシンガポールで、「いや、あれは違う…」と言ってしまうのだから…。もっといえば、ホストの分際を忘れて、ゲストであるオバマの午前の「アジア政策」演説にケチを付けるようなことをして、どういう料簡であろうか。オバマは、ゲストとして、ホストに最大限、配慮した演説をしたのに、このホストの様は何たることとであろうか。

 段々、雪斎には、現宰相への敬意も失われつつつある。外政の文脈で、こういう「食言」もどきが連続すると、率直に、どうしようもないと思う。

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November 11, 2009

「政治」を教えた俳優

■ 森繁久弥さんが逝去された。
 雪斎には、1980年代に森繁さんが演じた「政治家」の群像は、強烈な印象を与えた。当時の雪斎は、高校生ぐらいの年齢であるから、色々なものがヴィヴィッドに吸収できた。たとえば次のような作品である。

 ① TBSドラマ『関ヶ原』   徳川家康
 ② 映画『二百三高地』    伊藤博文
 ③ 映画『小説吉田学校』  吉田茂

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November 10, 2009

一つの懺悔

■ この期に及んで、雪斎は自説の誤りに懺悔しなければなるまい。
 選挙前、雪斎は、民主党マニフェストに対する所見を求められ、「具体性に乏しい」と批判した。
 誤ったのは、その「具体性に乏しい」という批判の趣旨である。
 雪斎は、「そもそも、対外関係に絡む案件をマニフェストに掲げてよいのか」と提起すべきだったと反省する。
 そういえば、オットー・フォン・ビスマルクは、「外交案件では三年以上の計画を立ててはならぬ」と語ったそうである。「相手がある」対外政策案件では、「自分の都合」で幾ら計画を立てても、周囲の国際環境が変われば、その計画の前提が揺らぐ。「○○空港を三年以内に廃止します」という公約は、適切だろうけれども、「在日米軍○○基地を三年以内に廃止します」という公約は、そもそも、おかしい。対外政策には、「機が熟する」姿勢が大事になる。吉田茂は、講和までに七年待ったし、沖縄返還までは二十数年の時間を要したのである。
 だから、次の選挙からは、マニフェストは、「内治」案件で限定することを考慮すべきであろう。
 少なくとも、「どのような領域の政策案件が、マニフェストに掲げるのに相応しいのか」という吟味は、始めた方がいいであろう。
 現在、「マニフェストに縛られなくてもよい」という声があるけれども、こうした声に応じて無分別に政権与党が「前言撤回」をやり始めたら、そもそも、マニフェストを掲げて選挙をするということの意義が失われる。マニフェスト選挙を今後も続けるならば、「それに相応しからざる案件」は、外したほうがいい。雪斎は、対外政策案件こそ、その「マニフェストに相応しからざる案件」だと論じているのである。

 雪斎は、これから、それを提起していこうと思う。

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November 01, 2009

『井上成美』を読む。

■ 「アメリカがよくあれまで我慢したものだと思う。資金の凍結や油の禁輸などは窮余の策で、まだまだおとなしい方だ。日本のやり方は傍若無人と云うの外はない」。
 井上成美は、戦前、日独伊三国同盟の締結や日米開戦への動きには頑強な抵抗を示し、米内光政や山本五十六と並んで、「海軍左派三羽烏」と称された。井上は、戦時中には海軍兵学校校長、海軍次官を務め、帝国海軍最後の大将に昇任した。井上が海軍兵学校校長に在任していた時、英語が敵性語として扱われた時節にもかかわらず、兵学校での英語教育が続行された。「英語ができない海軍士官など要らない」というのが、井上の意向であった。
 『井上成美』(井上成美伝記刊行会、昭和57年)を古書店から購入して、読んでいる途中である。巻末資料を含んで900ページ近い書である。

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October 15, 2009

「現場」の傲慢

■ 昨日の江畑謙介さんに対する追悼文の続きである。

 江畑さんの軍事評論には、「現場を知らない」という批判が向けられていたそうである。江畑さんの認識や分析
の正誤を批判するのならまだしも、「現場を知らない」という批判は、いかがなものであろうか。

 こういう文章があることを紹介しておこう。

 「軍官僚機構のなかから、広範な知識と洞察力を持つ最高の人材は、あらかた排除された。なぜなら欧州諸国の軍部では、『軍人生活四十年に近い知識、経験ある、プロ以外に口出す資格なし』という原則が確立されるにいたったからである、リデル・ハートが皮肉っているように、これは、世界史上、まったく新しい原則にちがいない。なにしろ、この資格要件からすると、アレキサンダー、ハンニバル、シーザーはじめ、クロムウェル、マルボーロおよびナポレオンにいたるまで、歴史上の偉大な指揮官は、ほとんど無資格者となり、アマチュアとして除外されなければならなかったからである」。

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October 14, 2009

追悼 江畑謙介さん

■ 残念な話である。江畑謙介さんが逝去された。

 □ 訃報 軍事評論家・江畑謙介さん死去
        10月12日18時17分配信 毎日新聞
 江畑謙介さん60歳(えばた・けんすけ=軍事評論家)10日、呼吸不全のため死去。葬儀は近親者のみで済ませた。お別れの会を開く予定。喪主は妻裕美子(ゆみこ)さん。
 上智大大学院理工学研究科博士課程を修了後、83年から18年間にわたり英国の防衛専門誌の日本特派員を務めた。湾岸戦争や米国を主体とするアフガニスタン攻撃、イラク戦争の戦況をテレビで解説した。「日本の安全保障」など軍事や防衛に関する著書多数。

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October 06, 2009

「座敷わらし」の世界

■ 「座敷わらし」で有名な岩手県金田一温泉の旅館「緑風荘」が、全焼したと報じられている。
 雪斎にとっては、率直に、がっかりした話である。
 泊まったことはない。ただし、「座敷わらし」の話は、幼少の頃から身近であった。
 

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