「最高指揮官」のメルト・ダウン
■ 映画『硫黄島からの手紙』を観た。
印象深い場面があるj。
渡辺謙さんが演じる栗林忠道中将が、大尉時代に米国に滞在して、米軍関係者の歓迎宴に招かれる。将校夫人に問い掛けられる。
「日本とアメリカが闘ったら、どうなるのでしょう」。
栗林が答える。
「最高の同盟国になるでしょう」。
夫人が言葉を継ぐ。
「そうではなく、日米が敵として闘ったらということです」。
栗林が続ける。
「そういうことにはならないと思いますが、そうなれば、国と自分の信念に従います」。
将校が笑って、「それでこそ、本物の軍人だ」というのである。
…
栗林中将は、硫黄島守備部隊指揮官として、戦死した。
映画では、米軍将校から「友情の証」として贈られたコルト45口径を硫黄島でも携行していた。映画を観た米国人には、「硫黄島が『友人を相手に闘った戦場』であった」ということを伝える演出である。
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