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April 15, 2012

「次の選挙」の意義

■ 北朝鮮のミサイル発射は、失敗した。
 三年前の発射からは、技術上の進歩はなかったということなのであろう。
 北朝鮮には、「ミサイル開発の父」、「核開発の父」と称されるような技術主幹は、いるのであろうか。
 失敗の折々に、一々、詰め腹を切らされていたら、技術開発に必要な「経験の蓄積」などできるはずはない。
 だが、それでも。結局、日本の安全保障環境は、変わっていない。
 □ 社民、抗議するも「自衛隊展開は緊張増幅」
         産経 2012.4.13 13:50 [核・ミサイル事情]
 社民党は13日、北朝鮮の「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射を受け、「国際社会の意思を無視した発射に断固抗議する」との談話を発表した。
 重野安正幹事長名の談話では、イージス艦や沖縄県に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備した政府の対応について「『北朝鮮の脅威』を口実にミサイル防衛システムの整備・強化、『南西諸島防衛』の名目で自衛隊の沖縄展開に利用することは、北東アジアの緊張関係をかえって増幅しかねない」とも指摘した。

 こういう反応を聞くと、日本政治の最大の不幸は、ドイツにおけるヴィリー・ブラントやヘルムート・シュミット、フランスにおけるフランソワ・ミッテランのような政治家が登場しなかったということにあろうと痛感する。
 故に、次の衆議院選挙は、「民主党を政権の座から降ろす選挙」ではない。
 それは、「社会民主党」と「民主党内旧社会党残党」の息の根を止める選挙である。
  おそらくは、次の選挙の後、憲法改正という「旗」を立てれば、共産党以外の日本の政党は、大概、乗ってくるであろう。「みんなの党」も「橋下・大阪新党」も、その志向は同じである。石原、平沼、亀井各氏を中心とする「元・自民党」保守政党は、いうに及ばない。次の選挙で、民主党内の生き残りがあるとすれば、それは、前原、枝野、野田といった各氏であろう。彼らのような旧日本新党系は、こうした政策志向に異を唱えることはないであろう。
 野田内閣支持率は、時事通信の最新のもので、22パーセントである。10パーセント台突入間近である。
 ここまで落ちると、「辞める理由と時機」が問われることになる。
 過日、さる筋から聞いた。
 「通常国会会期一ヵ月延長、七月末に消費税法案処理、同時に解散。八月末に総選挙」という観測があるらしい。
 雪斎は、それでいいと思う。
 できれば、そのあとに、「自民・公明、民主」で「挙国一致」内閣樹立をやってほしいと思うが…。
 


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April 13, 2012

カンボジアの「縁」の話

■ カンボジアという国がある。
 日本との「縁」は深い。
 クメール・ルージュの虐殺、内戦の後、この国の「復興支援」にもっとも深く関わったのは、日本である。国連カンボジア暫定統治機構の明石康代表、「和平」東京会議の開催、最初の自衛隊派遣…。
 特筆すべきは、民法の整備であろう。クメール語をコンピューターで使えるようにしたのも、日本人の努力である。
 ● カンボジアで民法の適用開始-長年にわたる日本との共同作業が結実-
 そして、その一方では、警察官やボランティアの「人的犠牲」の記憶もある。
 故に、この国が発展を見ると、対外関係において「徳」を積み重ねることの意義を実感する。初代駐日カンボジア大使は、「温厚」を絵に描いたような人物だった。
 ところで、とあるお笑い芸人がカンボジアに国籍変更をして、マラソン競技代表としてオリンピックに出ようとしたらしい。それに国際陸連が待ったをかけたようである。
 雪斎は、この芸人のことを知らない。
 だが、カンボジアの人々の復興への努力、あるいはそれを支援した日本人の努力の「上澄み」だけをさらっていこうという浅ましさが、この芸人の振る舞いにはある。それとも、カンボジアにメダルをもたらす確たる自信が、彼にはあったのであろうか。「競技レベルの低い」カンボジアからならば、オリンピックに出られると思ったというのが関の山であろう。
 全く以て不愉快な話ではある。
 

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April 10, 2012

「鳩山ブランド」の失墜

■ これは、幾ら何でも…、とおもう。
 □ IAEA批判発言「完全に捏造だ」と鳩山元首相
          読売新聞 4月9日(月)20時53分配信
 鳩山元首相は9日、イランのアフマディネジャド大統領と8日に会談した際、国際原子力機関(IAEA)を批判する発言をしたとイラン大統領府が発表したことについて「完全に捏造(ねつぞう)記事であり、大変遺憾だ」と述べ、訂正を申し入れる考えを示した。
 国会内で記者団に語った。
 鳩山氏は大統領らとの会談で核開発の疑念を払拭するための努力を求めたと説明し、「非常に有意義な議論ができた」と強調した。また、「二元外交」との批判を念頭に、「政府の考え方を逸脱する発言は一切していない」と語った。
 鳩山氏は6日からの日程でイランを訪問した。
 イラン大統領府は、鳩山氏が「IAEAがイランを含む特定の国に二重基準的な対応をとっていることは不公平だ」と語ったと発表した。
 
 そして、この記事である。
 □ 鳩山氏、イランに政治利用された…自公が批判  
            読売新聞 4月9日(月)21時45分配
 民主党の鳩山元首相がイランのアフマディネジャド大統領との会談で国際原子力機関(IAEA)批判をしたと発表された問題で、自民党などは「鳩山氏はイラン側に政治利用され、国益を害した」と批判した。
 イラン訪問を中止させられなかった政府の責任も追及する方針で、政府側は鳩山氏に苦り切っている。
 9日に帰国した鳩山氏は、会談でIAEA批判を行ったとするイラン側の発表を否定した。しかし、自民党は、大統領との会談を行ったこと自体が、首相経験者として自覚が欠如していると断じた。同党の安倍元首相は9日、「最も利用されやすい人が、のこのこ出て行った。日米間にくさびを打ち込もうとしているイランの思惑にまんまと乗った」と語った。茂木政調会長は同日、「(鳩山氏を)止められなかった政府・民主党にも大きな責任がある」と強調した。公明党幹部は「鳩山氏は利用された。何を考えているか分からない」と問題視した。

 鳩山氏が積極的に「IAEAは不公平だ」とは語っていなかったかしれない。
 ただし、アフマディネジャドが「IAEAは、うちらには矢鱈にきついのよね・・・。あそこのトップは日本人なのだから、なんとかするように言っくてくれないか…」という趣旨のことを言い、鳩山氏がに同意を与えるようなことを言ったと想像することは、難しくない。要するに、「IAEAは、イランには殊更に厳しい。故に、不公正だ」というイランの認識を否定しなかった故に、「鳩山も、そう思ってくれた」ということで、件の記事になったのであろう。
 これでは、鳩山氏を全く擁護できまい。「滑稽」と評する他はあるまい。
 鳩山内閣期、「鳩山の外交ブレーン」と称する人々は、結構、いたはずである。彼らは、どうしたのであろうか。
 ちゃんと知恵を出さないのであろうか。
 鳩山由紀夫という政治家は、悪い意味で、「いいひと」なのであろう。
 政治の世界に来ずに、普通に「大学教授」をやっていてくれれば、「名門・鳩山家の惣領」として、「尊敬され愛される人生」を送っていたはずである。彼の周りには、学者・文化、芸能人などが集まり、楽しい空間になっていたろうに…。鳩山由紀夫・邦夫兄弟の代で、政治家系としての鳩山家のブランド・イメージは、地に堕ちた感がある。
「鳩山家五代目」というのは、もはや考えられまい。

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April 09, 2012

鳩山由紀夫のイラン訪問の「怪」

■ この件について、考えてみよう。
□ 鳩山元首相:イラン外相と会談 「核兵器持つべきでない」
毎日新聞 2012年04月08日 10時02分(最終更新 04月08日 10時34分)
 イランを訪問している民主党の鳩山由紀夫元首相は7日、同国のサレヒ外相と会談した。イラン学生通信によると、鳩山氏は、第二次大戦で広島と長崎に原爆が投下されたことに言及した上で「どの国も大量破壊兵器、特に核兵器を持つべきではない」と述べ、交渉を通じたイラン核問題の解決に期待を示した
 サレヒ氏は、近く再開する見通しの国連安全保障理事会の5常任理事国にドイツを加えた6カ国との協議が「欧米との信頼関係を築く機会になるだろう」とする一方で、イランの核開発は平和利用が目的であり、その権利を放棄することは決してないと述べた。(テヘラン共同)
 
 日本は、欧米諸国とは異なる対イラン関係を築いてきた。
 そういえば、ダルヴィッシュ有投手も、「イラン人の息子」だったはずである。
 日本には、「反イラン感情」はない。震災の時も、イランは、色々な支援をしたようである。
 だから、色々なチャンネルを通じて、「働きかけ」が行われること自体は、決して否定されるべきことではない。
 問われるべきは、鳩山由紀夫という政治家が、その働きかけを手掛けるのに相応しいのかということである。
 鳩山氏がイランに特段の「縁」を持っていたとは、雪斎は、全く承知していない。
 議員レベルの交流の枠組としては、日本・イラン友好議員連盟というのがあったはずであるけれども、鳩山氏は、その有力メンバーであったのか。また、外務省ウェブ・サイトには、「各国要覧・イラン」の項目には、過去にイランを訪問した有力政治家の名前が出ているけれども、そこには、鳩山由紀夫の名前は見当たらない。必然性が感じられないのである。
 さらにいえば、鳩山氏は、特に米国からは全く信用されていない政治家であろう。もし、総理経験者ということだけで自分に相当な影響力があると思っているのであれば、途方もない勘違いであろう。
 それにしても、鳩山氏は、何故、イランに行ったのか。「核開発はよくない」というだけのためならば、テヘランではなく平壌に飛んでもらったほうが、余程、インパクトがあったものを。国際政治は、「高度の常識」を反映した営みである。その「高度の常識」が、鳩山氏の行動に、どれだけ反映されているのかは、定かではない。

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April 08, 2012

「意識」の世界地図 2

■ 「意識の世界地図」の続編である。 欧米諸国である。
 ● 米国
 何だかんだ言っても、「凄い国」だとおもった。
 雪斎が幼少期だった時代は、「アポロ11号」と「ヴェトナム戦争」が混然として米国のイメージを伝えていた。加えて、『巨人の星』である。星飛雄馬が投げる魔球は、何故、「大リーグ・ボール」だったのか。それは、「メジャー・リーグ=米国=日本人には太刀打ちできない」という意識の反映であったと思う。だから、日米関係の「精神史」の文脈からすれば、野茂英雄さんの功績は絶大であろう。彼こそが、「最初にリアルで『大リーグ・ボール』を投げた」ピッチャーだったわけである。
 ただし、大衆文化での「親和性」は、余りないといったほうがいい。
 音楽関係だと贔屓にしたのは、「サイモン・アンド・ガーファンクル」ぐらいである。
 というわけで、戦後の一時期の日本人が、エルビス・プレスリーもどきのロカビリー・ブームにはまった心理というのも、よく判らない。あれは、何が楽しかったのであろうか。
 昔、どこぞの漫画家が雪斎のことを「親米ポチ」と呼んだらしい。
 だがl、こうした文化に対する距離からすれば、雪斎は、おそらく「親米派」ですらないであろう。
 もっとも、例外はある。
 雪斎には忘れられない風景がある。
 それは、「カリフォルニアの青い空」である。
 サンフランシスコ郊外の空港から市街地に向かう車内で見上げた「空の色」のことである。
 加えて、真夏のスタンフォード大学構内を吹いていた涼風も…。
 そして、アーネスト・ヘミングウェイの文学作品である。
 高校時代に読み漁った。
 "Man is not made for defeat..."
『老人と海』の一節である。逆境続きだった若き日の雪斎を支えた言葉である。
 ● ロシア
 文化領域からすれば、雪斎が最も深い愛着を寄せている国かもしれない。
 トルストイやチェーホフの文学、ショスタコーヴィチの音楽。
 そして、ニキータ・ミハルコフの映画である。
 大學時代、雪斎の第二外国語はロシア語であった。
 ● 英国
 価値意識や生活スタイルで万事、倣おうとした国である。
 大學時代に世話になったのが、キングズ・カレッジ出身、来日前はパブリック・スクールの教頭を務めた英国人教師だった。生粋の英国エリートは、「教育の現場」にも進むのである。
 彼から、「英国スタイル」を、かなり濃密に教えてもらった。
 酒も、バーボンなんぞよりは、シングル・モルトだろうと思う。一昨日も、帝国ホテルのバーで、「アイル・オブ・ジュラ」を飲んでいた。背広も、「出世したら、ヘンリー・プールかギーヴス・アンド・ホークスを着なければ…」と思っていた。
 結局、この国は、「教授」のような国である。「下手なことを言うと、眼鏡の奥から冷やかな視線を向けられる」という風情である。その「冷やかな視線」に耐えながら、毎日、必死になって勉励している。そうやって、もう四半世紀が経った。
 ● ドイツ
 中学時代、当時の校長から、ドイツ語でシューベルトの『菩提樹』を教えてもらった。
 以来、この国は、雪斎のクラシック音楽趣味と結びついている。
 一度、バイロイトでワーグナーの楽劇を観たいと思う、
 『指輪』四部作を見通すのが無理なら、『タンホイザー』だけでも。
 ● フランス
 子供のころ、「綺麗なお姉さんが多くいる国」だと思っていた。
 それにしても、『ラ・ブーム』に出演していたころのソフィー・マルソーの美しさといったら…。彼女は、若干、雪斎よりも年下であるはずだが、十代のころの雪斎には、そのようには見えなかった。
 この国には、色々な意味で「憧れ」の感情を掻き立てるものがある。
 そして、その「憧れ」の感情は、一旦、リアルで体験すると、ますます強くなっていく。
 「もし、きみが、幸運にも、青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、パリはきみについてまわる。なぜならパリは移動祝祭日だからだ」。
 アーネスト・ヘミングウェイの言葉である。
 雪斎は、「不運にも青年時代にパリに住まなかった」けれども、このヘミングウェイの言葉に込められた感慨を理解する。確かに、そういう場所である。
 ● イタリア
 子供のころ、スーパーカー・ブームというのがあった。
 ランボルギーニがイタリア車だと聞き、「何とけったいなものを作る国だ」と思った。
 この国の「、「かぐわしさ」が判ったのは、実は四十歳近くになってからである。
 「人生を愉しむ」とい考えからすれば、この国くらい参考になるとところはある。
 そういえば、 「Carpe diem」という言葉もあったはずであるl。
 ● フィンランド
 その国の歴史をひも解いて、落涙する体験は滅多にない。
 大學に入る前、この国の歴史に脈打つ「独立への気概」に触れて、涙を流して感動した。
 フィンランドは、第二次世界大戦前夜、ソ連と二度にわたって戦った。
 そして、ぎりぎりのところで、独立を守った。

 こうしてみると、雪斎は、典型的な「極西の国・日本」の住人である。中国や韓国のような「アジア世界」よりも、
「西欧世界」ほうに親和性が高い。それも、若いときには、英国やドイツに傾斜していたのが、段々と趣味がフランスやイタリアにシフトしてきたようなところがある。「君よ知るや南の国、樹々は実り花は咲ける」という境地に近づいてきたというところか。
 観念として、「反米」、「嫌韓」を叫んでみても意味はない。ある人々が、たとえば中国を罵倒するとき、期せずして、そうした「中国」像を抱いた自分を罵倒しているのである。「自分の顔を鏡でよく見ろ」とは、よく言ったものである。だから、言論の世界で「反米」を唱える人々がいれば、「何故、彼は『反米の徒』になったのか」と一歩、引いて接することが大事であろう。公の場で「反米」を口にしても、自分の部屋ではジャズを聴いていたという人々は、ニキータ・フルシチョフがそうであったように、いるのではないか。

 というわけで、二度のエントリーで、雪斎の「意識の世界地図」を披露した。それならば、このエントリーを読んだ人々に尋ねてみたい。

 貴殿の「意識の世界地図」は、どのようなものであろうか。

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April 07, 2012

「外交青書」と韓国の抗議

■ 新年度最初のエントリーである。
□ 「竹島」日本領土は遺憾、韓国が外交青書に抗議
読売新聞 4月6日(金)20時45分配信
 【ソウル=門間順平】韓国外交通商省は6日、玄葉外相が同日、閣議報告した2012年版の外交青書に、日韓が領有権を争う竹島(韓国名・独島(トクト))を日本の領土と記述したことに対し、「不当な主張に深い遺憾を表明する。我々の領土主権に挑戦する、いかなる試みも容認できない」と抗議する報道官の談話を発表した。
 談話はまた、「日本が誤った歴史認識で独島を自国領土と主張するなら、『未来志向的な韓日関係』は空虚な言葉に終わる」と指摘。「日本は国際社会で責任ある役割を果たすことはできない」と激しく反発した。
 外交青書は竹島を「歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに日本固有の領土」とし、「問題の平和的解決のため、粘り強い外交努力を行っていく」と記載した。
 
 相変わらずの反応である。
 ただし、韓国サイドがどのように反応しようとも、竹島領有権、日本海呼称、歴史認識に関する日本サイドの対応は、変わらないし、変えてもならない。故に、この件は、日韓関係の業病として長く続く。
 もっとも、「蒲柳の質」の人物が、養生専一に務め結局は長命を保つことがあるのと同じ理屈で、こうした業病を絶えず認識していることは、日韓関係に惰性や慣れが生じるのを避けることでもある。それ自体は、決して悪しきことではない。
 昔日、韓国は、日本にとっては、政治上も経済上もマイナーな存在でしかなかった。日本は、韓国に対して、「上から目線」で接してきたのであり、それ故にこそ、「泣く子」をあやすようにして韓国に相対してきたのである。歴史認識や領土が絡む摩擦が生じた折に、日本が示した対韓姿勢とは、そうしたものであった。韓国からすれば、日本の「反省」が「反省」として映らないのにも、そうしたことに理由があろう。
 だが、もはや、そういう時代でもあるまい、韓国は、相応の国力を持つ存在になったのであるから、日本も、今後は遠慮なく自らの「国益」を主張すべき段階である。「子供相手のボクシングでは手抜きはするけれども、大人相手のボクシングでは本気で打ち込む」というのと同じことである。その「本気のボクシング」に韓国が耐えられるかは、雪斎には判断する材料がない。日本は、憲法や外交人員・予算の点で、片手を縛ったままの状態で、対韓関係を含む国際政治のゲームを半世紀以上も続けてきたのであるから、その縛りが解けたら相当に「楽しい」ことになりそうである。韓国は、「普通の国」としての日本を相手にしたことはないのである。
 野田佳彦内閣は、外交の面では、「大過なく」振る舞っている。鳩山由紀夫内閣期の外交上の対応が、余りにも禍々しかった故に、野田内閣の「普通の対応」が一層、清々しく感じられるだけかもしれない。武器輸出三原則の緩和は、実に佳き対応であった。自民党が政権を奪回した暁には、前に触れた日本の「縛り」は次々と外していくことになる。雪斎は、その準備を急ぐように、自民党関係者サイドに提言している。

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