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March 02, 2012

「解散」への極秘会談?

■ そろそろ、動き出したのであろうか。
 □ 極秘会談、民・自に波紋=話し合い解散、連立テーマか
                時事通信 3月1日(木)11時33分配信
 野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁の極秘会談が判明したことを受け、民主、自民両党内では1日、複雑な波紋が広がった。野田、谷垣両氏が消費増税必要論で一致していることから、消費増税関連法案の成立に自民党が協力する代わりに首相が衆院解散を約束する「話し合い解散」を模索したのではないかとの見方も広がっている。
 極秘会談は2月25日に都内のホテルで行われた。これに関し、藤村修官房長官は1日午前の記者会見で「そういう事実はない」と否定した。今後の政局への影響を考慮し、沈静化を図る狙いがあるとみられる。一方、同日昼の自民党代議士会では、谷垣氏に説明を求める声が上がり、同氏は「私が野田さんと会ったという事実はない」と強調した。
 会談内容は明らかになっていないが、関係者によると、消費増税法案の扱いが主要テーマだった。「反増税」を掲げて首相に圧力をかける民主党の小沢一郎元代表の周辺には、民自両党のトップが「消費増税法案成立―話し合い解散」で折り合うことへの警戒感が募っている。一方、民主党幹部は「今、衆院を解散したら(民主党は)ほとんど落選だ。話すとしたら『連立』しかない」と指摘した。
 自民党内では、評価と反発が交錯している。谷垣氏の「対決一辺倒」路線に批判的だった自民党幹部は「自民党が与党になっても消費増税はやらなければならないから、いいことだ」と理解を示した。これに対し、中堅議員の一人は「国会論戦が茶番だということになる。国民を愚弄(ぐろう)する話だ」と谷垣氏を批判した。 

 雪斎は、この極秘会談の真偽を知らない。
 ただし、これが野田佳彦総理に「解散」を考慮させる雰囲気を作るためのものならば、大いに結構な対応である。野田総理がなし得る政治上の貢献は、「解散」しかない。
 雪斎は、次の選挙で自民党が政権を取り戻すならば、その時が「大連立」を呼びかけるタイミングであろうと考えてきた。その「大連立内閣」は、もし、野田総理が次の選挙で議席を守っているならば、「谷垣総理、野田副総理兼財務相」を基幹にした布陣でいいであろう。
 さらにいえば、自民党+民主党(ただし、小澤系、鳩山系、菅系、旧社会党系を除く)、これに場合によって公明、保守系諸党を加えた「挙国一致内閣」を組織し、過去数年の「迷妄」から抜け出す必要がある。
 この「挙国一致内閣」の下では、次の政策をドラスティックに進める必要がある。
 1 経済再建。少なくとも日経平均株価を1万5千円前後の水準まで戻す。
   ・ 資源の獲得を含め、産業基盤の再建をすすめる。
 2 1を前提として、消費税増税、所得税・法人税軽減を趣旨とする税制改正を断行する。
 3 集団的自衛権行使の許容を含む外交・安全保障体制の整備を進める
 4 福祉予算を含む財政支出の見直しを図る。。
 5 こうした政策を処理したうえで、憲法改正の発議に踏み切る。
 いずれにせよ、この「挙国一致内閣」の枠の中で、民主党が鍛えられれば、早ければ数年後には「まともな政党」になっているかもしれない。民主党が、「早ければ数年後の次の政権」の可能性を残したいのであれば、こうした「丁稚奉公」の手順を一から踏むのが大事である。来年まで「解散」を引っ張れば、その「丁稚奉公」の機会すら持てないであろう。
 「将来の再興の可能性を考えて今、解散するか」。それとも、「残り一年数カ月、政権にしがみついて、あとは野となれ山となれと刹那主義的に振る舞うか」。野田総理は、民主党代表として、どちらを取るのか。

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Comments

福田政権時代に持ち込まれた大連立構想を思い出しますね。首相周辺から漏れたらしいですが、そうであるなら首相自身が身内に造反者を抱えている事になる。雪齋先生は民主党に「丁稚奉公」を経てまともな政党になるとお考えみたいですが、私は無理だと思います。小沢氏の大連立構想の時の発言「民主党に政権担当能力は無い」どころか「社会人すらやれるか怪しい」のがウヨウヨいる事が解ってしまった。しかも、状況はデフレです。デフレ下の増税は税収の低下を招くでしょう。橋本政権下の増税の様に。
 民主党にとって解散は「破滅」と同義。議員個人レベルでなら生き残るのもいるでしょうが、党としては社会党以下になってもおかしくない。自民党も危ういと思います。まだ、政権担当用の寄り合い所帯的性格が抜けていない。
「景気回復後、インフレになってから抑制策としての増税を行う。デフレ回復が先」と旗幟を鮮明にしない限り困難と思います。

Posted by: almanos | March 02, 2012 01:24 PM

小沢・鳩山・菅・社会党抜き大連立という都合の良いことができるかどうかは別として、雪斎様が提案されている「挙国一致内閣」の政策は非常に良いと思います。

しかし私は、現状で「話し合い解散」が行われた場合、小沢氏が「維新の会」へ逃げ込み、「立ち上がれ日本」「日本のいしずえ」「新党きづな」ついでに公明党とみんなの党も雪崩を打って「維新」へ合流し、超巨大勢力となってしまうのではないかという危惧を抱いています。
そして橋下氏は「船中八策」を修正し、消費税増税反対に回るのではないでしょうか。

その結果、「話し合い解散総選挙」では

「増税を旗印とした既存政党の連合軍」

VS

「増税に反対する新進の革命軍」

という構図になってしまい、しかも後者が勝ってしまうのではないかと。

そのため、日本の政治は更なる大混乱に陥る。という未来を想像してしまい、非常に気分が重いです。

私は「話し合い解散」は余りに時期尚早に思えます。
「維新の会」のメッキが更に剥がれるのを待ったほうがよいのではないでしょうか。

Posted by: お父ちゃん | March 02, 2012 09:49 PM

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