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November 21, 2011

大阪の陣

■ 雪斎は、大阪には、まったく土地勘がない。
 今期、NHK朝ドラは、岸和田が舞台であるけれども、実にクオリティの高いものを見せてもらっている感がある。尾野真千子というのは、大した女優である。
 それでも、大阪には、「縁」があまりない。

 ただし、今秋の「大阪の陣」の行方は、注視に値する。
 客観的に見れば、橋下徹は、「強い候補」である。
 大阪府政・市政の「二重性」を解消するという意図は、明確にある。
 大阪市政に絡む障害を除去したら、彼は一転し市政を去り、府知事に戻るようなことを考えているのであろう。彼は、「大阪都」知事になれば、それで政治上の役割は終わりである。
 
 彼に対する毀誉褒貶の激しさは、そのまま彼に「力」を与えている。
 彼の政治手法を「独善」と批判するのは簡単だが、彼の政治的な勢いがある限りは、そうした批判は無意味であろう。

 もっとも、彼が国政に色気を示すようになれば、途端に失速するような気がする。

 

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Comments

日本の地方自治制度は、学問的には、融合型といわれている。国、府県、市町村の間の役割分担があいまいであることによる。

これは、同じ単一国家で、地方分権を進めている英国や仏国との違いである。

本来、この役割を明確に分けるということが、日本の課題ではないだろうか。

その上で、大都市における「二重性の除去」の場合、3つの考え方がありうる。

府県をなくして、国と大都市の二層にする方向、大都市に権限を与えて、府県は本当の意味で広域行政に特化する方向、そして、いま、橋下氏が唱えている、府県が大都市の行政の移譲を受ける方向、である。

世界の潮流をみると、3つめの方向はどうもとられておらず、1つめか、2つめの方向のようだ。

いくら政治的に強力でも、これまでの歴史や世界の動向をはなれた方向を進めることについて、リベラル派はおいておいても、保守派はもっとな内在的な批判の目をむけるべきではないのか。

雪斎氏の読みとは違い、いまの自民党のていたらくでは、従来の地方政治の自民党の系列がこわれることにより、「保守」層とみんなの党あたりが結合して、国政に、公務員批判を強めた地域政党が、世間の支持を受けて、次の総選挙では進出してくる可能性があるのではないか。
その意味で、大阪の維新の会の今後の動向には注視すべきであろう。

Posted by: 元リフレ派 | November 22, 2011 01:27 AM

 私自身は左派です。橋下当選にガッカリしました。山口二郎先生も批判していますが、ハシズムは忌避すべきものだと思います。

 私には、「脱官僚・政治主導で16,8兆円は捻出できる」と実現不可能な公約で選挙に大勝した民主党と、減税日本の河村たかしと、維新の会の橋下は同類項(ポピュリズム)にしか見えません。

 民主党の公約を「憲政史上最大の確信犯的公約違反」と批判した谷垣総裁に全く同感なのですが、河村たかしも橋下も同レベルだと考えています。

 選挙には勝てるんでしょうが、甘い餌がタダで手に入ることをいうようなことは政治家としてやってはいけないと思います。

 増税無し(もしくは少しの増税)の代わりに社会保障・所得再分配削減か、増税で社会保障・所得再分配充実が右派と左派の争点であるべきと思います。
 増税も社会保障の削減もしないで金融政策で財政再建ができるかのようにいう自民党上げ潮派やみんなの党もポピュリズムにおもねっています。
 左派の共産党、社民党にもポピュリズムの危険性があることが、左派の私には残念です。正々堂々と、北欧のように増税するが、社会保障を充実すると共産党・社民党には主張して欲しいです。

 1,2年で橋下は行き詰まると予想しています。

Posted by: a | December 01, 2011 07:35 AM

雪斎先生こんにちは。ご覧になりました?山口教授と橋下市長の対談(ちゅーかクサしあい)。山口教授、いったいどうしちゃったのでしょう? 世の凡人同様、立場が偉くなって単なる権威主義者に堕ちちゃったのかなぁ。議論そのものにはいろいろ見方もあるでしょうが、腹いせのツイートで市長を呼び捨てにして、佐藤優氏を引用した姿がとても哀れ・・・・。師匠に対して公の場で批判はできないとは思いますけど(もしこのブログで言及くださいましたらすごく嬉しいですが)、できればそっと諫言なさってくださいまし。私、山口教授はそれなりにいい学者さんだと思っていたのですが、ちょっとがっかりしちゃいました。
あとaさん、橋下さんは3年以上知事をやって潰されなかったわけですから、過小評価しちゃまずいですよ。

Posted by: 吉田です | January 17, 2012 03:43 PM

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