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November 06, 2010

「倒閣テロ」という「寝言」

■ 「寝言も休み休みに言えよ…」という話である。
 

□ ビデオ流出は「倒閣テロ」=民主幹部  時事通信
 民主党幹部は5日、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を撮影したとみられるビデオ映像が流出したことについて、「倒閣テロだ。故意による流出だろう」と述べ、民主党政権に批判的な人間が関与したとの見方を示した。
 別の同党幹部も「明らかに政治的なテロだ。政権への不満、組織的な問題かもしれない」と強調。「徹底して犯人を探し、共犯者(の有無)、背景も調べるべきだ」と語った。 (2010/11/05-19:58)

 こういう阿呆な発言をする政治家は、きちんと実名を報じたほうがいい。
 この政党幹部というのは、政治家を何年もやっていて、「テロ」をきちんと定義付けしないで使うのは、どういう料簡か。ひとりならまだしも、ふたりもいるというのは、どういうことか。
 そもそも、テロというのは、「暴力による恐怖」を政治の手段として使うことを指すのである。それも、「国家」の枠組以外のところで…。高々、時々の政権にとって不利な情報のリークや公表を「テロ」と呼ぶのであれば、「テロ」の意味は、際限なく拡散する。それならば、ウォーターゲート事件を抜いて、、リチャード・ニクソンを辞任に追い込んだジャーナリストは、「テロリスト」だというのか。田中角栄の金脈を暴いたジャーナリストは、「テロリスト」だったのか。文藝春秋や新潮社のような出版社も、テロリスト支援団体ということになるけれども、それでいいのか。
 こういうことを口にすれば、暗殺と隣り合わせのところで政治をやっていた先人たちに対して、恥ずかしいとおもわないであろうか。大久保利通、板垣退助l、森有礼、大隈重信、原敬、浜口雄幸、井上r準之助…、浅沼稲次郎…。
 こういうときは、「あれは謀略だ」といえばいいのである。「倒閣テロ」などという阿呆な発言を「阿呆」と自覚しないまま口にする感覚は、雪斎には理解しがたい。
 …と、ここまで書いて、次のような記事が配信されている。
 

□ 映像流出「情報クーデター」=鳩山前首相
      時事通信 11月6日(土)16時58分配信
 民主党の鳩山由紀夫前首相は6日午後、佐賀市で開かれた同党議員の会合で講演し、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を撮影したとみられるビデオ映像の流出について、「情報によるクーデターのようなものを、政府の中にいる人間が行うことは、政権にとって厳しい話だと思わなければならない」と述べ、菅政権の情報管理の現状に懸念を示した。
 同時に鳩山氏は「大変深刻な事態だ。海上保安庁か検察のどちらかが流出させたのはほぼ明らかだ」と語った。 
 
 今度は、「クーデター」ですか。雪斎も、言語感覚が、おかしくなってきている。

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Comments

快哉快哉。

Posted by: OJ | November 06, 2010 08:40 PM

マーク・フェルトFBI副長官は捜査資料や刑事事件の証拠を直接世に開示した訳ではありません。あくまでボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインに「金の流れを追え」等のヒントを提示して方向性を示し裏をとらせただけです。直接、刑事事件の証拠を開示した今回のケースとは性質が違うように思います。

国会でのきちんとしたプロセスを踏まずに、一個人が「愛国」や義憤の美名の下に上意を下克上で覆すようなことがあっていいのでしょうか。ロンドン海軍軍縮条約の統帥権干犯問題のときのように、いずれ歴史の女神から手痛いしっぺ返しを受けるような気がしてなりません。

次の言葉は河合栄治郎教授の論文『二・二六事件に就て』における言葉です。

「或は人あっていうかも知れない、手段に於て非であろうとも、その目的の革新的なる事に於て必ずしも咎(とが)めるをえないと。然し彼等の目的が何であるかは、未(いま)だ曾(かつ)て吾々に明示されてはいない。何等か革新的であるかの印象を与えつつ、而もその内容が不明なることが、ファッシズムが一部の人を牽引(けんいん)する秘訣(ひけつ)なのである。それ自身異なる目的を抱くものが、夫々(それぞれ)の希望をファッシズムに投影して、自己満足に陶酔しているのである。只管(ひたすら)に現状打破を望む性急焦躁(しょうそう)のものが、往(ゆ)くべき方向の何たるかを弁ずるをえずして、曩(さき)にコンムュニズムに狂奔し今はファッシズムに傾倒す。冷静な理智の判断を忘れたる現代に特異の病弊である。」


現政府の情報管理能力危機管理能力の欠落、政治判断するべきはずの政治家がその責任を取らずに検察に責任をとらせたことのは大いに問題があります。追求されるべきだと思います。

しかし、僕は今回の漏洩者の行為は決して正しいものであるとは思えません。僕は最近の雪斎さんの言の軽さに対して悲しみを憶えます。

「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。」

どうか貴方には民主党のようにはならないでいて欲しい。いずれ自民党は責任ある与党として返り咲くのだから。

Posted by: ゴーマーパイル | November 06, 2010 11:44 PM

彼ら、結局、どんだけ失敗しても「あいつが悪いんだ!俺が悪いんじゃない」って類の事しか考えてないんですよね・・・どんだけ小学生だよと思います。

Posted by: 通行人 | November 07, 2010 01:21 AM

日中関係がきしんだ時、首相官邸が日本の外交官ではなく、中国外務省に相談したのに衝撃を受けた。と11月7日の日経朝刊に載っていますが、これは首相官邸による倒日クーデターにはならないんでしょうかね。

Posted by: なげきぶし | November 07, 2010 11:16 AM

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