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September 25, 2010

勝つと思うな。思えば負けよ。

■ 尖閣の一件で、船長釈放だそうである。

 前原・クリントン会談で「尖閣は日米共同防衛の範囲以内」と再確認された。菅・オバマ会談でも、この再確認を
受けて、日米連携で一致した。

 □ 日米首脳、「尖閣」連携で一致…普天間合意推進 
            読売新聞 9月24日(金)12時3分配信
 【ニューヨーク=東武雄、志磨力】菅首相は23日夕(日本時間24日朝)、ニューヨーク市内のホテルでオバマ米大統領と約1時間会談した。
 両首脳は、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で日中間の緊張が高まっていることに関連し、中国の動向に日米ともに関心を持って注視し、緊密に連携していくことで一致した。
 尖閣諸島への日米安全保障条約の適用については、クリントン米国務長官が同日午前(同23日夜)の前原外相との会談で言及しているため、「それを前提に首脳会談が行われた」(首相同行筋)という。一方で大統領は「中国との協力関係も大事だ」と述べた。
 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題については、首相が移設先を同県名護市辺野古とした5月の日米合意を踏まえて進める考えを強調したうえで、沖縄で反対が根強いことを踏まえ、「沖縄の難しい課題もあり、負担軽減についても努力をしていきたい」と理解を求めた。大統領は「難しい課題だと理解している」と述べた。 最終更新:9月24日(金)12時3分

 中国が次に下手なことをすれば、日米共同で対処する。これを可能性として言えるようになったのは、まことに結構である。中国が尖閣でエキサイトしてくれたおかげで、こういう「型」ができつつある。

 そして、雪斎は、日本人に、こう呼びかけよう。
 「さあ、日本の皆さん、対中『臥薪嘗胆』日々の始まりです。『日中友好』などという気持ち悪い言葉の酔いは、覚めましたでしょうか。中国とは、儲けられる限りにおいて、付き合えばよいのです。設けられなければ、『金の切れ目が縁の切れ目』ですね。このところ、中国も、偉そうにしていますので、そのうち屈辱を晴らして差し上げましょう。おほほ」。

 こたびの一件は、日本を屈服させた中国の「勝ち」だそうである。
 本当だろうか。
 周恩来以来、鄧小平らのリアリストが延々と続けた「中国は大人〈だいじん〉の国だ」という演出を見事に壊しているのが、現在の中国政府であろう。笑えるのは、驕った頭脳で「小人」ぶりを暴露してくれていることである。
 これで、日本国内にある「中国・大人」という幻想が消滅してくれれば、まことに結構である。中国は、船長の身柄と引き換えに、この三十数年の努力の成果を一気に水泡に帰せしめたことになろう。中国政府は、「木端を拾って、大木を流した」わけである。これで、「勝ち」といえるのか。

 それで、具体的に、どうするのか。
 1 日米提携の加速
 2 日本経済の「中国」からの脱出

 ありがとう、中国。中国のおかげで、日本は、「普通の国への脱皮」に近づける。

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「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

年内に、日米共同訓練を尖閣諸島で盛大にやるのはいかがでしょうね。

Posted by: KU | September 25, 2010 at 06:06 AM

雪斎先生の主張に賛同いたします…これまで盲目的に中国を賛美し、中国の主張を唱道してきた学者・言論人の底の浅薄さが明白になった事件でもありました。
また同時に、日本が軍事面で自立性を欠いていること、経済面で中国に過度に依存しているという弱点も国民の目に明らかとなりました。
これから10年は、正に「臥薪嘗胆」の時期になるでしょう。しかし、句践が会稽の恥をすすいだように、今は日米安保の強化と日本の軍事面の充実、東南アジアとの安全保障上の連携構築、そして経済的な中国依存の脱却を静かに・確実に進めるべきでしょう。今回の事件を一過性のものにしてはなりません。
最後に、今回の事件によって、民主党は無責任な傍観者となって政権担当能力の欠如を明らかにし、検察は行政的な判断を司法に持ち込む誤りを犯しました。唯一、尊敬に値する行動を見せてくれたのは、危険な現場で奮闘する海上保安庁の職員の方々だけでした。

Posted by: いしかわ | September 25, 2010 at 10:26 AM

◎お前(櫻田某)はアメリカの日本駐在総督か?
師匠(マキャベリ)の教えの逆を唱えるなど本当に大した玉だ。それとも真性のアホか。

Posted by: 媚米派 | September 25, 2010 at 10:32 AM

日米安保が発動するのは日本が「戦う意思」を持っていた場合であり、中国が「日本の政治判断による自主的な尖閣放棄」に持ち込めれば平和裏に尖閣の主権委譲が完成するでしょう。そして、これだけのことを仕掛けられて、この期に及んで官房長官が「戦争が起きなくて良かった」「日中関係は重要」と発言しているような場合、その蓋然性は高いと思われます。

下品な2ちゃんねるに貼られていた予言が当たらないよう望みたいものです。

~2ちゃんねらの予言~
尖閣諸島の事件で民主党政府が一方的に譲歩した結果何が起きるか。
2ちゃんねらの一人としてあらかじめ予言しておきます。

1)経済界への圧力の激化
 レアアースの輸出ストップに続き、日本メーカーが中国工場で生産した製品の
 輸出入を税関でストップします。若干の備蓄で解決までのタイムラグが生じる
 レアアースと異なり、完成品の輸出を押さえることは日本メーカーの日々の
 売り上げをゼロにする効果があります。首輪につないだ犬に一切の水と食料を
 与えなければ、犬は「くーん」と鳴くしかありません。

2)フジタ社員への死刑判決
 中国政府は、フジタ社員が軍事機密を撮影したとして、死刑判決を下します。
 日本政府の「国内法に則って粛々と云々」という主張を逆手に取り、「中国の
 国内法に基づき粛々と死刑を執行する」と日本を脅します。

3)中国の主権と領土を犯したことへの謝罪と賠償の要求
 上記2点を一歩も引かない態度で突きつけながら、民主党日本政府に対して
 強行に謝罪と賠償を突きつけます。死刑執行をちらつかせた神経戦が続きます。

4)民主党政府「苦渋の判断をした」謝罪と賠償を受け入れ無条件降伏
 「日本国民の命と経済に与える影響に鑑み、苦渋の選択をしました。国民の
 理解を求めたい」と神妙な顔つきで記者会見。尖閣諸島で中国の主権を侵した
 ことに「遺憾の意」を示し、莫大な金額の「環境経済援助」を約束してしまいます。

5)米国政府「日本政府が判断したこと」とコメント

6)中国、即日尖閣諸島に上陸し、国際社会に実効支配を宣言
 尖閣諸島に上陸した中国人民解放軍は、わずか数時間以内に仮設ヘリポートを
 建設し、国際社会に対して実効支配を宣言します。中国人民解放軍がこれほど
 短時間でヘリポートを建設した場所。それはかつて、日本の海上保安庁が建設して
 使用していたヘリポート(中国の抗議で撤去)の跡地でした。

Posted by: 阿部新蔵 | September 25, 2010 at 11:49 AM

 まるで「阿Q正伝」の理屈みたいなもんですね。敗戦を敗戦と認めない。精神的勝利というやつですな。

「中国が次に下手なことをすれば、日米共同で対処する。これを可能性として言えるようになった」なんてオバマさんがいつ発言したのでしょう。単に同盟国同士の争いは困るといっただけで、思いやり予算を削られたくないアメリカの謀略と言ってもいいくらいです。

アメリカは何もしません。
日米同盟は事実上解消されたと言ってよいでしょう。まあ今まで何もしてきませんでしたから当然ですが、そこまで日本の危機を喜ぶ「信米派」の人たちはまるでブラジルの「勝ち組」派のような勢力ですね。

Posted by: ペルゼウス | September 25, 2010 at 12:13 PM

この一連の騒動で、多くの人が思い起こした言葉ですね。

臥薪嘗胆

平成の御代にこのような言葉が脚光を浴びるとは思いもしませんでしたが、なに、ドンパチやるわけではなし。
外交戦の敗北と脆弱な政府の体制を素直に認めて、「臥薪嘗胆」を唱えようではありませんか。
この言葉が再び人口に膾炙し、他日を期すこころざしを多くの国民が共有できれば、こんどの騒動は奇貨とすべきでしょう。

Posted by: アルゴン金 | September 25, 2010 at 02:21 PM

お久しぶりです。

中国に依存しない「普通の国」への脱皮には、とりあえず、食糧(最大の戦略物資!!)自給率の上昇、即ち、減反政策の廃止、並びに、失業者・NEETの農業への雇用推進、及び、関連法案などの整備でしょう。

私は、その方面では素人ですので、拙い所があると思いますが、ご容赦くださいm(_ _)m。

Posted by: 黒武者 | September 25, 2010 at 08:28 PM

「尖閣は日米共同防衛の範囲以内」の一言で中国は簡単に事を起こせなくなった事は確かだと思います。ですが中国は、日本がアメリカと日米安保の確認をする事は織り込み済みなのではないでしょうか?「尖閣は日米共同防衛の範囲以内」というのは、尖閣列島がまぎれもなく日本領だからこその発言であって、日本が自ら尖閣列島は領有が確定していない紛争地域と認めれば状況が変わります。また、日米以外の国際世論が尖閣列島は領有権が確定していない、という事になっても同様です。
中国が日本に謝罪と賠償を求めるそうですが、謝罪と賠償が無ければ、フジタの4人の身柄は返さない、中国国内の裁判の結果によっては死刑かもしれない、レアメタルも輸出しない、と言って圧力をかけ、日本が落としどころを探し出したら、当事者同士の口約束や、読みようによってはどうにでも解釈できる文言で少しづつ日本に中国の言い分を認めさせていく。その少しづつの既成事実を積み上げて、最後はアメリカにも尖閣列島は国境の確定していない紛争地域なので、アメリカは中立を守って見守る、と言わざるを得ない状況へ持っていこうとするのではないでしょうか?

Posted by: KAMURO | September 25, 2010 at 10:14 PM

 先の温家宝首相の国連での発言も、「小人」である地金が明らかになった事例の一つと解釈すればいいのでしょうか? 国外から見えるに内政が悪化し、内憂を外患をでっち上げて誤魔化す事に血眼になりつつある様にも見えます。で、与しやすい相手である日本に仕掛けてきたが、日本が予想外の対応をした結果面子がつぶれて逆ギレした。で、まだ逆ギレの最中といった所でしょうか? 今回の件で消える幻想は「中国・大人」だけではなく偽リベラルというべき「サヨク」の情緒的信頼の終わりもあれば良いのですが。

Posted by: almanos | September 26, 2010 at 12:57 AM

今回は中国、民主、小沢を妄信していた国民にとってよい薬となったのではないでしょうか

船長開放のニュースを聞いたときはふがいなさにハラワタが煮えくり返りましたが、
今回の投稿をよんで、あぁ多少はよい見方も出来るのかと慰められた感じです。

いつもありがとうございます。

Posted by: ぐー | September 26, 2010 at 12:57 PM

中国は船長釈放でも強硬姿勢を崩しませんね。民主党政権の稚拙さにいらだちます。

こうなったら、日本政府は、現在拘束されているフジタ社員とこの尖閣諸島の事件を逆にリンクさせて、これをカードとするべきです。中国政府がバーターのために社員を不当逮捕したとアピールし、世界にその非人道性を訴えるというわけです。中国政府はイメージダウンを被るでしょう。また、裁判においても死刑の適用が難しくなるメリットがあると思います。もちろん、謝罪と賠償に応じてはいけませんが。

Posted by: akijunshin | September 26, 2010 at 10:06 PM

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