ひどい「指揮」を観た夏
■ この国で「政権担当能力」とは、官僚を指揮する能力である。
それは、オーケストラの指揮という作業と似ている。
各パートの奏者に色々な指示を出して、さまざまな「響き」を作っていく。
それが交響曲や管弦楽曲の世界である。
今、民主党内のゴタゴタぶりがエスカレートしているようであるけれども、どうでもいいことではある。菅直人登場後、支持率が跳ね上がったのは、民主党の「脱小沢化」が期待されたからである。今、鳩山由紀夫が挙党態勢を説いているようであるけれども、そうした名目で「脱小沢化」にブレーキをかけることなどは、ほとんど期待されていないのではないか。
小沢待望論というのも、不可思議な現象である。
彼の「指揮経験」というのは、中曽根康弘内閣期の自治大臣と竹下登内閣時の官房副長官ぐらいしかない。
その後、細川・羽田諒内閣期、そして小渕内閣期に与党の立場になったが、結局、「指揮台」にたつことはなかった。彼が、唯一の閣僚経験を経たのは、実に四半世紀前のことである。
こうした経歴で、どうして彼に「官僚指揮能力」があるといえるのか。
もっとも、民主党の「脱小沢化」の方向性は、正しいであろうけどlも、実際の政権運営は、ガタガタである。素人が指揮台に上がって棒を振っているような感じになっている。それならば、指揮台にたったまま何もしなければいいのだが、「政治主導」の大義で無闇に棒を振っているのだから、これはお笑いである。
このところの円高・株安局面は、民主党内閣の「政権担当能力」が、どのようなものかを示す格好の材料であったようである。日経225がニューヨーク・ダウ平均に連動して動いていたと仮定すれば、今頃の日経225は11000円くらいになっているはずである。もっとも、去年夏までは、日本の株価の回復が米国よりも早かったのである。この失われた2000円分が、そのまま民主党の政権運営への評価である。一説によれば、日経225は、8000円近くまで下落する可能性があるとか。「政治は三流、経済は一流」が日本の合言葉だったけれども、もはや「経済も一流」というわけにはいかない。国が崩れる音をリアル・タイムで聴くことになるとは夢にも思わなかった。
前に触れたように、雪斎は、「自民党+民主党非小沢系」連立内閣ならば、それを支持しようと思う。
菅直人は、法人税下げと消費税上げを含む税制改革の道筋を付けた宰相として歴史に名を残せれば、彼も政治家冥利に尽きよう。その暁には、是非、谷垣・副総理兼財務、麻生・外務、安倍・文部科学という布陣で行ってもらおう。雪斎の考える「自民党+民主党非小沢系」連立内閣は、英国のマクドナルド内閣やドイツのキージンガー大連立内閣jの事例に倣って、「菅直人を首班とする実質上の自民党内閣」である。菅直人周辺からは、「やりたいことができない…」という声も漏れるかもしれないけれども、「やらなければならないこと」をやるのが、統治に際しての責任である。その連立内閣の時間の中で、非小沢系の群像たる前原、枝野、玄葉といった面々の「次の次」辺りを見据えた「鍛え直し」ができれば、誠に結構ではないか。
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