「自民党+民主党非小沢系」連立という可能性
■ 雪斎の感覚からすれば、気温30度を超えると、そこは、「人間の済む処」ではない。
だから、拙ブログの更新も十数日、途絶えた。
経験則上、高校野球が終われば少しは涼しくなるはずなので、このブログも平常運転に戻ろうかと思う、
ところで、民主党代表選挙の行方は、「盛り上がる」話題なのか。
自民党政権時代の「派閥抗争」は、日本が「活力」を持っていた時代の産物である。
現在のように、日本という国の「余力の底」が見え始めているときに、こういうことに熱が入るというのも、どうしたものかと思う。そもそも、「全然、仕事をしているようにいは見えない」というのは、どうしたことか。
雪斎が「あらまほしき」と考えるシナリオを描いてみよう。
次の代表選挙で民主党が「小沢系」と「非小沢系」で割れるようならば、自民党は、どのようにすべきであろうか。実際は、「割れない」可能性が高いけれども、これは仮定の話として書く。
1931年に英国で挙国一致内閣が組織された折、首班となったのは、労働党党首であるラムゼイ・マクドナルドだったけれども、それは、実質的には、保守党主導内閣であった。マクドナルドは、その後、労働党から除名される。
この事例を、そのまま現在の「永田町」の図式に当てはめると、次のようなシナリオになる。
1 民主党代表選挙で菅が勝つ。「脱小沢化」を加速させる。小沢が民主党を割る。
2 菅直人を首班として、自民党が「挙国一致内閣」を発足させる。。
3 政策面は、第一に「財政再建」を表看板にし、他は基本的に自民党のものを踏襲する。
外務・防衛・財務の三大臣ポストは、そのうち一つを副総理兼任として自民党に渡す。
これならば、悪くあるまい。無論、条件はある。
1 菅周辺が自民党と組むという選択を考えられるか。
2.自民党は、「右派色」を消す。
自民党が、「小沢系」と組むというオプションもありうるであろうけれども、それは、自民党にとっては、自殺行為に等しい。いわゆる「小沢的なるもの」を払拭することが、自民党にとっての「党改革」の趣旨であったはずである。
だから、自民党は、どのような体裁であれ、「小沢系」と組むわけはいかない。
小沢一郎首班となれば、おそらくは、支持率30パーセント台からの出発であろう。折に触れて、「政治とカネ」で追及される。それでも、小沢首班は、その気になれば、支持率が限りなくゼロに近い水準にまで落ちても、三年近くは「権力の座」に要られる。次の国政選挙は、できるだけ引っ張れば三年後の夏である。
そういう内閣に、自民党が手を貸す必要はあるまい。
小沢が勝てば、
菅が勝てば、その「統治能力」をネタに追い込む。
■ 前のエントリーの続きである。
□ 読売新聞短期連載「今に問う言葉」 永井陽之助 2
「イリュージョン(幻想)に対してイリュージョン(幻想)を持つ」。
―永井陽之助「二十世紀と共に生きて」『二十世紀の遺産』(永井陽之助編、文藝春秋、一九八五年)所収このケネス・E・ボールディング(経済学者)の書から永井が引用した言葉は、知識人としての永井の姿勢を表したものでもある。たとえば、霊峰・富士の風景は、静岡側と山梨側とでは異なる。人々は、「自分の視点」から観る富士を唯一無二と錯覚するけれども、それでは富士の「真実の姿」は判らない。そうした弊を避けるためには、「自分の視点」をも突き放す姿勢が大事になる。「イリュージョンに対してイリュージョンを持つ」とは、そうした意味である。永井が言葉通りの「リベラル」(寛容)な知識人であったのは、「自分の視点」を相対化できた故に、「他人の視点」を尊重できたからである。永井が生きた時代は、「自分の視点」に執着し「他人の視点」を排撃する「イデオロギー思考」が幅を利かせていた。今でも、世には、「静岡側から眺めるのが本当の富士だ。山梨側ではない…」と言いたげな声を聞く。日本には、本当に「リベラル」の気風が大事にされているか。
『読売新聞』(2010年8月16日付)掲載
永井陽之助先生は、「弟子」を残さなかった学者である。雪斎も、永井先生の「弟子」ではない。
高坂正堯先生は、多くの弟子に恵まれ、全八巻の著作集も刊行された。
だから、今でも二十代、、三十代の政治学徒には認知度は高い。
だが、永井先生は、そうではない。
永井先生が急速に「忘れられた知識人」になりつつあるのは、雪斎には寂しい。
折に触れて、永井先生の言葉を紹介することを心がけなけなければなるまい。
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