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July 29, 2010

「野党であること」に耐えられなかった政治家

■ 雪斎にとって、今夏は、「長谷川如是閑の世界」に、どっぷりと浸かる夏である。
 如是閑自身の著作と如是閑を扱った研究書の中でも現在、手に入る主なものを調達して、どっぷりとつかっている。学生時代、図書館で如是閑を読んで、相当な影響を受けた。イデオロギーを「役に立たない妄想」と呼ぶ感覚は、特に、そうである。
 雪斎にとって興味深いのは、戦後に吉田茂がサンフランシスコ講和会議での「片面講和」を推し進めた時、「全面講和」を唱える往時の知識人の大勢を向こうに回して吉田の方針を支持した数少ない例外が、如是閑であったという事実である。如是閑にしてみれば、当時の「全面講和」論も、「役に立たない妄想」の類であったか。
 如是閑にとっては、思考の立脚点は、「観念」ではなく「生活」であった。政党も、「生活」ではなく「観念」に走ると、途端に失速するような気がする。安倍晋三以降の自民党然り、現在の民主党然りである。

■ ところで、「野党であること」に耐えられなかった政治家が、また一人である。

 

□ 辻元氏離党 「看板」失った社民、党再建の糸口失う
             朝日      2010年7月27日22時5分
 社民党の辻元清美衆院議員(大阪10区)は27日、大阪市内で記者会見し、離党届を提出したことを明らかにした。辻元氏は野党では政策実現が難しいことを離党理由に挙げた。知名度の高い「看板」議員の離党で、社民党は党再建の糸口の一つを失うことになった。
   広がる憶測 「衆院選の布石」「いずれ民主入り」…
 「私も『総理、総理』と野党で批判の急先鋒(きゅうせんぽう)として反対を唱えたが、それだけでは日本を変えられないと思った」
 辻元氏は会見で与党への強い思いを隠さなかった。社民党が政権離脱するまで、辻元氏は国土交通省の副大臣を務めており、「政権や国交省で働き、今すぐ色々なことを解決していきたいという思いが強くなった」と強調した。 後略

 辻本氏と福島みずほ党首の関係は、どうなのかは、雪斎は知らない。だが、客観的には、社民党は、民主党に協力しにくくなったと思われる。社民党を加えなければ、衆議院で再議決に必要な数は足りない。民主党の国対辺りが頭を抱えている様子が、目に浮かぶのだが・・。
 もっとも、社民党は、野党である限り、次の衆議院選挙での実質上の消滅は、免れないであろう。
 辻本氏自体、昨年の衆議院選挙では、「民主+社民」の枠組で、民主党の支援を受けながら当選してきている。
現時点では、もはや「民主党の支援」を当てにできないわけであるから、比例区で数議席を確保するのが関の山となろう。小選挙区で沖縄と大分を除く他の選挙区でで果たして取れるのかという域である。参議院も、今月の選挙で取った議席は、僅かに2議席、現有4議席である。
 なるほど、社民党、そして昔日の社会党にとっては、「政権参加」は、「毒まんじゅう」の類であったのか。「政権参加」によって、色々とパワー・アップするどころか、逆に着実にパワー・ダウンする政党というのは、一体、何なのか。かなり、珍しいものを観ていたのかもしれない。
 自民党は、「野党であること」に徹するべきであろう。メディアの中には、「責任ある野党」として民主党の政権運営に協力せよと唱える向きがあるけれども、その多くは、自民党政権時代の民主党に対して同じことを提言していなしのだから、まるで説得力はない。外交・安全保障に関わる領域を除き、自民党は、民主党を徹底して追い込むことを考えなければならない。
 そして、是非、菅総理には、「時事通信」では37パーセントに落ちた支持率とともに、「与党であること」の苦しみを、どっぷりと味わっていただくのが、よろしいであろう。雪斎は、菅総理が「現実主義者」の自己規定の通りに特に外交・安全保障面で「おかしなこと」をやらない限り、その執政を温かく観ることにしようかと思い始めている。

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Comments

安全保障に関連して、民主党は沖縄知事選挙でどのような候補を立てるのか注目しています。
辺野古移転を推進する候補を立てれば沖縄県民から「裏切り者」と言われて二度と信用されず、移転反対の候補を立てれば米国から「民主党はうそつきだ」と責めらて安保が危機に陥る。
現実を見ない政党が、自らまいた種に苦しむ姿を見ることになるかもしれません。結局、自民党とともに現知事に相乗り(抱きつき)するしか方法がないのではと思います。

Posted by: いしかわ | July 29, 2010 at 07:28 AM

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