« 自己保身と「酷薄さ」 | Main | 日本の「無政府状態」 »

June 04, 2010

民主党第二内閣誕生の朝

■ 政治学者という稼業は、難しい。
 政治学者は、「一寸先は闇」の世界を観察の対象にしている。
 政治学者は、「政権交代が当然のように行われる」ことを少なくとも歓迎する。日本は、中国や北朝鮮のように、一党独裁の下に在る国ではない。だから、昨年夏の政権交代を前にして、「とんでもない凶事だ」と反応した政治学者は、いないであろう。
 ただし、それが、「政権交代が起こること」を歓迎したのか、「民主党が政権の座に就くこと」を歓迎したのかというのでは、かなり趣が異なる。
 雪斎の場合は、明らかに前者である。
 雪斎は、「自民党が野党に転じることは、体質変化を図る上で悪くない」と思っていた。民主党の政権運営に対する期待値は、元々、低い。「変なことをしなければいい」という程度である。
 だから、「鳩山後継内閣」には、次の三つの基本線だけは、きちんと踏まえてもらう必要がある。
 ① 日米関係は、きちんと運営されなければならない。だから、普天間移設も、日米合意の線で動かす。 
 ② 日本は、資本主義国家なのであるから、ビジネスの「活力」を活かすことが産業振興政策の基本である。
 ③ 官僚の「働き」を殺してはならない。
 こうしたことを「常識」として定着させることができれば、鳩山内閣八ヶ月の時間は、「高くついた授業料」だったということになろう。できなければ、「」もう、どうしようもねえな…」という反応になる。
 とりあえず、「鳩山後継内閣」の姿勢を占う上で注目に値するのは、衆議院を通過させたばかりの「郵政改法案革」をどのようにするのかということであろう。残り僅かの会期の中で半ば強引に通すのか。それとも、参議院選挙以降に持ち越すのかl。
  それにしても、民主党には、「小沢グループ」だの「横路グループ」だのがあるようであるけれども、何故、「小沢派」や「横路派」だのといわないのか。「○○グループは××を支持」だのと聞くと、以前の自民党とやっていることが変わらないと思うが…。自民党の「派閥政治」を批判していたのは、どこの誰だったか。

|

« 自己保身と「酷薄さ」 | Main | 日本の「無政府状態」 »

国内政治」カテゴリの記事

Comments

こんにちは。

つくづく思うのですが・・・鳩山さん個人がこの8ヶ月間で日本国および日本国民に被らせた損害を金額で査定したらいったいいくらになるのだろうか?

会社の場合は株主代表訴訟があるが、首相個人の責任を問う損害賠償裁判があってもおかしくないのではないか?

そう思うくらい情けない首相でした。

Posted by: チャーリー | June 06, 2010 05:57 AM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 民主党第二内閣誕生の朝:

« 自己保身と「酷薄さ」 | Main | 日本の「無政府状態」 »