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May 25, 2010

朝鮮半島の「隠然とした」雲

■ また間が開いた。
 朝鮮半島情勢は緊迫の「局面」入りである。
 

□ 「領海侵犯」なら軍事措置=北朝鮮、韓国に通告 
            5月25日17時50分配信 時事通信
 【ソウル時事】南北軍事実務会談の北朝鮮側代表団団長は25日、韓国海軍の艦艇が黄海海上の北朝鮮領海を侵犯しているとして韓国軍に通告文を送り、「侵犯が続くなら、実際の軍事的措置が実行される」と警告した。朝鮮中央通信が報じた。
 北朝鮮は、韓国側が黄海上の境界線と設定した北方限界線(NLL)を認めず、これより南に独自の「海上軍事境界線」を設定している。哨戒艦沈没事件が起きた白※(※=令の右に羽)島の周辺海域などは海上軍事境界線の北側に位置する。
 同海域では韓国艦艇が活動しており、今回の通知により、緊張が一層高まりそうだ。 

 北朝鮮が、韓国に「隠然と」手を出すのは、今に始まったことではない。
 ① 青瓦台事件
 ② 文世光事件
 ③ ラングーン・アウンサン廟爆破事件
 ④ 大韓航空機爆破事件
 過去にも、思いつくだけで、これだけのことをやっている。
 冷戦下の北朝鮮の挑発は、今でも変わらない。ここで、大事なことは、何れの事件でも、北朝鮮政府は、自ら手を下したと認めていないということである。故に、こたびの哨戒艇爆沈事件でも、北朝鮮は、「あれは捏造だ」と語っている。何時ものパターンである。北朝鮮の挑発行為が、「隠然とした」ものでなければならない理由は、それが「「公然とした」ものであれば、休戦協定の違反、即ち戦争再開を意味するからである。
 この案件は、どのように落着するのか、。韓国政府が納得する仕方として、唯一、ありそうなのは、北朝鮮政府が、「あれは一部の妄働分子がやったことだ」という謝罪で、手を打つことであろう。小泉純一郎訪朝の折に、金正日が使ったロジックである。実際、李明博は、北朝鮮に「謝罪」と「関係者」処罰」を要求している。ただし、これも、本当に、北朝鮮政府が「謝罪」に踏み切るかは、判らない。大体、事件への関与それ自体を認めていないのだから、「謝罪」と「処罰」までいきようがない。
 雪斎の判断からすれば、韓国政府が、哨戒艇沈没が北朝鮮の魚雷攻撃に因るものと断定したところで、その後に具体的な動きが続くとは考えにくい。李明博は、「また手を出したら、自衛権発動だ…」とぶち上げたけれども、本当に武力行使オプションを選択できるのかは、かなり疑問がある。大体、ある程度の豊かさを実現した韓国にとって、朝鮮半島内部で混乱が起こることは、耐えられないであろう。それでも、「火が噴く」事態になれば、その後の展開は、読みようがない。
 中国は、北朝鮮の立場を擁護し続けるであろう。「抗美援朝戦争」を戦ったという「血の連帯」は、軽視できない。さらにいえば、北朝鮮の体制がどれだけ「トラブル・メーカー」として認識されようとも、その存在が決定的に邪魔なものにならない限りは、その存在を利用とするであろう。底意地の悪い見方をすれば、北朝鮮が「トラブル・メーカー」としてふるまっていることは、中国は、表向きは苦虫をかみつぶしてみても、内心、歓迎しているかもしれない。北朝鮮に影響力を行使できる唯一の国としての立場は、強まるからである。中国は、この件に関して対頂朝影響力の発揮を求める声を、「いやな宿題だ…」と思っているのか、それとも「ほほほ、泣きついて来おった…」と思っているのか。今の中国の自信から判断すると、後者であるという可能性も、否定できないのではないか。もっとも、そうした中国の姿勢が、中国の中長期的な利益につながるのかは、別の議論が必要であろう。
 北朝鮮の体制を運命を左右するのは、日米韓三ヵ国という「38度線以南」からの圧力ではなく、「鴨緑江以北」からの圧力である。だから、極端なことをいえば、中国・人民解放軍が国連旗の下に鴨緑江を渡るという風景が出現するぐらいのことがなければ、北朝鮮の体制は続くのであろう。
 雪斎は、結局は、こたびも韓国の「やられっ放し」で終わるのではないかと読んでいる。ただし、これは、チキン・ゲームの過程であって、それまでは、かなり「やばい空気」が流れることも覚悟しておく必要があろう。
 それにしても、日本で、こういう周辺情勢の「緊迫」に相対しているのが、あの内閣とは…。悪いときに、悪いめぐり合わせである。やはり、先の大戦と同様、「我慢の時期」は三年半、復興までに十年はかかるという算段か。

 ところで、朝鮮半島絡みでいえば、昨日のサッカー日韓戦の出来は、目を覆わんばかりであった。
 あの監督では…、駄目であろう。宰相と似たような「空気」,を感じさせる。
 元気の出ない話ばかりである。

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Comments

朝鮮半島の「隠然とした」雲 のため
「ウォン安」
ギリシアから始まり地中海諸国に拡大するであろう財政危機でユーロ不安の「消極的円高」。
混乱の中での株価暴落。

 サムソンの家電独り勝ちで、日本のハイテク部品メーカーまでが、納入品の価格決定権を韓国に握られ、単なる下請化とは情けない。 数年前と情勢は逆転しつつあるのでしょうかね。
 韓国企業への大きな発注が取り消されたという情報もあまりないんです。このウォン安で韓国製造業は「ウハウハ」状態。北朝鮮のおかげで一番メリットがあるのは、「韓国」なんて声もあがっています(笑)

COPで製鉄の技術は中国に特許料と排出権の交換でほぼタダ流出している状況ですから、日本の富はストローでチューチュー吸われている献血状態であります。
国内の需要不足で身近な企業までが、
「インドにいくかぁ」
「ベトナムがいいだろ」
「バングラデシュが安いぞ・・」
異口同音に
「税金高い(笑)」ですよぉ・・

PC
WCといえばサッカーばかりではありません。日本ラグビーが頑張っていますよ。

Posted by: SAKAKI | May 26, 2010 at 06:42 AM

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