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April 04, 2010

週末の二題

■ 昨日は、従妹の「華燭の典」である。
 当世、流行の「アラフォー婚」である。
 叔父や叔母は、さぞかし安心したであろう。
 「人生の味わいは深くして濃く、人生の響きは豊かにして華やかに」。
 帰宅して、リヒャルト・ワーグナーの「タンホイザー序曲」をヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で聴きながら、そうしたことを考える。

 雪斎の自室には、大正時代の「モダン・ボーイ」だった祖父の写真が飾ってある。
 雪斎宅は、宮城や広島から駆けつけた親族の「集結地」に相成る。総て、この祖父から発した係累である。
 祖父の世代は、白洲次郎が典型であるけれども、一九〇〇年代に生まれ、一九一〇年代の「自由」の中で成長した。そして、戦時中は年齢が高すぎたので応召せず、「経済大国・日本」の復活を見届けて、一九八〇年代以降に鬼籍に入っていった。
 日本史でも、最も恵まれた世代であろう。
 そうした世代の「自由」や「バタ臭さ」というのは、かなりの程度まで雪斎の世代にも影響を与えているのではないかl。

■ ところで、政治である。
 与謝野馨氏や園田博之氏が自民党を離党して、平沼赳夫氏や鳩山邦夫氏と組んで新党を作るそうである。
 だが、雪斎は、この新党に冷ややかな眼差しを投げつけざるを得ない。
 「この新党は、次の衆議院選挙で、議席を確保できるのか、あの小選挙区制で…」。
 これが、「新党」というものに余り期待しない所以である。
 そもそも、小沢一郎氏も、自由党という小勢力では展望が開けないから、民主党に合流し、今では民主党を乗っ取ったのではないか。
 第三極というのも他の二大勢力に比肩できる勢力を持っていなければ、上手くいかない。
 だから、これをやるには、衆議院で一二〇議席くらいの勢力を持っていなければ、無意味である。

 故に、自民党は、右往左往することなく、向こう長くて三年、「爪を研ぐ」こことに専念すれば宜しい。
 焦ったところで、向こう三年、解散の大権を握っているのは民主党であるという歴前とした現実を直視すべきだろう。この三年の間に、「政権再奪還後、三ヶ月以内に何を断行するか」をきちんと綿密に考えておくことである。

 それにしても、現在の日本には、坂本龍馬の劣化コピーになりたがる政治家が多すぎないか。
 要するに、組織のしがらみから自由な立場で、「調整・媒介」するという風情である。
 だが、それは、結局、「他人の褌」で相撲を取る以上のことを意味しない。龍馬を評価するくらいならば、山内容堂を動かして土佐藩を維新の中核勢力にした後藤象二郎をこそ、政治手腕の観点からは評価すべきであろうと思う。
 織田・豊臣時代の徳川家康、あるいは島津久光の下僚時代の大久保利通のように、「力を黙々と蓄えて、ここぞという時にビッグ・ディールを張る」という骨太な姿勢がなければ、大業は成し難いのである。今の日本に必要なンは、大久保のように、「次の時代のシステム」を構築できる政治家のことである。決して、龍馬ではない。

 坂本龍馬は、政治家というよりも、楽天の三木谷浩史社長のようなヴェンチャー・ビジネスマンであろう。
 何故、世の政治家は、彼に憧れるのか。

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Comments

たしかに龍馬、龍馬と騒ぐ人間をやかましいとは思いますが、だから後藤象二郎の”現実主義”とやらを持ち上げるのはどうでしょうか。

そもそも現実主義なるものは夢想家や軽薄なものに対するものとして力を持ちます。まず軽薄に走り出す人間がいて、「いやまて」と現実主義が意味をなすのであり、賢く立ち回ると言えば聞こえは良いですが、賢く立ち回る事がこざかしい奴、油断がならぬやつと睨まれると賢いとは言えなくなりますよ。

山内容堂は維新の中核でも何でもなくただ生き残るための策士に過ぎない。むろんそれはそれで良いでしょう。でも到底一国の頭の器などではない。後藤にせよ竜馬のような人間が出てきたからこそ「すわ一大事」と動いたにすぎず、、「力を黙々と蓄えて、ここぞという時にビッグ・ディールを張る」という骨太な姿勢とはほど遠い。なるほど、彼にも功績は有りますが、彼の功績は「さきがけ無し」には成立しないものです。

私には世間がむしろ土佐、土佐と何故やたらもてはやすのか不思議です。他藩と比べてもすさまじい上下の差別があり、それに徳川三〇〇年の間、ただ耐えたような藩を坂本龍馬を出した県として評価するのは(そもそも竜馬は脱藩者だから土佐人として評価するのもおかしい)どんなものでしょうか。

Posted by: ペルゼウス | April 04, 2010 at 05:08 PM

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