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March 20, 2010

民主党政権下の「クロマグロ」

■ 自民党内のゴタゴタが。「大山鳴動、鳩一羽」で収束かと思いきや、民主党内が揺れている。
 

□  生方副幹事長を解任=小沢氏批判を問題視-民主
                3月18日21時7分配信 時事通信
 民主党の高嶋良充筆頭副幹事長は18日午後、生方幸夫副幹事長を党本部に呼び、執行部批判が目立つとして、副幹事長の職を辞任するよう要求した。生方氏が拒否したため、執行部は同氏を解任し、後任に辻恵衆院議員を決めた。小沢一郎幹事長に批判的な言動を締め付ける動きに党内からは反発が出ており、対立が再び強まりそうだ。
 生方氏は、政策調査会の復活を求めている党内有志の会の中心メンバー。小沢氏の党運営に批判的で、同氏の「政治とカネ」の問題でも説明責任を尽くすべきだと訴えてきた。執行部は、生方氏が一部新聞のインタビューで「今の民主党は権限と財源をどなたか1人が握っている」として、鳩山由紀夫首相に小沢氏を注意するよう求めたことを特に問題視した。
 高嶋氏は「党の幹部が外に向かって執行部批判をするのはおかしい」と非難。生方氏は「党内を何とか良くしようと思っての発言を封じたら、『言論の自由がない』ともっと言われる」と反論し、処分するのであれば党倫理委員会に諮って正式に手続きを踏むよう主張した。 

 民主党も、面白いことになっている。
 「小沢一郎幹事長=スターリン」説を書いていた手前、「それならば、ニコライ・エジョフやラヴレンティ・ベリヤの類は誰か…」と思っていたら、筆頭副幹事長というのも、そうした類であったか。

 民主党にとって不味いのは、この「辞めろ」「辞めない」の遣り取りを録った音声が、テレビ電波を通じて流されていることであろうう。一見して、現在の世論の空気を代弁しうているのは、「粛清された」副幹事長であるので、筆頭副幹事長を含む民主党執行部の対応は、国民の求めるものとは逆の方向を向いていることになる。しかも、この粛清劇には、当初は小沢幹事長は関っていなかったらしく、筆頭副幹事長が主導したと報じられている。「スターリン同志、万歳」ということで、粛清の嵐を巻き起こしたエジョフやベリヤそのままの振る舞いを、この筆頭副幹事長は、やってしまったことになる。後々、小沢幹事長の政治的な権勢が弱まるようなことがあれば、真っ先に槍玉に挙げられるのは、こういう「独裁者の取り巻き」である。
 「自由のあるのが自民党で、自由のないのが民主党だ」というのは、小泉四世・進次郎議員が繰り返している言葉であるけれども、こういう印象が定着すれば、政党としての地盤は、確実に侵食される。日本は、「四条河原の落書」以来、時の権力者への批判は、「名物」のようなものなので、こういう批判を封じるような姿勢は、誠に評判が悪い。「国民の眼に、どう映るか」を、もはや考えられなくなっているらしい。これに、鳩山総理が執行部の対応に理解を示すような発言をしているのだから、虚脱感を覚えるしかない。 
 自民党内のゴタゴタよりも、印象は悪い。どうするつもりであろうか。雪斎は、民主党内閣の政権運営には、初めから何期待もしていないので、同情はしない。

 ところで、この数日の話題は、ワシントン条約によるクロマグロ取引規制の行方であった。日本が当初、劣勢であったようであるけれども、土壇場でひっくり返ったようである。リビア代表の発言が禁輸案否決への流れをを作ったようであるけれども、このリビア代表の担当官は、日本代表の担当官とは付き合いの永い人物だったそうである。結局、外交は、「人間関係の所産」なのである。「官僚主導打破」などといきがっても意味はない。そうしたことが、もし民主党議員にも理解されたのであれば、それは意味のあることである。
 今後、イシューごとによって、「敵」と「味方」が違う「外交の現場」の様子が伝わってくるのは、有意義なことである。 「クジラ」」では最も日本に敵対的であるオーストラリアが、「クロマグロ」では日本と共同歩調を取ったとか。「歴史認識」では何時も関係が微妙な中国や韓国が、「クロマグロ」では日本の側に付いたとか。「安全保障」では無二の同盟国である米国は、「クロマグロ」では日本を支持ししなかった。こうした対応が何故、採られるのかを考えることは、「国家には友情はなく利害があるだけだ」という真理を確認する意味からも、大事である。今回は偶々、「寿司ネタとしてのクロマグロ」という「胃袋」に関わるイシューであったので、一般国民にも関心が高かったと思うけれども、他にも様々なイシューがある。今後、電気自動車の規格をめぐって「外交戦」が始まるそうである。このイシュ―では誰が敵で、誰が味方になるのか。それにしても、日本を支持した中国の論理が「規制がサメにまで波及するのは困る」だったというのには、膝を打った。「フカヒレ」が中華料理から消えることなど、想像もできまい。やはり、食い物の恨みは怖ろしい。
 ただし、日本でインタヴューを受けたオバサンが、「これからマグロをガンガン食べるで…」と喜々として語っていたのには、雪斎は、引いてしまった。「資源なのだから、有り難く思ってくれないと…」と反応した雪斎は、かまととぶっているのであろうか。
 雪斎は、寿司屋では「光り物」しか食べないので、マグロには執着はない。却って、今時は、「イワシ」の方が余程、高級魚だと思うのだが…。

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Comments

「小沢一郎幹事長=スターリン」説でもう1つ。
以下の記事、どう思われますか?

民主党は17日、政治改革推進本部(本部長・小沢一郎幹事長)の全体会議を都内で開き、
官僚答弁の原則禁止を柱とする国会法など国会審議活性化関連法案と衆参両院規則改正案を
了承した。近く衆院議会制度協議会に提示する方針だ。

(1)国会で答弁する政府特別補佐人から内閣法制局長官を除く
(2)副大臣、政務官の定数を増やす
(3)政府参考人制度の廃止
(4)行政機関の職員や学識経験者らからの意見聴取会の開催

-が盛り込まれている。

▽産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100317/stt1003171902014-n1.htm

Posted by: notepad | March 20, 2010 at 05:06 AM

櫻田様

 こんにちは。昨日は、地下鉄サリン事件から
15年でした。

それを思い出して頂くために、

地下鉄サリン事件の被害者でありながら、

奇跡的に重篤な被害を免れた

さかはら あつしさんの著書『サリンとおはぎ』

(講談社)を是非読んで下さい。

 さかはらさんが、理事をしているNPO法人RSCの

シンポジウムが開かれました。

 これに出席したさかはらさんは、福島大臣に怒りを表しています。

http://teamoscar.cocolog-nifty.com/teamoscar/2010/03/post-5da3.html
「国民を見捨てる日本―国に頼らない生き方を模索するしかない。」

シンポジウムでの質問をさかはらさんがまとめたものが下記です。
http://chikatetsusarin.blog129.fc2.com/blog-entry-1.html

Posted by: koji | March 21, 2010 at 08:58 AM

雪斎さん、ようやくわかったでしょう。アメリカに全てを捨ててついてゆかなくても日本はやってゆけるんですよ。ようは我が国の求心力をどう高めるかが重要なんです。

リビアにせよ、中国にせよ、この欧米の異常な環境保護重視は「民主主義を世界にもたらす」という十字軍的な路線の延長にあると解釈したからこそ反対に同意したのです。オーストラリアも中国と友邦国ですから対立など出来ません。

実は私はもっと過激な事を考えていました。それは「憲法9条帝国主義」です。欧米で環境保護が盛んなのは、9・11やイラク戦争後、国内がネオコンと保守主義、リベラルで分裂していて、それらを束ねるのに環境保護が対立点もなく、国内をまとめやすい。そう、ヒトラーが環境保護を唱えた理由とも重なります。これだけシー・シェパードが資金を集められるのも、冷戦後、イラク戦争後の世界の多極化で求心力を失いつつある欧米社会の不安を利用しているからです。

「憲法9条」を受け入れる国のみが環境保護を唱える事が出来る。何よりも人間の生命を大切にする事が第一の環境保護ではないかとし、イルカやクジラ、クロマグロを守りたいなら、お前たちの国内で憲法9条を制定せよと。左翼・リベラル派は賛成し、保守・ネオコンは反発する。そして「受け入れる」と言えば、今度は「完全なる受け入れを」とか「深刻かつ重大な違反がある」とし、わざと反発を強めることで左右の分裂を促進する。
欧米の求心力を弱め、日本を重視しなくてはやってゆけなくなるようにする事が何よりも大切なのではないでしょうか。このままにしておくとお前たちの民主主義も危うくなるぞと。

外国人投票法なるものも我が国に有益に使えばいいはずです。すなわち憲法9条、非核三原則を守る国の国民のみが投票できると。そうなれば反日的な国の大半はアウトで、これまた改正すると言えば「まだまだ徹底されていない」「ごまかしだ」「深刻かつ重大な違反がある」と何かにつけて内政干渉の口実が出来、これまた我が国の求心力を高める口実が出来る。むろん彼らが怒り、反発すればさらによいわけです。

民主・公明の多数決で外国人投票法がこのまま可決されれば、単に中国、韓国の利益になるばかりで、我が国の利益には一円にもなりません。ならば彼らの偽善、何よりも大日本帝国の思想を受け継いでいるのが彼らである、事をついて大打撃を与えるべきです。

Posted by: ペルゼウス | March 22, 2010 at 09:02 AM

1+1=2ということを知らない(たとえばマキャベリの言葉)のに高等数学めいた事を喋り散らすのは噴飯ものだ。それは誰のことだって? 決まり切っているじゃないか。

Posted by: 第百の敗戦 | March 22, 2010 at 09:12 AM

「四条河原の落書」って、二条じゃないですか?

Posted by: 市井の評論家 | March 23, 2010 at 11:25 AM


でも、小沢さんは泥をかぶれる政治家だと思いますが?

Posted by: rojion | March 23, 2010 at 10:25 PM

鳩山総理は脱税確定しているんですから
ヘタに生方氏を批判する様な事言わない
方が身のためだと思うのですが...

生方氏はどんな罪で処罰されたのかより
民主党の罪の定義が見えて面白いですね。
罪の重い順にすると下記のようになるの
かと思います。

党の指導者層への批判(生方)>脱税(鳩山)>汚職(小沢)


民主党には法意識や手続き(形式)などの意識や
感覚が希薄な様に思えます。
民主党内で権力を握れば法律などどうにでもなる
警察、検察など物の数ではない、との考えが蔓延
しなければいいのですが。

この意識が蔓延すると逆に、権勢を失うと今まで
の不法な行いの咎が一気に吹き出す事への恐れを
生み出し、権力を失わない為に、ますます内部に
おいて粛清、闘争、監視、密告を繰り広げていく
危険性がありますね。

Posted by: えうのい | March 23, 2010 at 11:09 PM

麻生さんが首相のときにも思いましたが、2つのことに関心があります。

1.鳩山さん(麻生さん)の無能はなぜもっと前から(首相になる前から)問題にされなかったのでしょうか?実はみんな知っていたことではないのだろうか?マスコミはなぜ報道しなかったのだろうか?そして今になってなぜ報道しているのだろうか?

2.なぜあのような首相としての資質に欠ける人が政党の要職に長くとどまることができたのでしょうか?あれがサラリーマン社会ならとっくに淘汰されていると思いますが・・・。一体どういうセレクションプロセスが働いているのでしょうか?

こういうことを研究している人はいないのだろうか?

Posted by: チャーリー | March 26, 2010 at 10:37 AM

小沢がいるかぎり
国家社会主義への
悪路線は
つづくと思いますよ

Posted by: オリオン星人 | March 26, 2010 at 11:35 PM

麻生さんを鳩山さんと同列に論じる人が跡を絶たないのは不思議でしようがない。マスコミに惑わされずに事績を直視すれば、麻生さんは宰相としてそうとうに優秀であったと思う。

Posted by: とし | March 27, 2010 at 10:31 PM

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