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February 15, 2010

遠き「札幌の日々」

■ 冬季オリンピックである。雪斎がリアル・タイムで最初の強烈な印象を受けたのは、「1972年・札幌」における「日の丸飛行隊」の「表彰台独占」である。『虹と雪のバラード』の一節が今でも耳に残る。
 
  ぼくらは呼ぶ あふれる夢に
  あの星たちの間に
  眠っている 北の空に
  君の名を呼ぶ オリンピックと

 だから、子供のころ、毎年、冬になれば、スキー・ジャンプのテレビ中継を観るのが楽しみであった。
 高校までは、「札幌」は憧れの街であった。
 北海道大学か東京大学には絶対に行きたいと思った。 
 そうした事情もあってか、二年の浪人生活の末に北海道大学に入り、そこで五年を過ごした。
 
 それも、「今は昔」である。
 
 昔、内村鑑三は、「私も北海道とは縁の遠い者になりました。かつて私共は、札幌を北方のアテネとなし日本第一の智識の淵源たらしめんと志したのでありますが、今や日本中で北海道ほど俗人の溢れる所はなくなってしまいました」と書いた。雪斎にとっても、北海道は余りにも遠い土地である。

 

□ 北海道教組から民主・小林議員側へ1000万円超の裏金か 札幌地検が捜査
    産経           2010.2.15 04:22
 民主党の小林千代美衆院議員(41)=北海道5区=陣営の選挙違反事件に絡み、小林氏側が、日本教職員組合(日教組)傘下の北海道教職員組合(北教組)側から1千万円を超える裏金を受け取り、選挙費用に充てていた疑いのあることが14日、関係者への取材で分かった。札幌地検は、政治家個人への企業・団体献金を禁じた政治資金規正法違反や、選挙費用の収支報告を義務付けた公職選挙法違反の疑いが強いとみて、捜査を進めているもようだ。
 民主党にとっては鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長の秘書らによる規正法違反事件に続く「政治とカネ」をめぐる問題として批判が起こりそうだ。

 鳩山、石川、小林という北海道選出議員の「醜聞の三連コンボ」である。率直に情けない話である。
 雪斎が想いを寄せた北海道とは、「自由の大地」としての北海道であるけれども、それは結局は「幻」であった。
 多分、北海道の発展は、「横路孝弘」的なものと「鈴木宗男」的なものの両方を退場させなければ、本格的には進むまい。「横路孝弘」的なものとは、「反体制的擬態、奇麗事と無責任の同居」であり、「鈴木宗男」的なものとは、「中央への寄生と利権体質の結合」である。横路は、ロッキード事件の際の疑惑追及で名を馳せた後、北海道知事に転身したけれども、道知事時代に「世界・職の祭典」というイヴェントの失敗で巨額の赤字を出し、そうした失政の責任を取らないまま、国政に戻った。鈴木は、今では「国策捜査」の被害者のように振る舞っているけれども、「金丸信の子飼い」として頭角を現し、橋本・小渕両「旧経世会」内閣期には、「ムネオ・ハウス」に象徴されるように対外援助を利権化させ、外務省を半ば私物化していたはずである。この両者の性格をグロテスクなまでに共存させているのが、今の民主党政権であろう。とすれば、北海道における「醜聞の三連コンボ」もまた、何ら不思議なことではないのかもしれない。
 「貴とき野心の訓へ培ひ  栄え行く我等が寮を誇らずや」。
 北海道帝国大学予科寮歌『都ぞ弥生』の一節である。北海道開拓の精神は、米国の「フロンティア・スピリット」の日本版である。だから、雪斎は、この「貴とき野心の訓へ」を、かなり原理主義的に受け継いでいると自負している。北海道が「自由の大地」に変貌するのであれば、雪斎は是非、北海道に戻りたいと思っているけれども、それは何時のことになるのか。

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Comments

お尋ねしますが、雪斎さんはどういう政治家像を求めておられるのですか。

剛腕政治家とはダーティな事も恐れない汚職政治家以外の何者でもなく、本来現実主義を唱えるのであれば、ただ単に公序良俗・清廉潔白を唱える事に対しても批判があるべきでしょう。

それに全てを捨ててアメリカについて行けばよいという親米派の志向が如何に「貴とき野心」や「フロンティア・スピリット」とかけ離れたものかに考えが及ばないのはどうした事でしょう。

雪斎さんの理想の政治像がわかりません。第一北海道はフロンティアでも何でもなく、新自由主義で全てが解決できるはずもありません。


Posted by: ペルゼウス | February 15, 2010 at 11:40 AM

雪斉さんのブログは、一次中断される前から愛読しています。中断の理由が心ない中傷にあったやに記憶しています。再開されたことを喜んでいる者です。

以前は読まなかったコメントを最近読んで感じたことを一つだけ申し上げます。

このブログは一部の限られたメンバーのためのものでなく公開されているものですから、第三者が読んでも分かる程度には説明して欲しいと思うコメントがかなりあります。

知識のない者が突然入り込んできて分からないと云われても困る、もう少し勉強してからものを云えとコメントの方から云われても、少なくとも雪斉さんの説明は簡便にして明瞭で、私には良く分かります。その程度には分かりやすいご意見を聞きたいと思っています。

Posted by: wakow | February 16, 2010 at 10:16 AM

いや産経のコラム見て
懐かしくなりましたよ

八戸で一緒に月食観たのも
30年前かな
私は、新自由主義派ですが
鋭いね

雪斎さん^^

Posted by: オリオン星人 | February 16, 2010 at 11:35 PM

「剛腕政治家=汚職政治家」は論理の飛躍では?
「全てを捨ててアメリカについて行けばよい」で
はない親米派もいるんでしょう、それなら問題無
いのでは?


さて、今日のあきれ果てた話

唐突な内部留保課税案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100217-00000194-jij-pol

「内部留保=余った金」という単純な感覚で言っ
ているのでしょう。
ここまで脳みそが空っぽな奴だと思わなかった。

金融系は知りませんが製造業は「内部留保」と言
っても殆どが設備投資に回って現金は殆ど残らな
い。
バランスシート上、減価償却された分だけ戻るだ
けで、課税しようと思っても何も無いから無意味
な行為です。

Posted by: えうのい | February 17, 2010 at 11:19 PM

 遠い学生時代、北海道は根室の安宿で喰らった花咲カニのから揚げの味が忘れられません。旅の空・・夜行列車を乗り継いで東京に戻る僕の口にひとかけら・・。最高の味でした。
 鳩山さんは、基本的に金に疎いというか富を生み出すのは福祉や介護じゃないってことを、わかっておられないように思います。なにかを恵んでもらうことより、何かを生み出すこと・・・ですよね。
 

Posted by: SAKAKI | February 19, 2010 at 07:03 PM

> 「世界・職の祭典」

「世界・食の祭典」ですな。
職の祭典ならどうなったか…

運営が下手ならダメでしょうか、やはり。

Posted by: MUTI | February 19, 2010 at 09:08 PM

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