政権失速の裏で…
■ 在日外国人に地方参政権を与える動きがあったけれども、政府・中枢は、「もはや、それどころではない」といった風情であろう。
□ 小沢幹事長辞職を」67%、内閣支持42% 世論調査
朝日 2010年1月17日23時25分
朝日新聞社が16、17日に実施した全国世論調査(電話)によると、元秘書の石川知裕衆院議員らが逮捕された民主党の小沢一郎幹事長の政治資金問題で、小沢氏が責任をとって幹事長を辞職するべきだとの意見が67%にのぼった。鳩山内閣の支持率は42%と前回調査(12月19、20日)の48%から下がり、不支持の41%(前回34%)とほぼ並んだ。
小沢氏の辞職は必要ないとの答えは23%。「辞職するべきだ」は民主支持層でも51%と多数だった。政治資金問題をめぐる同氏のこれまでの対応に「納得できない」は88%と圧倒的で、民主支持層でも81%がそう答えた。
また、この問題で民主党に対する評価が「下がった」とする人が59%おり、「変わらない」は36%。鳩山由紀夫首相の対応にも79%が「納得できない」としている。 後略。
支持率・不支持率の「逆転」は、時間の問題である。何よりも、支持率40パーセントの「防衛線」を割り込む手前まで来ている。小沢一郎が「血祭り」に挙げられない限りは、この傾向は止まるまい。「小沢抜きの民主党」の姿をを考える必要が出てこよう。
だが、この法案に反対する保守層の動きにも、酷いものがある。
たとえば、次のような話である。
□ <平沼赳夫氏>蓮舫議員の仕分け批判「元々日本人じゃない」
1月17日20時26分配信 毎日新聞
平沼赳夫元経済産業相(岡山3区)は17日、岡山市内で開いた政治資金パーティーのあいさつで政府の事業仕分けを批判し、仕分け人を務めた民主党の蓮舫参院議員について「元々日本人じゃない」と発言した。
平沼氏はあいさつの中で、次世代スーパーコンピューター開発費の仕分けで蓮舫議員が「世界一になる理由があるのか。2位では駄目なのか」と質問したことは「政治家として不謹慎だ」とし、「言いたくないが、言った本人は元々日本人じゃない」と発言。「キャンペーンガールだった女性が帰化して日本の国会議員になって、事業仕分けでそんなことを言っている。そんな政治でいいのか」と続けた。4
平沼氏はパーティー終了後の取材に対し、「差別と取ってもらうと困る。日本の科学技術立国に対し、テレビ受けするセンセーショナルな政治は駄目だということ。彼女は日本国籍を取っており人種差別ではない」と説明した。後略。【石川勝義】
野党としての自由民主党は、現下の参政権付与への動きには抵抗する姿勢を明らかにすべきであろうけれども、その前提は、外国人に対する「排他性」を匂わせる一切の事柄を消すことにある。
日本社会は、渡来人が来訪した飛鳥時代以来、多様な人々を受け容れてきたという意味では、誠に「包摂性」に富んだ社会である。渡来した外国人が日本社会にとって有用であり続ける限りは、日本の社会は、彼らを受け容れ、厚遇したのである。。日本社会における「包摂性」は、尊重し保守されるべき価値である。戦前では朝鮮人陶工の息子だった東郷茂徳、戦後で高見山・東関親方、近年ではラモス瑠偉、ダルヴィッシュ有に類する人材が今後、続々と登場させることができるかは、日本社会の「活力」の行方にも関っている。それを考えなければならないのである。
平沼氏の感性は、一部の民族主義者には歓迎されるjのであろう。だが、それは有害である。
もっとも、雪斎は、「事業仕分け」作業という「劇場」を評価していない。蓮舫という政治家に関しても、「クラリオン・ガールといいえば、蓮舫よりも烏丸せつこだろう…」と思っていたから、その政治家としての見識にも、論評のしようがない。
平沼氏に関しいては、下のような話もある。
□ 平沼元経産相:新党結成の方針「参院選前に」
平沼赳夫元経済産業相は16日、地元の岡山県津山市で開いた政治資金パーティーで、参院選前に新党を結成する方針を明らかにした。候補者擁立に向けて調整中という。
平沼氏はあいさつで「自民党とはしっかり連携していく。しかし、新しい流れ、新しい政党をつくる」と明言。さらに、民主党について「衆院で多数を取り、やりたい放題やっている。参院単独過半数を取ればこの国は全体主義になる恐れがある」と述べ、選挙区ごとに自民党と連携して参院選に臨む意向を示した。
平沼氏は現在、衆院議員3人の平沼グループを率いる。自民党岡山県連が復党を要請したほか、国民新党が新党結成を打診したが、平沼氏は「拙速を避けたい」などとしていた。【石川勝義】
民主党政権を追い込むという限定された目的ならば、自民党が平沼新党とてを組むのは、選択肢としては考えられよう。だが、平沼氏のような感性の人物を自民党に戻そうとするのは、率直に愚策であろう。
自民党は、鳩山内閣の失速を喜んではいられない。平沼氏のような声が出る限り、「日本の保守政治」の復権は、険しいであろう。
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