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January 24, 2010

平野博文官房長官という「弱い環」

■ 木曜、金曜両日、予算委員会質疑の模様を観た。
 確かに、今までの質疑の光景とは違う。政府を問い質しいているのは、政権担当経験を持つ「最強の野党」である。
 この二日の質疑で気付いたことがある。平野博文官房長官における「戦闘能力」の乏しさである。官房長官とは、「内閣の要」と呼ばれるぐらいだから、その役割の重さは、外務大臣や財務大臣を遙かに凌駕する。現在、閣内から次々とバラバラな発言が飛び出し、自民党政権下でなら「閣内不一致」と批判される情勢を捌くことができず、それに鳩山総理務自らが釈明して事態を複雑にしているのは、官房長官の能力の乏しさの故である。
 谷垣禎一自民党総裁の「天皇と政治」に関する質問をを前に、右往左往したのは、その証左である。

 

 雪斎が観たいのは、予算委員会質疑の中で、加藤紘一、中川秀直、福田康夫、細田博之、与謝野馨、町村信孝、河村達夫といった自民党政権下の歴代官房長官経験者が、平野f長官を相手に、相撲部屋でいうところの「可愛がり」を延々とやる光景である。おそらくは、平野長官には、耐えられまい。自民党政権下では、官房長官は、多くの場合、既に閣僚を経験した政治家が担うポストであった。官房長官というポストは、「カミソリ」と呼ばれた後藤田正晴が有名であるけれども、この二十年だけでも、故・梶山静六、野中広務、青木幹夫といった「重心の低い」政治家か務めている。「内閣の結束」の保持と「内閣の意志」の発信の両方を手掛けるのには、相応の実力が要るのである。故に、もし雪斎が自民党の政局上の軍師ならば、前に触れた「可愛がり」を延々とやって、平野長官を機能不全の状態に追い込むことを考える。
 民主党は、何時の間にか、「小沢党」になってしまった故にか、この官房長官における戦闘能力の乏しさは、余り注目されていない。たと^え、「政治とカネ」の嵐を潜り抜けたつもりでも、この「内閣の要」の弱さは残る。自民党は、「政治とカネ」の追及に精力を傾注する模様であるけれども、官房長官を出来るだけ矢面に立たせる機会を増やすことも、鳩山内閣を追い込む材料にはなる。
 いっそのこと、亀井静香氏に「横滑り」で替わってもらえば、よろしいのではないか。それとも、渡部恒三氏に登場を願うとか。中堅で使えそうなのは、野田佳彦、枝野幸男両氏あたりか。
 

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Comments

雪斎さんにしては気がつくのが遅いですね。
平野さんが官房長官として出てきた時から小沢さんよりこの人の方が命取りだと思いましたから。

二重権力というのは日本どころか幅広く行われているやり方ですので、それ自体は問題がない。たとえばロシアではプーチンさんは今の首相を表の顔にしています。日本は古来より表の顔の天皇家と裏の顔の征夷大将軍・関白、その幕府の中でも将軍と老中・大老というくあいにです。関白も氏の長者と関白が違う時もあるから、これも二重権力の一つとみればよい。

民主党の場合「裏」を否定しているからこうなるのでしょう。そういう意味では今の自民党の立場も微妙なわけです。今まで与党にいたがゆえに汚職から手が切れなかった事もあるにせよ、裏を必要悪として切り捨てない事が自民党の強みだったのに、今や裏を否定する発言をするのは、民主党を追い詰めるはずが、実は自己否定につながる危険もあるわけで、本来なら「必要悪」を肯定する話をすべきです。

ところが構造改革や自己責任といったお題目を前面に押し出したがゆえにそれが出来ない。普天間問題でもアメリカのご意向をかさにきた説得しかできず、世界の多極化の中で議論できない。

小泉的なるものがこういうふうに影を落としている現状をどうお考えになりますか。

Posted by: ペルゼウス | January 24, 2010 09:09 AM

過剰気味の官房長官の職掌を戦略相やら行刷相やらに分掌するのは合理的な話だと思うんですけどね。
それはそうと、河村建夫・青木幹雄ではないでしょうか?
他意がないのでしたら修正された方がよろしいかと。

Posted by: シャイロック | February 03, 2010 08:48 AM

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