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December 15, 2009

拝啓、イチフ・オザーリン殿

■ 「あーあ、やっちゃったわね…」。
 □ .<小沢幹事長>「辞表提出後に言うべきだ」宮内庁長官を批判
                    12月14日20時25分配信 毎日新聞
 民主党の小沢一郎幹事長は14日、党本部で記者会見し、天皇陛下と中国の習近平副主席の特例的な会見を巡り、天皇陛下の「政治利用」に懸念を示した羽毛田信吾・宮内庁長官の発言について「内閣の一部局の一役人が、内閣の方針をどうこう言うのは、日本国憲法の理念を理解していない。どうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ」と厳しく批判した。
 小沢氏は天皇陛下と会見する際、1カ月以上前に申請する慣例について「(1カ月ルールは)誰が作ったのか。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話があるか」と不快感を表明。その上で「天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われる。それが日本国憲法の理念であり、本旨だ」と強調した。
 天皇陛下と習副主席との会見を巡っては、小沢氏が政府側へ働き掛けた可能性が指摘されている。この指摘に対し小沢氏は「政府が決めることだ。私が会わせるべきだとか、お会いさせるべきではないとか、言った事実はない」と述べ、自らの関与を否定した。
 民主党は14日、15日に予定していた小沢氏と習副主席の会談が中止となったと発表。会見で小沢氏はこれについて「(先方から)会いたいという連絡はあったそうだが、非常にお忙しい日程だ。私は中国に行ったばかりで、無理しなくてもよろしいと(伝えた)」と説明した。【念佛明奈】

 かって、ヨシフ・スターリンが、ローマ教皇に関して、側近に「彼は何個師団を持っているのか…」と尋ねた。スターリンは、ローマ教皇の持つ「「力」の意味を理解できなかった。当然のことながら、共産主義の理想というのも信じていなかった。信じたのは、「暴力」という最も露骨な「力」である。
 日本は、、民主主義国家ではあるけれども、決して共和制国家ではない。日本は、歴然とした立憲君主国家に他ならない。故に、「君主制」と「民主主義体制」の微妙な均衡の下に成っているのが、日本の政治体制である。小沢一郎幹事長は、そうした日本の国制の意味が判っていないらしい。
 日本は、「立憲君主国家」である以上、それに相応しい慣習がある。焦点になっている「一ヵ月前告知ルール」
は、慣習としての歴史は浅いかもれないけれども、「生身の人間」である陛下の健康を考慮した慣習である。そして、「宮内庁長官」という官職は、そうした「立憲君主制度」の擁護を直接に担っている。彼が、そうした慣習の違背に反発するのは、むしろ当然のことである、これを「杓子定規」、「金科玉条」などと批判する感覚こそは、日本が「立憲君主国家」であるこの意味を判っていないことを示している。
 しかも、紛糾の種となっている外国賓客の接遇は、憲法上の国事行為ではない。各地の行事への行幸と同じく、憲法学上、「公的行為」と分類される行為である。こうした「国事行為」ならざる行為に、どこまで「内閣の助言と承認」が必要とされるかは、決して自明ではない。逆にいえば、外国賓客の接遇は、国事行為ではない故にそ、「四方の海、皆同胞と思ふ世に…」という皇室の価値観が反映されていたのである。

 小沢幹事長は、記者に「憲法を読んだか」と講釈したらしいようであるけれども、国事行為、公的行為といった天皇の行為は、憲法上、「内閣の助言と承認」を必要とするものであっても、「内閣の指示」に依るものではない。小沢氏が憲法の字面しか読んでいないことは、暴露されたのではないか。

 小沢一郎氏がネット空間で「オザーリン」と呼ばれているのだそうである。上手い表現である。小沢氏とスターリンは、完全に同類のキャラクターであることは間違いない。ファースト・ネームも含めれば、「イチフ・オザーリン」といったところか。
 それならば、雪斎も、「日本民主党書記長(幹事長ではない)、イチフ・オザーリン」殿には、次のような言葉を差し上げよう。
 「閣僚ですらない一政党幹部ふぜいが、何を戯けたことを…。分際を弁えよ」。
 こういう物の言い方は不穏当であろうか。だが、雪斎も生涯、初めて昭和初期の「右翼テロリスト」の心境が少し判ったような気がする。率直に憤激している。
 「オザーリン」殿は、せめて、「陛下に御負担をおかけし、慙愧の念に絶えません」の一言ぐらい発したら、どうなのであろうか。

 このエントリーを書きながら、ドミトリー・ショスタコーヴィチ、交響曲第5番を聴いてみる。
 スターリン体制下の粛清の嵐の中、「私は、革命を、スターリンを信じない」というショスタコーヴィチの皮肉が込められた作品である。
 素晴らしい。
 因みに、指揮はルドルフ・バルシャイ、演奏はケルン放送交響楽団による。

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Comments

いつも興味深く拝読させていただいております。
先日のエントリで書かれた「天変地異」の予感
は私も漠然と同じように思っています。

そして、それよりも今明確に危機感を持っているのが、何らかの政治的なテロがこのままでは発生するような気がしてならないことです。
テロ自体も問題ですが、テロから始まる極端な政治的変動など戦前の昭和にあった一種異様な流れに、今の日本はなりつつあるのではないか、そんな気がしてなりません。。

Posted by: misasagi | December 15, 2009 at 08:43 AM

おはようございます。
雪斎殿も・・
「タコ5」に逝っちゃいましたかぁ。

オザーリン(笑)さんですが、それでも・・「団塊の世代」には高い支持があるようです。
 今回の訪日は、CHINA国内の政治家同士の権力闘争に「陛下との面会」を巻き込ませてしまったのですから、他国の政治に利用されてしまったに過ぎません。大陸に政治的に関わるとロクなことが無かったことは歴史が証明していると思うのですが。
 
 

Posted by: SAKAKI | December 15, 2009 at 09:26 AM

こんなジョークもネットに出てました。


神はまず天と地を作った。
海と山を作った。
そして日本という国を作った。
日本には世界一勤勉な人々と、世界一うつくしい風景と
世界一おいしい食べ物と、世界一過ごしやすい気候を作った。
天使がいった。
「神様、これではあまりに日本が恵まれすぎています!」
神はこたえた。
「心配するな。鳩山政権と民主党も作った」

Posted by: えうのい | December 15, 2009 at 10:11 PM

ご無沙汰しております。何時も楽しみに訪問させていただいております。
私のブログでこのエントリーを引用させていただいたので、TBさせていただきました。

速く、国民が目覚めてくれると良いのですが。

Posted by: 橘 江里夫 | December 15, 2009 at 10:54 PM

まったくその通りです。小沢記者会見を見て以来怒りが治まりません。
さらなるニックネームを考えました。ヒトラーをもじって

 オザーリン・イットラー

Posted by: 笛吹働爺 | December 16, 2009 at 01:17 AM

ごぶさたしております。
トラックバックさせていただきました。

Posted by: Alglory | December 16, 2009 at 02:11 AM

日本が「立憲君主国である」というのは、たしかに戦前の感覚ですね。

Posted by: 政治家は政治屋にあらず | December 16, 2009 at 10:47 AM

交響曲5番ですか。
それでも世間の大半の人達は危機感を感じていない
と言う現状を鑑みると、7番の第1楽章の方がふさわしい、
かと。
レハールのオペレッタを歌い酔いしれてる間に
大変な事態が刻々と迫ってくる...
ああ、考えるだけで恐ろしいです。

Posted by: とんぼ | December 16, 2009 at 10:07 PM

歴史を見ても、政治が天皇と絡むと碌な事になってませんよね。政治とのうまいバランスをとっていたのが、戦後の日本の天皇制だったと思うのですが。政権が変わるとは、変動を意味するのでしょうが、まずい変動ばかり起きてますよね。当事者がまずい変動について理解していないのが、もっとまずい。昭和初期を見るかのようです。いつも愛読しております。ありがとうございます。

Posted by: タカタ | December 17, 2009 at 10:15 PM

>「陛下に御負担をおかけし、慙愧の念に絶えません」の一言ぐらい発したら、どうなのであろうか。

オザーさんがそう言う言葉を使える人だったらどれほど恐ろしかったことか。幸いなことにそうではないようですね。

Posted by: アルゴン金 | December 21, 2009 at 12:23 PM

オザーリンのゲーム
http://www.youtube.com/watch?v=zqV3WLKQKpo

世界的に有名人になりそうな予感

Posted by: 大食人 | May 21, 2010 at 09:01 PM

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