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December 30, 2009

2009年回顧・上

■ 2009年を回顧するエントリーである。
 丁度、二十年前は、日経225は、39000円到達寸前であった。それから以後の二十年は、日本の「失速と停滞」の歳月であった。小泉純一郎執政期に、その「失速と停滞」の歳月に終止符が打たれたかのように見えたけれども、「構造改革」は頓挫したようである。
 月曜日付け『ウォールストリート・ジャーナル』紙に下のような記事が載っている。
 Tokyo Budget Blowout :The Hatoyama government promotes welfarism, not reform..
 「東京の予算爆発―鳩山の政府は、改革ではなく福祉主義を推し進めている」
 この記事の締めの言葉は印象深い。
 Welfarism has never made a country rich, and Japan is no exception—no matter what you call it.
 「福祉主義は国を決して豊かにはしない。それを何と呼ぼうとも、日本も例外ではない」。
 鳩山現内閣の執政は、「一身独立して一国独立す」の信条とは眞逆の論理に依っているようである。雪斎には、気色悪いものだというしかない。それとも、「貧しくとも友愛があるからいいわ」ということであろうか。6億円も一括して納税できる御仁には、いわれたくない言葉ではないか。
 「格差がある」などは大した問題ではない。「格差が固定される」ことが問題である。「福祉主義」では、「格差が固定される」のである。「構造改革」批判論者には、この意味が判っているであろうか。
 

 ところで、去る日曜日に北海道新聞に雪斎のインタヴュー記事が載った。田中秀征氏と並んでの登場である。雪斎も田中氏も、「自民党」、「非自民連立内閣」、「北海道大学・東京大学OB」という共通項がある。

  □ <サンデー討論>自民党 再生への道は*田中秀征さん、雪斎さん
                  2009.12.27 北海道新聞朝刊全道
 8月の衆院選での野党転落後、自民党は再生策を模索し続けている。しかし、理念や政策面で明確な旗印を示せず、野党第1党としての存在感はいまひとつ。自民党に復活の道はあるのか。提言を聞いた。

 *元経済企画庁長官 田中秀征さん*理念確立へ個人が努力
 自民党はまだ、衆院選敗戦のショックから立ち直れていません。負けた理由は、麻生太郎前首相にもありますが、政党に絶対必要条件である指導理念や指導者が劣化していたことです。冷戦と拡大経済が終わった後、どういう針路を取るかという理念がなく、指導者供給も枯渇し、世襲に頼らざるを得ませんでした。
 自民党の支持率は依然、低いですが、注意してみると「再生してほしい」という数字は驚くほど高い。それは裏を返すと民主党に対する不安。政権をチェックする勢力として立ち直り、民主党以上に時代の要望を体現する政党になってほしいということです。
 敗戦を積極的にとらえるべきです。1993年の細川護熙政権の時、僕の首相特別補佐室に、下野した自民党の小泉純一郎元首相が遊びに来ました。小泉さんがよく言ったのは「政権を長くやってくれ、そうすれば自民党も良くなるから」と。宮沢喜一元首相も「自民党が政権を明け渡したことは悪いことばかりじゃない」。そういう受け止め方をする人がいまの自民党にいますか。
 有権者は自民党を政権の座から追放したが、必ずしも民主党に座れとまでは言っていない。政治主導や行政改革、官僚改革は自民党にできないというのが衆院選の争点でしたが、解散直前に中川秀直元幹事長らが125人の署名を持って幹部公務員を入れ替えできる法案の提出を執行部に迫りました。行革は自民党の方がしっかりしていると思いました。僕はそういう人たちに期待します。
 日産のゴーン社長のように、外部から指導者を招いてはどうですか。それぐらいの具体案を自分たちで考えてほしい。一番いいのは、党をいったん解散し、個人に戻って、それぞれが再出発すること。骨と皮が残ったので、もう一度肉を詰め直すというのでは駄目。全党が一致するようなものは再生策ではなく、延命策でしかないからです。(東京政経部 佐保田昭宏)

<略歴>
 たなか・しゅうせい 元衆院議員。93年、自民党離党後、新党さきがけ結成に加わり、首相特別補佐。東大、北大卒。69歳。

 *雪斎さん*国民が求める政治実行
 自民党は8月の衆院選に負けて反省していますが、なぜ4年前の衆院選で296議席も取れたかの理由を考えるべきです。小泉純一郎元首相は、従来の自民党支持層だけでなく、無党派層に軸足を置き、自民党は変わったとアピールして評価されました。
 ところが、安倍晋三政権で従来の自民党に戻り、「宝の山」の無党派層の支持を失いました。最大の失敗は郵政造反組を復党させ「自民党に投票した意味は何だったのか」と疑念を持たれたこと。国民との約束をほごにしては勝てません。
 最近、自民党の中で安倍さんら「保守の政治」と言う人が多いですが、いいかげんにやめた方がいい。「保守政党」だと声高に言い続ける限り、政権復帰は無理。国民は、保守だとかリベラルだとかいう仕分けはどうでもよく、経済を安定させ、秩序を守り、将来の希望をもたらしてほしい。自由や国民の統合、包容力を大切にする。そういうことを一つ一つやって、トータルで浮かび上がるのが保守政治です。
 米大リーグのイチロー選手はなぜ優秀なバッターか。打撃技術がすごくても、ボールが来ないところでバットを振れば空振りです。彼が一流なのはボールを確実に仕留めるから。政治家も同じです。時代や国民の要請というボールの来ないところで、この政策がすごいとバットを振っても意味がありますか。
 自民党の強みはいろいろな考え方の人がいるところ。今後ともそのカラーを大事にすべきです。無党派層も業界団体も受け入れる。収拾がつかなそうな問題も調整してきたのが、自民党的統治のなせる技です。
 やりたい政治をやるのではなく、国民が要請する政治をやる。こういう感覚を自民党の政治家が分かっていれば、党再生は難しくない。長らく政権を担当した自民党は史上最強の野党です。「いつでも政権を代われる」と国民に安心感を与えるのが最低限の責任です。(東京政経部 石橋崇)

<略歴>
 せっさい 北大卒、東大大学院修士課程修了。衆院議員政策担当秘書などを経て現職。専攻は政治学。44歳。

 雪斎も田中氏も16年前は、細川護熙非自民連立内閣の「熱」の中に身を置いた。そして、多分、細川内閣崩壊前後に、小沢一郎氏に幻滅を感じた。そういう共通項も、あると思う。
 この記事では、田中さんの紹介する小泉純一郎元総理のエピソードが興味深かった。政権与党の立場に就いた田中氏に、「長くやってくれ」だそうである。確かに、小泉元総理らしい発言である。少なくとも次の衆議院議員選挙までに、どこまで気合いを入れてッ体質改善ができるか。それが問題であっる。これから自民党を抜ける議員は、どのような理屈を付けようとも、「野党であることに耐えられない」政治家である。政治家としての「質」は、高くあるまい。政治家の真贋を見極めるのには、よい機会である。
 民主党主導内閣も前途多難である。鳩山総理が政権を維持できなければ、その後の内閣は、「民意に拠らない」内閣になる。しかも、それは、小沢一郎氏が自ら宰相になるのでなければ、小沢「パペット」内閣になる。「民意に拠らないパペット内閣」というのは、安倍、福田、麻生の三代の内閣以上に、「正統性」の薄弱な内閣になる。「鳩山が駄目なら…」というわけにはいかない。しかも、民主党には、鳩山総理の他に宰相が務まりそうなのは、菅、岡田、前原の三氏ぐらいしかあるまい。「鳩山後継内閣」は、どんなに高くても、60%台の「低い天井」から出発することになる。下手をすれば、向こう四年で宰相仕様の人材を使い潰すことになりかねない。
 雪斎はといえば、「野党」的な立場で政治を観察するのが、誠に気楽なものであると初めて実感した。多分、「五五年体制」下の進歩派知識人というのは、こういう気楽さの中に身を置きつづけたわけであろうか。だが、こういう気楽さは、堕落の種になる。

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Comments

はじめまして。いつも拝読させて頂いております。
>民主党には、鳩山総理の他に宰相が務まりそうなのは、菅、岡田、前原の三氏ぐらいしか
個人的には、事実上自民党のみが首相候補となる人材プールし、また育成できる党であったという事こそが日本の抱える脆弱性の最たるものの一つと考えておりますが、先生は如何お考えでしょうか?無学、不躾な質問ですが、ご啓示頂ければ幸いです。
なお、匿名での問がお気に入らないようでしたら、お好きなようになさってくださいな。

Posted by: ankten | December 31, 2009 at 07:36 PM

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