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November 11, 2009

「政治」を教えた俳優

■ 森繁久弥さんが逝去された。
 雪斎には、1980年代に森繁さんが演じた「政治家」の群像は、強烈な印象を与えた。当時の雪斎は、高校生ぐらいの年齢であるから、色々なものがヴィヴィッドに吸収できた。たとえば次のような作品である。

 ① TBSドラマ『関ヶ原』   徳川家康
 ② 映画『二百三高地』    伊藤博文
 ③ 映画『小説吉田学校』  吉田茂

 ①は、雪斎は今でもテレビ・ドラマ史上の最高傑作だと思っている。利に走る東軍諸将を籠絡しながら、戦後には加藤剛さん演じる石田三成の「義」に洛涙した森繁・家康の演技は、印象深い。
 「博打は一人ではできぬ」。三成を追い詰める策謀家の顔が、よく表れた台詞である。
 ②は、日露戦争を題材にしたものであるけれども、丹波哲郎さん演じる児玉源太郎を相手にした演技は、対露開戦を決断する政治家の苦悩を表していた。この作品で明治天皇を演じたのは、三船敏郎さんであった。今更ながら、凄いキャスティングである。
 ③は、敢えて触れるまでもない。最近、『白洲次郎』で原田芳雄さんが演じた吉田茂は見事なものであったけれども、それでも森繁・吉田の印象は、忘れ難い。この映画には、当時の自民党の領袖クラスの政治家の「若き日」も描かれていた。今となっては、余りにも「自民党」色が強いと評されるかもしれないl。

 こうして観ると、森繁さんは、「徳川三百年の泰平」、「近代国家」、「戦後」のそれぞれの創始者を総て演じていたことになる。「政治」という営みに関心を持つきっかけは、人に依って色々とあろうけれども、雪斎にとっては、こうした森繁さんが演じた「政治家」像も、そうしたきっかけであった。

 森繁さんの御冥福を祈りつつ、『二百三高地』での森繁・伊藤の演技をあらためて観ている。

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