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October 04, 2009

政治家の語る「夢」

■ I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed: "We hold these truths to be self-evident: that all men are created equal."
I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood.
I have a dream that one day even the state of Mississippi, a state sweltering with the heat of injustice, sweltering with the heat of oppression, will be transformed into an oasis of freedom and justice.
I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.

 私には夢がある。つまり、何時の日か、この国が立ち上がり、「われわれは総ての人々が平等に作られている事を、自明の真理と信じる」というこの国の信条の真の意味を実現させるという夢が。
私には夢がある。つまり、何時の日かジョージアの赤土の丘の上で、昔日の奴隷の子孫たちと昔日の奴隷所有者の子孫が同胞として同じテーブルにつくことができるという夢が。
私には夢がある。つまり、何時の日か、今、差別と抑圧の炎熱に焼かれるミシシッピー州でさえ、自由と正義のオアシスに変わるというという夢が。
私には夢がある。つまり、何時の日か、私の四人の幼い子ども達が肌の色ではなく人格そのものによって評価される国に住むようになるという夢が。
        ―マーチン・ルーサー・キング・ジュニア、1963年8月28日、ワシントン―

 これは、おそらくは、人類史上に残るであろう演説の一節である。
 この演説の「胆」は、「私には夢がある」という言葉の後に、「夢」のイメージが語られていることである。「白人と黒人の同席するテーブル」、「ミシシッピーの将来」、「子供たちのl将来」…。こういうことについて、「そうなったら素晴らしい…」というイメージが示されているのである。
 昨日のエントリーでは、鳩山由紀夫総理の「友愛」理念にかみついておいたけれども、英語で「フラターニティ」としか訳せない言葉を何の留保もなく使うのは、決して適切ではないと思う。よしんば、そうした語義の微妙な違いがクリアされた場合でも、そもそも、「友愛理念が実現された社会で、人々は、どういう生活をしているのか」というイメージは、まるで判らない。「友愛」の言葉だけが浮遊しているのである。
 とりあえず、前原誠司国土交通大臣が、「日本独自の有人宇宙飛行を実現させる」と語ったそうである。「夢」というのは、人々が頑張る動機付けに結びつかなければ、全く意味がない。その意味では、前原大臣の「日本独自の有人宇宙飛行」構想というのは、確かに「夢」を語った話である。民主党内閣になってから、「見直す」だの「中止する」だのといった後ろ向きの話しか聞かされて来なかったので、ようやく「ポジティブな話」が出てきたと思う。これからも、こういう話を出してもらう必要がある。鳩山総理の「CO2 25%」構想の最たる難点も、それを国民が「夢」として認識し難いということにある。鳩山総理も、「コンクリートに覆われた灰色の都市空間を緑で覆い尽くす」とでもぶちあげてくれれば、雪斎は、鳩山総理を支持しよう。
 それでは、もうひとつ「夢」の話に触れてみよう。
 □ .三菱のジェット機、海外から初受注 米へ100機
               朝日 2009年10月2日22時4分
 国産初の小型ジェット旅客機MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)の開発を進める三菱航空機(名古屋市)は2日、米国の航空会社からMRJを100機受注した、と発表した。これまでの受注は全日本空輸からの25機だけだった。今後の受注拡大につながる可能性がある。
 発注したのは米国の地域航空会社2社を傘下に持つトランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)。大手航空会社からの受託で、米国50都市間の路線を1日350便運航している。
 MRJは70人乗りと90人乗りがあり、90人乗りは約40億円。TSHは「競合機に比べて燃費がよく騒音は小さく、客室が広いことを評価して発注した」としている。三菱航空機は、1号機の納入時期となる2014年から5~6年かけて、すべて引き渡すという。
 小型ジェット機は今後20年間で世界で5千機の需要があるとされ、大手のブラジル・エンブラエル社とカナダ・ボンバルディア社を中心に受注競争が激しくなっている。三菱航空機はこのうち1千機の受注を目指しており、今回の大量受注を弾みにして販売攻勢を強めていく考えだ。
 
 三菱の航空機といえば、日本人ならば誰でも、「零戦」を思い浮かべるであろう。その零戦の末裔とも呼べる航空機が、零戦の登場の七十年後に「昔日の敵地」である米国の空を飛ぶのである。快哉を叫ぶべきであろう。
 藤井財務相にも、余りに日本の製造企業が苦境に立つようなことは、語ってほしくない気がする。雪斎は、円高が悪いとは思わないけれども、程度の問題はある。

 …とここまで書いて、
 中川昭一元財務相逝去の報に接する。
 こういう報に接するたび、雪斎も、「政治の世界には嫌なことが多すぎる」と落胆する。
 何故、雪斎は、そういう世界に十年近くも身を置いたのか。
 それにしても、父子二代に渉って「失意の死」とは…。
 まったく以て、やりきれない。
 「ご冥福を祈る」などと型通りのことを書いてよいものであろうか。

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Comments

YS-11が昭和40年代に米国ビードモント航空(後に、USエアに吸収された)に輸出され、米国の空を飛んでいます。YS-11の設計の初期段階では、堀越二郎氏など、旧軍機の設計陣も多数参加しておりました。
前間孝則氏の「YS‐11―国産旅客機を創った男たち 」などお読み頂ければ。(ググっても出てきます)

Posted by: ひげ | October 06, 2009 at 11:53 PM

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