政権への「期待値」
■ 「自分は、これだけ甲斐性ない男で…、それでも結婚してくれるか…」。
こういう期待値を下げるプロポーズで結婚できた男は、幸福であろう。
期待値が元々、低い分だけ、地道に努力を積み重ねれば、うまくいく。
このパターンに当てはまった近年の事例は、小渕恵三の執政であった。
「さめたピザ」という当初の酷評が、「海の家のラーメン屋」となり、終いには「青山の牛丼屋」になった。
「国旗・国歌法」、「通信傍受法」、「日米防衛協力指針関連法」といった法案が続々と通った。
こういう法案を一つの内閣で通したというのも、今となっては驚きである。
当初、30パーセントぐらいで始まった支持率が、政権末期には50パーセントを超えていた。
小渕恵三は、「学者との縁」を大事にした宰相である。
雪斎の師の一人である佐々木毅先生が、読売論壇賞を受けた折、彼は、受賞パーティーに姿を見せて、スピーチまでしていた。現任総理でそういうことをした事例を、雪斎は他に知らない。
惜しむらくは、彼は、神から「長い時間」を与えられなかった。
逆にいえば、近年の内閣支持率は、完全な「寄り天」パターンである。
政権に対する高い期待値が先行して、その後、失速するというパターンである。
安倍晋三然り、麻生太郎然りである。
小泉純一郎は、総じて「高値安定」というパターンであった。当初の高い「期待値」を維持したままで、五年を過した。これも稀有な事例であろう。
鳩山由紀夫内閣は、どの程度の支持率から出発するのか。
これは、民主党政権に対する「期待値」を占う上では、大事なことである。
もし、下手に70パーセントを超える高支持率から始まるようであれば、「寄り天」パターンを心配しなければならなくなる。50パーセント前後から始まるのであれば、比較的、落ち着いて政権運営ができるかもしれない。
自民党の総裁選出は、小渕恵三のような「低い期待値から上げて行く」ことができる人物に、焦点を絞るべきであろう。二度も「寄り天」で買って、引けで落胆するパターンを繰り返している。今の首班指名をめぐるゴタゴタも、わざわざ期待値を下げているのかもしれいない。まさか、そんなことが…。
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Comments
ふと思ったのですが・・
政治には治と利があるように思えます。
治を先にした政権は比較的長続きし、利に走ると脆くなるのでは???
民主党への期待は、官僚や自民党によって張り巡らされた利権の解体だと思います。
ダム事業には治水と利水という側面があるそうですが、治水だけではカネが集まらないので、利水という利権を加えることにより、多くの巨大なプロジェクトを進めて来ました。民主党のいうダム事業の中止が、どのように展開していくのか、期待値の変動を占うひとつの要素かなぁと思います。まぁ社民党とだけは組んで欲しくないんだけどなぁ・・・
Posted by: SAKAKI | September 07, 2009 10:48 PM
麻生氏、総裁を16日に辞任するそうですね。
再生の切っ掛けになればいいのですが駄目
そうですね。
さて、民主党の鳩山代表がだめになっても
小沢氏がいるので大丈夫じゃないかと思い
ます。
特に来年の参議院で大勝すれば、安心して
小沢氏は総裁の椅子が取れるではないか?
むしろ、鳩山氏が「引けで落胆」してくれ
た方が良いのかも?
鳩山氏「25%削減」と言ってしまいましたね。
血の滲む様な思いで1銭、2銭のコスト削減
0.1%の燃費向上に心血そそいでいる人達。
開発に15年、20年かかるのはザラ、30年掛か
るものも珍しくない機能性素材や工業用原材
料に永々と取り組む人達の努力への畏敬の念
があったうえで「25%削減」と言っているのか?
目立はしないが、こうした人達がいるから今
の日本は成り立っているのに、その人達の背
骨をへし折るのが「友愛」の政治なのか。
嗚呼「25%削減」、嗚呼「25%削減」
Posted by: えうのい | September 09, 2009 12:54 AM