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July 25, 2009

民主党の「現実路線」の虚実

■ 当然の対応である。
□ 民主が海賊対策に海自容認、外交で現実路線
             7月23日3時3分配信 読売新聞
 民主党は22日、衆院選政権公約(マニフェスト)の基となる2009年の政策集をまとめた。
 政権獲得を視野に入れ、海賊対策のため自衛隊派遣を容認することを盛り込んだ。インド洋での海上自衛隊による給油活動の中止を明記せず、対米関係への配慮を強めるなど外交分野で現実路線を打ち出した。将来の消費税の税率引き上げにも含みを残したほか、給与所得控除に適用制限を設けるなどとしている。民主党は政策集の内容を絞り込み、月内に政権公約を発表する。
 民主党は例年、党の部門会議の議論をもとに政策集を作成している。今年は衆院選があるため、鳩山代表らも加わり、政権公約と一体で作成した。
 海賊対策では、一義的に海上保安庁の責務であり、同庁の体制整備を図るとした。その上で、「海上保安庁のみでは対応が困難な場合は、シビリアン・コントロールを徹底する仕組みを整えた上で、海賊発生海域に自衛隊を派遣することも認める」とした。
 新テロ対策特別措置法に基づく海自の給油活動について、昨年の政策集では延長反対を明記したが、鳩山氏が当面は継続する考えを示したことから今回は項目から外した。政権獲得後の柔軟な政治判断に余地を残す狙いがあるとみられる。
 日米同盟を巡っては、日米地位協定について「抜本的な改定に着手する」とした従来の表現を「改定を提起」に和らげた。「不断の検証を行う」としていた在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)に関しても、直接の言及を避けた。   以下、略

 外交・安全保障政策の領域では、「政権交代」に際して期待されることは、「今までやってきたことを手控える」のではなく、「今まで足りていなかったことを満たす」のである。吉田茂から鳩山一郎に「政権交代」が行われた後に、日ソ国交正常化が成ったというのは、その例である。鳩山は、政権を握ったからといって、仇敵・吉田の業績をひっくり返すようなことをしたであろうか。
 それにしても、この石破茂農相の激怒には、身に詰まされた。
 □ 民主党の路線修正批判=外交・安保の対応に怒り-農水相 (時事通信)
 石破茂農水相は24日の閣議後会見で、民主党が2009年版政策集で外交・安保分野に関し現実路線に修正したことについて「今まで言ってきたことは何だったのか。政権を取れそうになったから(態度を)変えるというのは、選挙の意義を愚弄(ぐろう)するものだ」と厳しく批判した。
 石破農水相は、インド洋での海上自衛隊による給油活動が一時中断した07年11月当時の防衛相としての立場から、「国民の負託を受けた国会議員で構成する政党の在り方として、相当な怒りを覚える」と強調した。 

 民主党の「現実路線」というのも、結局は、今までの民主党が外交・安全保障政策を「党争」の道具に供していたという事情を逆に示すももでしかないのであろう。民主党の「現実路線」への転換には、政府・与党サイドから「ぶれた」という評が上がっているけれども、こういう評の仕方は、余り賢明なものではない。「正しい方向に」ぶれたのであれば、それは非難に値しない。「反対のための反対を平気でしていた」ということが、問題なのである。
 ところで、雪斎には、ひとつの疑問が浮かんだ。
 もし、政権交代が成らなかったら、この民主党の「現実路線」は、元の木阿弥になるのであろうか。
 加えて、浅尾慶一郎・民主党「次の内閣」防衛大臣が離党だそうである。これで外交・安全保障政策を切り回せそうな人材が、ただでさえ少ない民主党から一人が去ったことになる。残るは…。指を数えるしかいない。外交・安全保障政策は、付け焼刃で対応できるようなものではない。「政権掌握」ができても「政権運営」はできないであろうという予測が、補強されるような話である。
 最後に、一言を書くことにしよう。
 民主党主導内閣が内閣が発足したら、誰が組閣するのか。もし、民主党「次の内閣」の布陣が、そのまま鳩山内閣の顔ぶれになるのであれば、さっさと浅尾「次の内閣」防衛相の後任を決めなければなるまい。もし、それをしないのであれば、「次の内閣」の枠組は、一体、何のためのものかという話になる。
 多分、細川護煕・羽田孜両内閣時代の経緯を勘案すれば、閣僚の顔ぶれは、小澤一郎氏辺りが「独裁的」に決めるのであろう。民主党が党勢を拡大しても、結局、小澤一郎という「権力は振いたいが責任は取らない」政治家の手駒が増えるだけのことであろう。昔、細川・羽田政権、即ち非自民連立政権の「与党」のインサイダーだった雪斎は、「それでいいのか…」と思う。

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