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July 28, 2009

「あなたの為の」外交・安保政策

■ 「あなたの為だから…」。
 若い女性が職場の上司や友人に、このように言われて唖然とするという筋書きのテレビ・コマーシャルがある。
 そして、「本当のあなたのためって…」という落ちが付くのである。
 

 昨日、民主党マニフェストが発表されたので、一通り読んでみた。事前に「外交・安全保障」領域における「現実路線」への転換が報じられていたけれどども、それは、結局は「逃げた」内容になっている。
 『共同通信』から民主党マニフェストへのコメントを求められたので、「具体性に乏しい」と書いておいた。振り返れば、「自衛隊部隊にソマリア沖から直ちに戻れといわない」ということだけが、何故、「現実路線」の証になるのか。雪斎のコメントは、今日か明日に全国の地方紙に配信されるであろう。民主党には誠に辛いコメントではあったけれども、共同通信サイドからは歓迎してもらった。
 若い女性が、正装で出席が要請されている夜会に、グラビア・アイドルそのままの裸に近い姿で登場したら、どういうことになるか。周囲の女性ゲストの顰蹙を買うであろうし、中には不埒な気を起こす男性ゲストも出てくるかもしれない。こういことが起きないためにこそ、夜会に招かれた人々は、相応の装いをしなければならない。
 外交・安全保障政策は、総て「自分の都合のために」あると考えている向きがあるかもしれないけれども、実際は、他国に余計な面倒をかけないという意味では、「あなたの為に」やることでもある。つまり、「日本ならば、ここまではやってくれるであろう(これ以上はやらないであろう)」という安心感を与えるのが、外交・安全保障政策の目的なのである。民主党マニフェストの曖昧さを招いた社会党系平和主義者の姿勢は、「夜会に『裸に近い姿』で登場する」ようなものである。しかも、「イブニング・ドレスやアクセサリーにカネを遣うのは、無駄遣いだ」などということを口にしている。「緊密で対等な日米同盟」にしても、「日本ならば、ここまではやってくれる」という安心感を米国に与えられない限りは、画餅の類でしかない。
 外交・安全保障政策という根本において、こういう自己中心性が払拭されない限り、雪斎が政党としての民主党を応援することはない。個々の民主党議員に協力することがあっても…。

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Comments

同感です。中田横浜市長辞任に続く動きが出てくるでしょうか。

Posted by: 星の王子様 | July 28, 2009 at 07:50 PM

ブログに復帰されたことを存じ上げずにおりました。また雪斎さんのブログを拝見できて幸せに思う読者(ご著書の読者としての年月の方が長いと思いますが)の一人でございます。

>民主党マニフェストの曖昧さを招いた社会党系平和主義者の姿勢は、「夜会に『裸に近い姿』で登場する」ようなものである。

まさにおっしゃる通りだと共感しきりです。かつて集団自衛権の行使ができるよう憲法改正をすべきだとおっしゃっていらした鳩山氏にとって、小沢一郎案による政権奪取構想はまさに苦渋の決断の積み重ねであろうと推察いたしますと、複雑な思いになります。

突然失礼致しました。
雪斎さんのご健筆を心から期しております。

Posted by: Ms gekkouinn | July 29, 2009 at 12:39 AM

アメリカはオバマで変わった。安全保障も外交政策もブッシュのタカ派政策とは変わった。日本もそれを変えて良い。むしろいつまでもアメリカタカ派政策の尻を追いかけるほうが現実にあわない。永世中立国を目指しても良い。

Posted by: マルク | July 29, 2009 at 05:18 AM

なんか、コメント書いても反対意見はのらないようだな。保守派のお友達サークルなのか?ここは?

Posted by: マルク | July 29, 2009 at 05:27 AM

 外交は、私には、わからん。で、黙って、拝聴するしかないが。
 ただ、この10年、100万円以上、所得を減らした自民党が、これからの10年で、100万円増やすと言っているが、女を騙した男が、これからは騙しませんと言っている様なもの。
 こんなことでは、とても、自民に投票できない。

Posted by: 冬水 | July 30, 2009 at 04:47 AM

民主の経済政策は自民以上のバラマキでありながら自民をバラマキ政策だと批判する。経済の危機的状況にありながら民主制を否定するか理解していないかのような審議拒否。民主に投票できない理由は外交・安保だけでは収まりきらんでしょう。

Posted by: 通りすがり | August 05, 2009 at 05:49 PM

>永世中立国を目指しても良い。

タカ派の最たる意見のような。重武装でなければ永世中立国は貫けず、ましてや日本にあっては中国、ロシアなど軍事大国が日占めている中にあって永世中立など狂気の沙汰でしょう。

Posted by: 通りすがり | August 05, 2009 at 05:53 PM

はじめまして。ローマ史論で検索してたら来てしまいました。
>「夜会に『裸に近い姿』で登場する」ようなもの
面白い表現ですね。言い得て妙です。
>不埒な気を起こす男性ゲスト
将軍さまのことか~。そういえば竹島を分捕ったのもいましたね・・・。ああ~、尖閣もか・・・。

>マルクさん
>永世中立国を目指してもよい
正気ですか?せっかく隣に同盟国を得たのに、
また孤立しますよ?またABCD包囲網ですか?
あと、かつての同胞、台湾を見捨てる気ですか?(すでに見捨ててますが)
中立なんていって喜んでいたら、いつのまにか台湾が大陸に飲み込まれていて、なかよく日本に敵対していたなんてことになったら目も当てられないですわ。(既に馬政権は中共よりですね)

付近に対立しあう二国があって、自国が介入しうる力を持つとき、中立は最悪の選択ですよ。
負けたほうからはなぜ助けてくれなかったと恨まれ、勝ったほうはさらに強力になってむかってくるから。(君主論より?)

Posted by: taku | August 07, 2009 at 01:34 AM

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