「負けっぷりのよい」負け
■ 解散、総選挙の日程が決まったようである。
東京都議会議員選挙の結果は、民主党の「一人勝ち」である。無党派層ともかく、自民党支持層も、大挙して民主党に回ったようである。特に注目すべきこととして、議席一の選挙区では、民主党系が7戦6勝である。
故に、このままの趨勢でいけば、「郵政選挙」の逆の結果が次の衆議院選挙で出ても不思議ではあるまい。東京都25選挙区の大勢を民主党が押さえるという展開である。全国レベルでいえば、都市部は、あらかた民主党の手に落ちる。2000年選挙の再現である。
雪斎は、いっそのこと、自民党150、民主党250くらいの結果で、自民党は負けてもいいのではないかと思っている。吉田茂は、敗戦直後、「負けっぷりをよくしなければならない」と語った。麻生太郎総理ならば、祖父の遺訓よろしく、「負けっぷりのよい」負けを演出してくれそうである。「負けっぷりのよい」負けの後ならば、新生への芽を育むことができる。
民主党は、多分、250議席近くになったところで、実際に「政治」の仕事ができるのは、四、五十人だろう。その四、五十人で「政権運営」をすることになる。自民党のように、「政権運営」のノウハウが蓄積されているわけではなさそうだから、これは大変な仕事になる。ひとりの人間の「能力」には限界があるということは、冷静に見ておいたほうがいいであろう。
故に、考えてみれば、民主党の「わが世の春」は、長くても二ヶ月であろう。秋以降には、鳩山由紀夫「総理」の政治資金に絡む話が、本格的に追及されることになる。これだけでも、支持率は20パーセントは下落する要因である。
そして、来年には、早くも参議院選挙である。これを乗り切れなければ、「ねじれ」国会状況に苦慮するのは、民主党政権になる。
尚、今では忘れられているかもしれないけれども、民主党は、元々、「改革」志向の強い政治家が集まった政党であった。民主党政権になれば、「自由主義」色が薄まるという見方があるけれども、そうはなるまい。「中道左派」傾向に動くという見方もあるけれども、これも誤りであろう。安全保障政策領域での懸念は残るけれども、内政面で極端におかしなものを出してくるようには思えない。
だとすれば、民主党の基軸が、旧新生党+新党さきがけ+日本新党である限り、民主党政権でも、その改革志向は、変わらないということである。社民党や国民新党から要らぬ影響力を行使されるよりは、どかんと民主党に勝ってもらったほうが、その「改革志」向は、捻じ曲げられずに済む。
雪斎は、ひさしぶりに、野党的な立場で気楽な政治評論をすることができそうである。与党に近い立場で物事を語ると、「偉そうなことをいうけれど、そもそも、それができるのか」という心理が働くから、「正しいことを言っていればいい」という具合にはならない。今まで民主党に期待を寄せた人々は、くれぐれも、「こんなはずではなかった…」と掌を返すような無様な真似はしないことである。是非、「政権」を間近で観る快感と苦痛を心ゆくまで味わってもらいものである。
「人間、万事塞翁が馬」とは、よくいったものである。
新生・自民党は、小池百合子(この人は生き残るであろう)氏や舛添要一氏辺りを旗頭にして、爪を研いでいればいいであろう。
…と、自民党の「負け」を織り込んで書いてみた。
実際に、「政権交代」まで一直線に進むのか。選挙の結果などは、投票日三日前になるまで判らない。
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Comments
おはようございます。
雪斎殿のおっしゃるとおり、麻生さんは見事な負けを演出しているかにも見えますね。
ただいつまでも政権交代がないという状態では改革=進歩が妨げられてしまいます。とはいえ民主党のこれからは、やはり厳しいと思います。彼女をGETするまでと、してからは苦労の質が違います(笑)
マスコミさんも、一部では未だに小泉批判をしていますが、遡ってまでも政治家を批判するだけでなく、評価すべきは評価してもらいたいなと思います。
Posted by: SAKAKI | July 14, 2009 at 06:52 AM