« 北朝鮮ミサイルの「虚」と「実」 | Main | ミサイル騒動の後先 »

April 06, 2009

金正日の誤算

■ 北朝鮮のミサイル発射は、「失敗」に終わったようである。
 ロケットの第一段目が日本海に落ちて、二段目依以降は、弾頭部分を含めて太平洋に落ちた模様である。
 □ 北の「ミサイル」発射を安保理提起へ=強力な国際社会の対応を-米大統領
 【プラハ5日時事】オバマ米大統領は5日、声明を発表し、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射したと断定、「明らかな国連安全保障理事会決議違反」として、安保理に問題を提起する考えを表明した。大統領はまた、プラハ市内での演説で「違反は罰しなければならない」と述べ、強力な国際社会の対応が必要だと訴えた。核開発放棄を実現させるためにも、国際社会の一致団結した圧力が必要との認識を示した。
 大統領は、「北朝鮮の弾道ミサイル技術の開発・拡散は、北東アジア地域および国際社会の平和と安全に脅威をもたらしている」と指摘。ミサイルの発射は、北朝鮮に対しあらゆるミサイル関連活動を禁じた安保理決議1718の明白な違反と結論付けた。
 これを受け、大統領は、北朝鮮によるミサイル発射問題の安保理提起に向け、クリントン国務長官とライス国連大使を通じ、日韓両国や安保理メンバーとの協議に直ちに着手。ライス大使は米テレビ番組で、既存の制裁措置の強化を軸に新たな安保理決議の採択を目指す考えを表明した。(2009/04/06-00:25)

 驚いたというのは、オバマのキャラクターからは想像できなかったような強硬な言辞が出てきていることである。「北朝鮮はルールを破った」とか「罰しなければならない」とか、法律家的な言辞が出てきている。オバマは、その思想の型としては、米国の「伝統」に沿っていのであろう。
 このオバマの声明に共鳴するように、欧州諸国からは、一斉に対北朝鮮非難の声が上がった。
 □ ミサイル発射は国連決議違反=米・EU 4月5日23時35分配信 時事通信
 【プラハ5日時事】米国と欧州連合(EU)は5日、プラハで開いた首脳会議で、北朝鮮による「弾道ミサイル」発射を受け、「国連安保理決議に違反しており、北東アジアの平和と安定を損なうものだ」と非難する共同声明を採択した。 
 □ NATOも非難声明   4月5日23時56分配信 時事通信
 【プラハ5日時事】北大西洋条約機構(NATO)のデホープスヘッフェル事務総長は5日、北朝鮮の「ミサイル」発射を受けて声明を発表し、「極めて挑発的」であり、国連安保理決議に違反すると非難した。 

 この対北朝鮮非難の輪の中には、韓国、豪州も加わっている。及び腰なのは、中国である。北朝鮮の隣国というという特殊事情もあろうけれども、大量破壊兵器拡散防止という国際潮流に乗らなければ、中国は、何時までも「異質な国」としてのイメージを払拭できないであろう。中国は、現在の国際社会で「責任ある大国」として振る舞えるか。こうしたことが問われる案件である。ロシアは、全欧州が対北朝鮮非難で一致すれば、存外、追随してくるかもしれない。また、ロシアは、「核管理」の推進ということで米国と歩調を合わせてきているので、この点が重視されれば、米国や欧州に寄ってくるのも早いかもしれない。ロシアは、本質的に欧州志向の国家なので、、北朝鮮に融和的な姿勢を示すことに死活的な利害を抱いているとは考えにくい。
 とにもかくにも、日本の肩を持ってくれそうなところは、一斉に対北朝鮮非難の声を上げてくれた。日本には、「いい風」が吹いている。かくなる上は、以下の三つを粛々と、そして一切の感情を交えずに追求すべきであろう。
 ① 国連安保理で、対朝非難決議の採択
 ② 対朝追加経済制裁決議の採択
 ③ 追加経済制裁措置の実行
 日本には、「拉致」という別の懸案があるけれども、現在の局面では、「ミサイル・核」に絡む対北朝鮮非難の国際潮流に乗じて行けるところまで行く構えが大事であろう。ここでは余所見をしないれほうがいい。
 ところで、此度のミサイル発射失敗は、対内的どのように取り繕おうとも、金正日体制には、深刻なダメージを与えるものであろう。此度のミサイル発射の失敗の故に、ミサイル技術をビジネスにしよいとする目論見は、ご破算になったといえるであろう。また、「ミサイル・核」でに寄り掛かって米国と対等な交渉をやろうとした狙いも、外れることになる。加えて、前に触れたオバマの強硬な言辞に示されるように、対朝非難の国際的な気運を盛り上げてしまった。北朝鮮が得たものは、ほとんどないのではないか。
 さらにいえば、此度の騒動は、日本には、有事の事前演習の機会を提供したし、ミサイル迎撃システムに対する世の認知度を高めることになった。大いに結構なことではないか。
 それにしても、次の記事は…。
 □ 北「ミサイル」発射に300億円=韓国高官「食糧難解消が先決」と批判
 【ソウル5日時事】韓国政府高官は5日、北朝鮮が今回の「長距離弾道ミサイル」発射にかけた費用は約3億ドル(約300億円)に上るとの情報当局の試算を明らかにした。その上で、国民の生活を犠牲にして、核やミサイル開発を続ける北朝鮮を批判した。
 同高官は「3億ドルあればコメ100万トンを購入でき、北朝鮮の1年分の食糧不足分を解消できる」と主張。これまでに北朝鮮が核とミサイルの開発に約26億ドルを投入したと推定されることも明らかにした。(2009/04/05-18:10)
 阿呆らしいの一言である。

|

« 北朝鮮ミサイルの「虚」と「実」 | Main | ミサイル騒動の後先 »

「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

週刊現代4月18日号早大教授重村智計の記事
http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/
によると、今回の打ち上げは失敗ではないかも?。
重村氏の見方によればすべて米中北(もしかすると日本も)の出来レース茶番であって、アメリカにとっては日本により兵器を買わせかつ負担金を増やす目的、日本は軍備増強の好日&政権への支持率アップ、などが考えられるそうだ。
はたして本当か?

Posted by: 笛吹働爺 | April 06, 2009 at 07:11 PM

陰謀論は好きではないが
笛吹働爺さんのコメント
さもありなんと。。。

Posted by: ろーりんぐそばっと | April 22, 2009 at 12:24 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71618/44581277

Listed below are links to weblogs that reference 金正日の誤算:

« 北朝鮮ミサイルの「虚」と「実」 | Main | ミサイル騒動の後先 »