北方四島「面積等分」返還論
■ これは、単純に考えないほうがよい案件であろう。
□ <「3.5島」返還>谷内代表の発言…政府、火消しに躍起
4月17日23時21分配信 毎日新聞
政府は17日、谷内(やち)正太郎政府代表(前外務事務次官)が毎日新聞のインタビューで北方領土問題を巡って「(四島ではなく)3.5島返還でもいい」と発言したことについて、「個人的見解」(河村建夫官房長官)として、四島の日本への帰属を確認する政府方針に変わりがないことを繰り返し説明するなど火消しに追われた。麻生太郎首相は外相時代に四島の面積等分に言及したこともあり、ブレーン役の谷内氏の発言は波紋を広げている。
麻生首相は17日夜、首相官邸で記者団に「発言の内容は承知していない。政府代表としては政府の従来の方針に従って行動されていると思う」と述べたうえで「帰属の問題が明確になれば、後は柔軟に考える」と強調した。麻生首相は外相時代に国会で「択捉島の25%を残りの(歯舞、色丹、国後の)3島にくっつけると(面積で)50-50の比率になる」と答弁している。
外務省はこの日、ワシントンに滞在中の谷内氏に発言内容を電話で確認し、河村官房長官にも報告。谷内氏は「日露関係には大きな戦略が必要で、その中で領土問題を解決できればいいという趣旨の発言はした」と説明したという。外務省幹部は「谷内氏は余計なことを言うべきではない」と不快感を示した。【犬飼直幸】
「3・5島」返還論というのは、率直に驚いた。ただし、面積等分で手を打とうという話は、既に日本の学者の案としても出されている。後の報道によれば、谷内代表は、「そのようなことは言っていない」とかたっているようである。だとすれば、これは、「言った言わない」の話になる。仮に谷内代表が実際に「3・5島論」を考慮したのであれば、これが表に出たのは、日本世論の動きを探る「観測気球」なのか。それとも日本の世論の険しさを見越し、それをロシアに伝えるための「高等戦術」なのか。実際のところは判らない。
現在は、ロシアの経済情勢は、まことに宜しくない。天然資源の価格がロシアの対外姿勢に 比例的に反映されているところがある以上、対露関係で何かしようと思えば、資源価格の下落でロシアが「弱気」にならざるを得なくなっている今は、確かに好機なのである。もっとも、昨日、CNBCの番組を見ていたら、「素材関連株が次に急騰しようとしているところだ」という趣旨にこと語られていた。銅やニッケルなどの資源価格が上昇に転じ、経済危機の「底」が見えたのではないかという声も聴かれる様になっているさなかでは、ロシアの低姿勢も然程、長くは続くまい。
ところで、北方四島が返還された場合、それは、どのような行政上の位置づけが与えられるのか。
① 北海道の「支庁」
② 48番目の「都道府県」
③ 中央政府直轄の「特別行政区」
考えられるのは、大体、この三つである、
しかも、実際の返還を見越して考えておかなければならないことがある。
①「 「日本人住民が実質。皆無」の地域を、どのように管理していくのか。
/ この点は、沖縄とは、条件が異なる。
② ロシア住民の待遇は、どのようにするのか。
/ 今時、「強制退去」などという手段は取れない。今では、北方四島が彼らにとっての「故郷」である。
/ 住民の移動を「平時」に行うことは、至難の試みである。
③ 北方領土に自衛隊や在日米軍の基地は置くのか。
/ 辺境の地に「防人」を置くのは、常識であるけれども、こうした対応をロシアは納得するのか。
/ 北方四島の「非武装地帯化」という提案は、果たして考えられるのか。
このように考えれば、北海道の「支庁」や独立した「都道府県」として北方四島を位置付けるのは、リアリティがない。率直に、これは、「後が大変な」案件である。
このように、北方領土案件に関しては、意外と「議論されるべきだが議論されていないこと」が多い。
「2」、「3・5」、「4」という割合の話に終始していいれば、本来、考えるべきことが見えなくなって来ないか。
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Comments
重要な論点ですね。十分な検討と国民の間で議論が盛り上がることが必要かと。住民問題については、かつて住んでいた人やその係累及び本土に住んでいる人に希望者を募ることである程度対応可能かと。また日系人にも希望者をつのることも考えられますね。
Posted by: 星の王子様 | April 19, 2009 at 09:05 PM