民主党政権への「万丈の山、千仞の谷」
■ 箱根で「仙人生活」を送り、下界に降りて来たら、世は、「とんでもないこと」が起きていた。
① 「小沢スキャンダル」勃発
② 雑誌「諸君!」休刊
古色蒼然とした「政治とカネ」に絡む疑獄事件であろう。雪斎は、今日、下山したばかりなので、報道から判断する限りは、その真相は「まだ判らない」。
ただし、「陰謀論」を語り被害者意識丸出しの言葉を吐く民主党幹部の姿は、余り賢明だとは思えない。民主党が全体で「疑惑」の隠蔽に加担しているかのような印象を与えている。
そもそも、日本の検察当局は、旧ソ連の「内務省」や「KGB」がソヴィエト共産党の「敵」を監視し、摘発する意味合いを持つ機関であったの同じ趣旨で、、その時々の政権の権力維持を助ける機関ではありえない。故に、こうした言葉の使い方は、日本の「デモクラシー」の信頼性にも傷を付けかねない。
加えて、「国策捜査」というのも意味が判らない。雪斎は、最近、この言葉を耳にするようになったけれども、どうも気持ちの悪い言葉ではある。何故、こうした言葉を民主党幹部が平気で使っているのか。
こうした検察批判や「国策捜査」批判が正当なものであるならば、過去において、こうした捜査で血祭りにされていたのが、自民党議員であったという事実は、どのように説明されるのであろうか。「ロッキード」、「ダグラス・グラマン」、「リクルート」、「佐川急便」…。昭和の御代には、数年おきにスキャンダルは起きた。
もし、自民党政権が検察を意のままに動かすことができたのであれば、こうした疑獄事件は、「闇の中」に葬られていたはずである。実際は、自民党政権全盛期には、次々と疑獄事件は起こり、多くの自民党政治家が失脚していったのである。
黙って、検察の仕事を見守るしかあるまい。そうでなければ、小沢一郎氏自らが、「総て」を説明することである。場合によっては、確たる証拠を携えて証人喚問の席に臨むべきであろう。自らに降りかかった嫌疑を晴らすだけの説得力を国民に示せなくて、そもそも、宰相の座に上ろうとするのは、おこがましいことではないか。
民主党は、自らの「スキャンダル耐性」が問われていることを自覚したほうがいいであろう。政権交代前に、こうした試験の機会が民主党に与えられたのは、日本のためには、むしろ幸いであった。
箱根の山は 天下の険 函谷関も 物ならず
万丈の山 千仞の谷 前に聳え 後に支う
民主党政権への「万丈の山、千仞の谷」である。
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Comments
最近でも、KSD事件、鈴木宗男事件、日歯連闇献金事件、緑資源機構談合事件と、自民党の汚職事件が多いですね。その度に現役の議員や大臣から、逮捕者や辞職者や自殺者が出てますねえ。
Posted by: Baatarism | March 06, 2009 01:44 PM
「総選挙の近いこの時期に」という擁護のフレーズだけで、私なんかは萎えてしまいます。そんなに検察に「空気読んで」欲しいんでしょうかねぇ?「選挙が近いから目をつぶってろ」なんて最低の言い訳でしょう。
「国策捜査」なんて言葉は、佐藤優氏の発明じゃなかったでしょうか?
Baatarismさん>
過去自民の方が金に汚かったのですよね(w
Posted by: やすゆき | March 07, 2009 12:44 AM
仰るとおりだと思います。民主にとって良い時期なんでしょうね。個人的には、清廉潔白過ぎるイメージの岡田さんが、もうすこし良い意味で清濁併せ呑むようになれば良いのになぁと期待しております。
Posted by: 学生A | March 07, 2009 06:07 PM