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February 19, 2009

「最高の人材」の行き先

■ それぞれの国々において、「最高の資質」を備えた人材は、どこに行くのか。
 『ベスト・アンド・ブライテスト』を読み返して、考えることがある。
 こういう話がある。

 米国では、ウォール・ストリートに行った。
 英国では、パブリック・スクールに行った。
 そして、日本では、「霞ヶ関」に行った。

 どういうことであろうか。
 米国は、「ビジネス」を目指す。資本主義の総本山では、大体、「カネ」が神になる。
 英国では、「聖職」を目指す。英国では、ケンブリッジやオックスフォード出身の初等・中等学校教師は珍しくはないそうである。「ロンドンなど碌なところではない」という感覚の反映である。
 日本は、「官僚」を目指す。俗に「蛍雪の功」という。「蛍雪の功」の成った若者は、どこに行ったのか。この若者は、朝廷の大官になったのである。別に、大商人や大芸術家になったわけでではない。中国、朝鮮、日本の極東アジア三ヵ国は、その点では似たような雰囲気がある。
 ところで、政界には、「最高の人材」は、集まっているのか。バラク・H・オバマやウィリアム・J・クリントンが、米国における「最高の人材」であったのは、間違いない。福沢諭吉が 「米国では、その立場にふさわしい見識の人物がその地位についている」と語ったものである。
 日本は、どうなのか。
 自分の国の政治家を叩いて悦に入っている人々がいる。
 デモクラシーの下では、多分、それは、「自傷行為」である。そのことに気付かない怖さを、どこまで自覚しているであろうか。前二度のエントリーでは、中川昭一前財務大臣に同情的なことを書いたものだから、自民党擁護云々と反応する向きがあるけれどjも,そうした反応は、どうでもよい。事の真相は、日銀総裁や財務官が身近で同席しているのであるから、あの時、彼らに「あの時、大臣は酔っていましたか」と問い合わせて確認すればすむことである。あれが脳梗塞の前兆だったりしたら、日本が要人の健康を守るシステムも持たない国だいうことを暴露したことになる。
 日本の人々は、政治家を簡単に叩く割には,政治家に「聖人君子+スーパーマン」であることを要求する。確かに、政治家には、その国の「最高の人材」を送り込む必要はあるわけである。
 大体、次のような要素がある。
 ① 体力  閣僚になれば、齢六十近くになっても、毎日、分刻みのスケジュールをこなし、「時差ぼけ」とも戦いながら、世界を飛びまわれるほどの体力である。世間では、定年退職を迎えるくらいの人物に、それを期待するわけである。
 ② 知力  総ての政策分野に対応できる知性である。学者・官僚は、あくまでも、「特定の分野」に通暁しているのであって、「総ての分野」に対応するわけではない。一時間前まで、「日本の食糧自給率を上げるためには…」と議論していた頭で、次には、「ソマリア沖に自衛隊を派遣する手順は…」とやるわけである。
 ③ 魅力  カリスマ性その他である。これには、いわゆる「メディア対応力」も含まれる。
 この三つが完璧に備わった人物は、実は、そんなにいるわけではない。政治家は、「最高の人材」から選抜して、なおかつ意識的に育成する必要があるわけである。
 もっとも、具体的に、何ができるか。
 政治家の「入り口」だけでも色々なことが考えられる。
 ① 議員定数の大幅削減
  / 衆議院300、参議院100で充分である。
  / ただし、議員を支えるスタッフの数は、従来の二倍、ないし三倍にする。
   ・ スピーチ、ファッション、コミュニケーションのアドヴァイザーも、適宜、動員できる。
 ② 親族と同一選挙区からの立候補禁止
  / 何故、「地盤の継承」がはびこるかといえば、「親父と同じ名前を書きたい」人々がいるからである。
     ・ これが、二世、三世政治家にアドヴァンテージを与えている理由である。
 ③ 立候補の場合の身分の保証
  / 民間会社社員や公務員が立候補する場合、落選しても復職できる保証を用意する。
     ・ これをやらないと、大概の人々は、「二の足」を踏む。
     ・ 「落ちても食っていける人々」しか政界に参入しないというのが、現況である。
 ④ 特定の政党から立候補する場合、「予備選挙」のシステムを導入する。
  / 候補者選定にかかわる「不透明」性を排除するということである。
 この三つや四つを断行しただけでも、「入り口」に関しては少しは「活性化」はできる。
 ただし、これは、自民党政権でできるかは判らない。雪斎が唯一、民主党政権登場の暁に期待するものがあるとすれば、このことである。中選挙区制から小選挙区主体の選挙制度への転換は、細川護煕・非自民連立内閣の業績であった。
 もし、「最高の人材」が、自分の利得だけを考える方向に走っているとすれば、その社会には誠に不幸なことである。どのように、「最高の人材」を政界に誘導するか。日本の人々は、もう少しまじめに考えたほうがいい。 

 追記、「中川辞任は、円安に誘導して日本の基幹産を救うため捨て身の『神風特攻』だったのではないか」。
 こういうことを行ってきた人物がいる。
 今、一ドル93円台半ばである。確かに、この一両日、3円近く急に円安に触れている、

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Comments

違います。バラク・オバマもクリントンも最高の人物などではありません。そういう演出が成されているだけです。CIAやNSAなどの特務機関による覇権国家の「演出」で、アメリカの権威は保たれ、それがゆえに彼らは優秀に見えるというだけです。そういう演出が弱いから中川氏がやめざるを得ないのであり、ブッシュ氏やプーチン氏は安泰なのです。

世界の大半は凡人であり、世界は凡人で成り立っている。そこでそういう凡人でも政治が出来るようなシステムを作る事が政治の役割だったはず。それを構造改革だの言ってぶっ壊したのが小泉氏で、それでも彼にすがり付いているのが新自由主義の人たちでしょう。その間違いを認められず、今度は一院制だの独裁の容認に向かうのは恥の上塗りでしかない。果てはこの国にもヒトラーのような独裁者が出る時が来るでしょうが、それは新自由主義者の責任ですよ。

Posted by: ペルゼウス | February 19, 2009 at 09:12 AM

確かに、不祥事を起こした政治家を無責任に叩く人達は、民主主義を真に理解しているのか疑わしいですね。最近は小泉改革が諸悪の根源だと主張する人もいますが、その真偽は別として、ではあの自民党の大勝は何だったのかと彼らに尋ねてみたいです。
日本が民主主義国家である以上、国会議員の失敗は国民の責任でもあると捉えるべきなのに、マスコミは個人攻撃を強め、多くの人もそれに同調しています。このような行為は自分達自身を貶めているのと同じであると早く気付いて欲しいものですね。

Posted by: ホリ | February 19, 2009 at 11:23 PM

中川さんに関しては今回の件は個人的にはどうでも良く、なぜあの程度の事でいい歳した大人達が騒いでいるのか僕には理解出来ません。

酒のんでいようが風邪ひいていようがきちんと仕事していればよいのではないかと思います。
皮肉にも中川さんが辞任して円安になりましたが果たしてどこまで影響があったのかは分かりません。


個人的には 今現在の経済状態には中川さんのような方には向いてないと思っていたので今回の辞任に関しては気にならないのですがきっかけがあまり腑に落ちなかった…


最高の人材を政治の世界に向かわせる為には、こういった下らない辞任劇を無くす事…

マスコミの揚げ足とりを止めさせる。

政治家を国会中継以外のテレビ出演に於いて規制する。


もう少し尊敬されるような風潮であれば、政治家も少しは意識がかわり、自ずと良い人材は集まるのではないかと思います。
給料のわりに仕事していないと思われている政治家も少なからずいると思いますし。思われていると思います。


まずはマスコミの報道の仕方、偏った印象を与えかねない内容は控えた方が良いと思います。

Posted by: へきぽこ | February 19, 2009 at 11:35 PM

衆議院を185人(-295)、参議院を94人(-148)で大丈夫だと思います。参議院の選出は各県から2人。衆議院は人口に連動させる。アメリカは約689,655人に1議員の割合なので、同じ位の比率を使用すると185位となります。

Posted by: blksize | February 20, 2009 at 12:14 AM

小選挙区制になってから、明らかに政治家の質が小粒になった気がしますけど。
自分の小さな選挙区の少ない有権者のことしか頭にないから、多様な支持者・団体を纏め上げるための利害調整能力が低下した気がします。政権支持率が高いと我先にと支持を表明して、支持率が下がると我先にと批判に回る。こいつら、自分の選挙以外に興味ないのかしら?一時期、政策新人類って呼ばれてた人たち、人間的な魅力がほとんど感じられない。
民主も自民も、今の若手・中堅政治家の顔って、IT企業の社員みたいなんですよね。
軽薄でメディア露出が好きで、つるりんとしていて、年相応の経験という皺が刻まれてない顔。
やっぱり小泉現象以降なんですよ、こういう輩が目立ってきたのは(本人自体は老獪ですけどね)。森さんまでは、自民党の党内利害調整も野党との国会対策も、もう少しまともだった気がしますけどねぇ。今の与党と野党は、下らない理由で喧嘩始めたはいいが、ある程度殴りあった後に拳を下ろす方法を知らなくて、最後にはナイフでズブリとやっちゃう若者みたいです。そんで警察に「何で殺しちゃったの?」って聞かれて「自分でもよく分からない」なんて。世論も妥協する政治家よりも信念を曲げない政治家のほうを評価しますしね。
やっぱり親は子供に喧嘩の仕方とその後の仲直りの仕方くらいは教えたほうがいいですね。もっとも、最近の親は人生で喧嘩したこと一度もないんだろうな。

Posted by: 改革は常に改悪であった | February 21, 2009 at 05:03 AM

聖人君子+スーパーマンを目指すには、広く野に遺賢を求めることになりますが、さすればかなり変わった経歴の人がいたりして、中には精神病患者もいたりするのではないのですか、変な噂を立てられるより堂々と入院歴を公表して、鞄持ちに加わる人間も増えるのではないのでしょうか。

Posted by: あきち | February 25, 2009 at 06:52 AM

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中川昭一氏というとネットで目立った意見は「イケメン」だの「ダンディ」だのと言う外見 についての意見であり今一何をやってるのかと言うことが伝わっていなかった様な印象が ありまして、皮肉な事に大臣を辞任した事で取り上げる機会となってしまいました。 ローマに於ける日本のマスコミ向け会見で呂律(ろれつ)が回らず、 マスコミ各社一斉に批判されたという話は既に報じられた通りです。 以下のような中川大臣の具合で会見をやり通したようですが、確かにこれは批判を受けて も仕方がありません。但し、マス... [Read More]

Tracked on February 20, 2009 at 03:45 AM

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