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February 09, 2009

世界を買い叩け。

■ 雑誌『VOICE』には、ロバート・フェルドマンさんの論稿が載っている。フェルドマンさんといえば、テレビ東京や日経CNBCに出演しているエコノミストであるけれども、彼によれば、円の適正水準は、現状の1ドルー90円前後だそうである。
 『溜池通信』最新号にも、「円高の効用」に関する話が出ていたs、
 この辺りで、思考態度を変えて、「反転」の仕方を考えたほうがいいような気がする。

 雪斎は、昔、「セブン・シスターズ」という書を読んでいた。国際石油資本の内幕を描いたアンソニー・サンプソンの著作である。こうした資源絡みの話は、結構、楽しい。
 現在の資源絡みの多国籍企業でいえば、以下のようなものがある。

 ○ 鉄鉱石
● ヴァーレ (ブラジル)(旧称リオドセ)
● リオ・ティント (イギリス・オーストラリア)
● BHPビリトン (オーストラリア・イギリス)

 ○ 原料炭
● BMA (オーストラリア)
● エルクバレー・コール (カナダ)
● エクストラータ (スイス)
● アングロアメリカン (南アフリカ共和国・イギリス)
● リオ・ティント (イギリス・オーストラリア)

 ○ 金
● ニューモント・マイニング (アメリカ)
● アングロアメリカン (南アフリカ共和国・イギリス)
● バリック・ゴールド (カナダ)
● ゴールドフィールズ (南アフリカ共和国)

 ○ 銅
● コデルコ (チリ)
● フリーポート・マクモラン (アメリカ)
● BHPビリトン (イギリス・オーストラリア)
● リオ・ティント (イギリス・オーストラリア)

 ○ 穀物
● カーギル
● ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)
● コンチネンタル・グレイン 
● ブンゲ
● ルイ・ドレフュス
● アンドレ・ガーナック

 上に列挙した資源・穀物メジャー企業の一つや二つでも、日本が買収し、「日の丸」企業にすることができれば、日本は、「資源のない国」という宿命の厳しさを幾分かでも減らすことができよう。
 日本が「豊かな国」であったのは、高々、過去半世紀の話である。戦後、暫くの間、日本の人々には、「貧しさ」の記憶が拭えなかった。目下、ドラマ化されて話題を読んでいるジョージ秋山さんの漫画『銭ゲバ』というのも、その時代を映し出しているといえるであろう。主人公が回想した母親の言葉「世の中には五円のお金がない家もあるのです」は、誠に強烈な言葉である。戦前、日本が満州に進出したのも、日米戦争直前に仏印に進駐して対米妥協の道を閉ざしたのも、「資源のない国」としての強迫観念が作用している。
 こうした宿阿から逃れる好機が訪れているとすれば、それを生かさない手はあるまい。
 具体的にいえば、鉄鉱石・原料炭メジャーのところに挙げたリオ・ティントを買収するわけにはいかないかと夢想する。少し前まで、BHPビリトンがリオ・ティントを買収しようとして、それが実現すれば鉄鉱石シェアの7割近くを握るということで、日本の公正取引委員会が待ったを掛けるという動きがあったはずである。結局、昨年後半以降の資源価格暴落の結果、その買収話も沙汰止みになったと聞く。それならば、BHPビリトンが手中に収められなかったリオ・ティントに日本が手を出しても、不都合はあるまい。オーストラリア・ドルで考えても、一昨年末に1豪ル107円だったものが今は60円近くである。円の価値は2倍である。オーストラリアの資源をごっそり手に入れられれば、これは凄いことになると思うけれども、どうであろうか。
 そうでなければ、穀物のメジャーどれかを手に入れることである。日本国内の農産品は、ボルドーのシャトー・マルゴーよろしく、世界の富裕層御用達として、プレミア化を図るのである。こうして、日本の国内農業も生き残る。
 大体、こいうメジャーの中に日本の名前がないのは、おかしいではないか。「日の丸」多国籍企業は、別段、トヨタやソニーのような製造企業に限定される必要はない。
 ということで、一ドル90円の水準を超えたのが半年近く続いた1993年上半期以来の「円高」局面が続いている。今は、率直に「好機」であろう。以前、NHKで放映されていたドラマ『ハゲタカ』の第一回のタイトルは、「日本を買い叩け」であったはずである。今なら、こういってみよう。「世界を買い叩け」。
 とりあえず、物欲に淡白な雪斎にも、買いたいモノがある。
 下のモノは、どうであろうか。
 ● VIENNA ACOUSTICS MODEL T-3G スピーカー ウィーンアコースティック T-3G 
 オーストリアでは、「ベートーヴェン」と呼ばれているスピーカーの名品である。「ベートーヴェン」でベートーヴェンのシンフォニーを聴くのは、さぞかし気持ちよいであろうなと想像する。

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Comments

タンノイもポンドが安い今がよろしいのでは?
一生ものですよね。

Posted by: sal | February 09, 2009 at 11:47 AM

リオ・ティントは2月2日に小生のブログに書きましたが、Chinalco(中国アルミ)に債務削減のため株式売却交渉をしていることがFTに報じられており、日本の入り込む余地はあまりないと思います。資源を手に納めるのは戦略的に重要だと思いますが。

Posted by: 星の王子様 | February 09, 2009 at 08:36 PM

雪斎さんの物欲に乾杯。入手されることを祈っています。

Posted by: Masao3 | February 10, 2009 at 12:20 AM

「狼と香辛料」の最新刊に、主人公が強い通貨の恩恵を受ける描写が、かなり具体的に載ってました。
製造業者と流通業者では立ち位置が異なりますが
ああいった娯楽作で、具体例が出ることに面白みを感じます。

夏から放映される「狼・・」の第二期アニメでは
ダイレクトに”バブル”を題材にしているので今から楽しみにしていますが。

Posted by: TOR | February 11, 2009 at 01:37 AM

リオ・ティント、三井物産と資産売却について交渉=豪紙

丸ごと買収、とはいかなくても鉱山などの単位で切り取ってはいるようです。
ご参考まで。

Posted by: deadcatbounce | February 11, 2009 at 09:17 AM

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