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December 04, 2008

日本よ、「自虐的お笑い国家」を目指せ。

■ 少しコメントが遅れたネタである。
 □ 内閣支持率31%に急落 日経世論調査
 日本経済新聞社とテレビ東京が11月28―30日に共同で実施した世論調査で、麻生内閣の支持率は31%となり、10月末の前回調査に比べて17ポイント低下した。不支持率は19ポイント上昇し62%となり、初めて支持と不支持が逆転した。追加経済対策の裏付けとなる2008年度第2次補正予算案の提出先送りについては「支持しない」が56%で「支持する」の28%を引き離した。
 政党支持率は自民党が前回から2ポイント低下し39%、民主が1ポイント低下し30%となり両党ともほぼ横ばいだった。自民支持率は6月以来、民主を上回っている。(30日 22:03)
 
 

 ただし、雪斎には、下の記事のほうが興味深かった。
□ 選挙後の首相にふさわしい人「麻生・小沢氏でない」6割 日経調査
 日本経済新聞社の世論調査で、政党支持率は自民が2ポイント低下の39%、民主が1ポイント低下の30%だった。麻生内閣の支持率は急低下したが、民主の支持は横ばいを続けており、不満の受け皿になりきれていない。
 「衆院選後の首相にふさわしい人」を尋ねたところ、麻生首相は17%で前回の36%から急落したが、民主党の小沢一郎代表は前回からわずか1ポイント上昇の17%にとどまった。最も多いのは「麻生首相と小沢氏のどちらでもない」の60%だった。麻生首相から小沢氏への「乗り換え」はほとんどなかった。(08:53)

 「麻生は駄目だが、小沢も駄目だ」。これが、この記事が伝える国民の「気分」である。民主主義体制というのは、本質的に「待てない」政治制度であるけれども、政治は、本質的に「待つこと」を要請する営みである。麻生内閣発足後、僅か二ヵ月で支持率30パーセント台割れ寸前というのであるから、この国の人々は、本当に「待てなくなっている」のであろう。麻生総理には、不用意な発言が相次いだ。これは、国民を不安にさせる。少し前までは、年金という「将来の不安」が問われたけれども、今は、雇用という「当面の不安」が前面に出てきている。年金、格差云々で騒いでいた時節は、まだ幸福であったのではないか。
 ところで、「麻生は駄目だが、小沢も駄目だ」という雰囲気に使っている人々は、どういう政治指導者が佳いと思っているのであろうか。政治家は、国民にとっては、「育てる人材」である。どのような職業であれ、人材を養成するには、「褒めて育てる」というのが基本である。そうした労苦を厭い、政治家に対しては、「日頃の鬱憤を晴らす対象と観ているのが、この国の大勢である。そうした鬱憤晴らしを政治評論の趣旨と考えている人々が多いのであるから、まことに始末に負えない。
 いっそのこと、「そのまんま東」知事に国政入りを願って、「麻生」後継に名乗りを上げてもらうのは、どうであろうか。「グー」が流行語大賞になるご時勢であるから、日本は、「自虐的お笑い国家」を目指すのも、佳かろう。「そのまんま総理」には、その「自虐的お笑い国家」を体現する人物として、「刹那的な笑い」を振りまいてもらえば、よろしい。それが今の日本国民の政治的な「質」である。
 もっとも、雪斎は、前にも書いたとおり、日本の政治指導層に関する限り、1950年代前半生まれ以前の世代は、もう御用済みであろうと思う。「そのまんま総理」の後は、「大田・爆笑総理」でいいであろう。その時には、バラク・オバマとの関係上、「ノッチ」を外務大臣に起用して頂こう。不況が長引こうが年金制度が破綻しようが、「お笑い」で乗り越えていける。

 日本の同胞の皆さん。これが、お望みかな。

 雪斎はといえば…。
 早速、パリ移住の準備を始めようか。

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Comments

自虐も何もまさしく新自由主義の行き着く先がこれですよ。アメリカについてゆけばよいだの、グローバリズムだのの果てに、日本の国力は減退し、国民は自信を失い今に至っています。こういう事に対し、誰も責任を取らない。小泉さんはさっさと逃げ出し、「小さな政府」という熱病からさめてみた後に広がる廃墟の山にたた慄然としているのが現状ではないですか

正直言って今政治家として世界で唯一政治家らしいのがロシアのプーチン氏であることが事をややこしくしています(ゲーツを留任させるオバマでは断じてない)。世界の多極化を読みきれず、ひたすらアメリカに心を寄せるしかない今の政治家が支持を集められないのは当然でしょう。アメリカにしてみれば、自国のために血を流してくれる韓国・北朝鮮との中が重要であり、もう経済もアウトの日本など捨てられているのに、それがわからない。

もうひとつ申し上げれば民主党も自民党も力を与えず、このままねじれを続けさせるほうが国民にとってプラスになる事が明らかになったのですよ。分割して統治するというのは何も指導者だけがやる事ではない。国民も指導者を分割出来る事が判ってきた。むろん次の選挙でもどちらにも勝たせません。

Posted by: ペルゼウス | December 04, 2008 at 10:11 AM

この「もうどうにでもな~れ」的な投げ遣り感から先生のお気持ちお察しいたします。

Posted by: あかさたな | December 04, 2008 at 10:20 AM

雪斎様
いつもブログを楽しく拝見させて頂いております。政治関連の話題についての深い考察には、いつも勉強させて頂いております。

さてさて、麻生・小沢両氏の期待値低迷ということについて、めずらしく厭世的なコメントをかかれておりましたので、これについて一言感想を書きたいと思います。

今回の問題の本質は、よくメディアが吹聴する軽薄な批判にあるのではなく、結局は麻生さんという一人の政治家の資質が問われているのだと思います。わたしは、今回の麻生人気低落の最大原因は、間違いなく失言にあると思っています。失言そのものは人間である以上しかたないのですが、問題はその失言の中身です。医師に対する発言にせよ、社会保障に対する発言にせよ、どちらもあまり筋のいい失言とは言えないように思います。麻生さんの人間性に疑問を感じる人が増えてしまったのでは、ということです。
小沢さんが対立軸となりえないのも、結局はこういう点にあるかと思います。過去の言動や行動から、この人は人として信頼できないと考えている人が、小沢総理にNOという回答をしているのかと思います。

日本の政治には危機的な状況で、「そもそも候補者として二人とも相応しくない」という明確な意思表示だと思うんですよね。育てるという発想以前に、両名に対する有権者のコミットメントがないという状態かと思います。麻生さんの最初の支持率も、選挙という正式な回答ではなく、道端でなんとなくアンケートに答えた結果がメディアで喧伝されただけではなかろうかと。当時の空気と今の支持率をもって、国民にガマンが足りないというのはいささか言いすぎではないかと思います。

自民党にも民主党にも、おそらく有権者のコミットメントを得られそうな政治家は、そうはいっても何人もいると思うんですよね・・・そうした、まず基本条件を満たす政治家が次期総理候補として立ち上がらない限り、こういった状況は続くものと思います。それこそ、メディアが真摯にリサーチして、有権者のコミットメントを得られる可能性のある政治家にライトをあてるのがいいのかなと思います。

Posted by: 通りすがり | December 04, 2008 at 02:17 PM

マキャヴェッリの言葉に「君主にとって最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されることである。」とありますが、麻生総理は国民から軽蔑されてしまったのでしょうね。
「一方、軽蔑は、君主の気が変わりやすく、軽薄で、女性的で、小心者で、決断力に欠ける場合に、国民の心中に芽生えてくる。」ということなので、麻生総理は言葉をうまく制御して、一貫した指導者であることを印象づけるようにしなければいけないのでしょう。

小沢党首についてもやはり同じ事が言えるのでしょうね。今の日本であれほど機会主義的な行動を取ってきた政治家は、他にいませんから。

Posted by: Baatarism | December 04, 2008 at 03:44 PM

個人の資質というのもあるでしょうが、素人目には自民党自身に首相を支えて政策を実現させようという気力が残ってないように見えます。

もっとも、無責任な無党派層の増大がこれの原因にもなるのでしょうけども。

Posted by: だでぃ | December 04, 2008 at 09:55 PM

いやいや、気持ちは分かりますが随分やけくそなエントリーです。

あと、雲斎先生も「団塊は去れ」なんですねえ。私自身はあまりそういう事を感じたことはないんですが、最近よく目にするフレーズだし分析されたら面白いのではないでしょうか。

麻生さんの支持率低下は仕方ないと思います。経済がめちゃくちゃですから、どうしたって支持率はさがるでしょう。失言も昔からある訳でそれを煽るマスコミが悲惨なのも昔からです。

現実問題として、この状況で小沢民主党が権力を握るのは恐ろしくてたまらないので、麻生さんは総理の椅子に長くしがみついていて欲しいです。

政治に関わる方々は、政権が最低限なすべき事を粘り強く提言し続けて欲しいですね。

Posted by: stratosphere | December 05, 2008 at 02:23 AM

雪斎殿の文体自体が エントリーのタイトル同様
自虐的に見えてしまったのは気のせいでしょうか?

いつもと違う雰囲気を感じましてコメントさせて頂きました。

Posted by: へきぽこ | December 05, 2008 at 02:26 AM

学者は投げやりになってはいかんと思いますが。
わずらわしい校務は多少あるものの、実務の義務から解放され、それなりに飯が食える環境を与えられている身ですから、その僥倖には報いるべきでしょう。
私は状況の如何に関わらず深いところでオプティミスティックな姿勢を貫くことこそ天命ではないかと思います。

Posted by: 小規模投資家 | December 05, 2008 at 10:50 AM

結局、小泉以降、政治の質が変わってしまったんですよ。議論を積み重ねて、幅広い層の意見を集約するよりも、その場の空気で政局が決定する癖がついたんだから、政治家も国民も。
小泉の最大の罪は、国民にまやかしの直接民主主義の幻想を見せてしまった事です。
結局、政治が力を失うと、官僚の暴走は止めようがありません。官僚機構という税金の収奪装置は、ますますその鋭さを増していくでしょう。
麻生さんにそこまで支持率低下の大きな失策があるとは思えませんが、少なくとも、自分の人気なんてものが、まやかしの一種であると警戒する必要はあったような気がします。
漢字の読み間違い一つで政権が崩壊するなんざ、世界の歴史上初めてで、これからもないでしょう。
衆愚、ここに極まれり。
もういちど中選挙区制に戻すしか、この惨劇を防ぐ有効な手立てはないような気がします。
雪斎どのの著作の中の政治姿勢には、ほとんど共感する私ですが、小泉という政治家の評価だけは意見を異にします。

Posted by: 改革は常に改悪であった | December 05, 2008 at 11:52 PM

いずれにせよ「自虐国家」は変ですよ。産経が次の様に伝えています。【懸賞金の受け取り辞退】「田母神氏は懸賞金を歴史研究団体などに寄付するようアパグループ側に申し出ている。」(産経)12月5日20時http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081205-00000601-san-soci
■受け取ってから寄付するなどの方法ではないところがすばらしい。「主張」が独自で純粋なものという気持ちが現れているように感じました。読売は寄付の申し出には触れていません。この件について異論も可能でしょうが、今後の報道の取り扱いに注目したいと思います。

Posted by: 常陸曉 | December 06, 2008 at 01:21 AM

いずれにせよ「自虐国家」は変です。産経が次の様に伝えています。【懸賞金の受け取り辞退】「田母神氏は懸賞金を歴史研究団体などに寄付するようアパグループ側に申し出ている。」(産経)12月5日20時http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081205-00000601-san-soci
■受け取ってから寄付するなどの方法ではないところがすばらしい。「主張」が独自で純粋なものという気持ちが現れているように感じました。読売は寄付の申し出には触れていません。この件について異論も可能でしょうが、今後の報道の取り扱いに注目したいと思います。

Posted by: 常陸曉 | December 06, 2008 at 01:30 AM

産経が次の様に伝えています。【懸賞金の受け取り辞退】「田母神氏は懸賞金を歴史研究団体などに寄付するようアパグループ側に申し出ている。」(産経)12月5日20時http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081205-00000601-san-soci
■受け取ってから寄付するなどの方法ではないところがすばらしい。「主張」が独自で純粋なものという気持ちが現れているように感じました。読売は寄付の申し出には触れていません。この件について異論も可能でしょうが、今後の報道の取り扱いに注目したいと思います。

Posted by: 常陸曉 | December 06, 2008 at 01:47 AM

結局のところ昨今の政治家、官僚批判って国民の「甘え」だと思いますよ。国民は別に「政府なんか信用できねぇ、自分のことは自分でする」というようなリバタリアン的自治意識に目覚めたわけでもない。相変わらず困ったらお上に頼ってるわけですからね。

Posted by: F. BASTIAT | December 06, 2008 at 10:38 AM

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医療とかビッグ3問題とかいろいろ考えていることがあるけど、雪斎先生が珍しく         *'``・* 。         |     `*。        ,。∩      *    もうどうにでもな~れ       + (´・ω・`) *。+゚       `*。 ヽ、  つ *゚*        `・+。*・' ゚⊃ +゚        ☆   ∪~ 。*゚         `・+。*・ ゚ 的な投げ遣りコメントを仰っているので今日はこれについて。 日本よ、「...... [Read More]

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