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October 29, 2008

天皇陛下の反対党

■ 次の言葉を聴いてみよう。

He promised that at a time of "important issues regarding the national interest", his party would "put down the party politics and get on with the job of helping the Government".
He said: "What matters most of all at the moment is that we work together to make sure we create stability in financial markets and financial institutions.

彼は、「国益に絡む重大な課題」の時には、彼の政党が「党争を控え、政府に助力する仕事に乗り出す」であろうと約束した。彼は語った。「この局にあって関心を払うべきは、われわれが金融市場と金融期間の安定を創り出すと確信するために、われわれが一緒に働くことである」。

 ところで。ここでいう「彼」は誰か。

 それは、現在の英国保守党党首であるデーヴィッド・キャメロンである。
 英国紙『テレグラフ』が配信した〈Tory party conference: David Cameron says Conservatives will work with Government 〉(保守党大会―デーヴィッド・キャメロンは保守党が政府とともに働くであろうと語る)という記事の一節である。
 要するに、「保守党は、英国経済が更なるダメージを受けるのを防ぐためには、政府と協働する」ということである。
 英国の野党は、「女王陛下の反対党」と呼ばれる。「女王陛下の反対党」は、内閣を組織し政権を担わないにしても、政権党を監視しそれに対案を示したりすることで英国の統治機構の一端を成しているわけである。故に、労働党と保守党は、「立場は違えど同じ国益を担っている」のである。こうした意識こそが、二大政党制を成り立たせ前提である。
 翻って、日本の野党のことを考える。
 民主党は、何故か麻生内閣に対する対決姿勢に転じたと伝えられている。
 このところの協調姿勢を前に、雪斎は、「この危機の最中に、民主党も流石に党争に耽っている場合ではあるまい…」と思っていた。だから、このところの民主党の協調姿勢は、むしろ当然ことと思っていた。「国民の生活が第一」どころか、「国民の生活が人質」といいわんばかりの愚劣な振る舞いに走ることは、あるまいと踏んでいたのである。ところが、民主党は、麻生総理が「早期の解散に応じないから」、対決姿勢に転ずるのだそうである。民主党は、政府と「危機意識」を共有していたわけではなかったらしい。それでは、民主党は、何時まで経っても、「天皇陛下の反対党」になることはあるまい。
 少なくとも、テロ特措法案と「経済危機」対処関連の法案だけは、「党争の具」にしないで通したほうがいい。民主党も、独自の景気対策を出してくるらしい。きちんとした政策オプションに絡む検討が行われ、早急に遂行されれば、それに越したことはない。政府・与党の案にも、定額減税のように実効性の怪しいものがある。そして、「巧遅は拙速に如かず」である。とにかく、早くやってもらう必要がある。
 ところで、総理大臣とは、何か。〈Prime Minister〉を字義通り訳すれば、「筆頭の臣」ということになる。今の日本の政治家の中では、麻生総理は、その「筆頭の臣」としての雰囲気を最も色濃く漂わせているかもしれないけれども、次の総選挙の結果次第では、小沢一郎氏が「筆頭の臣」としての立場を得ることになる。小沢一郎氏に、「筆頭の臣」という立場の意味が判っているであろうか。幾多の民主党議員は、自分が「重臣」となるかもしれないということの意味が判っているであろうか。
 日本は、民主主義国家であり、立憲君主国家である。だから、こういう政治体制の下での政治家というのは、「『民』より出でて『臣』に連なった人々」である。

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Comments

今までの歴史を見てみると、時代が変わる中で現れる改革者は後世に語り継がれる時は賞賛される事が多いのですが、その時代の人々からは拒絶される事もあったように思います。
近い将来 臣の筆頭になるかもしれない2人には後世に賞賛されるに値する人になるのでしょうか? 特に小沢さんに関しては無いと思います。自民も当てはまるかもしれませんが、民主はいたづらに民意をいじっている印象があります。選挙がどうのと言う前に自民にも民主にもやる事は山ほどあると思います。
民主にとって自民が好敵手であるならば 小沢さんには『ここは勝負を預けて国の危機の為に一丸となります』と言った方が男もあげられていいんじゃ無いかと思うのですがどうなんでしょうか?

Posted by: へきぽこ | October 30, 2008 at 10:37 AM

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