« 名称なき「好況」が終わったあとの風景 | Main | 今日と明日のことしか考えぬ根太さ »

October 25, 2008

驚愕の10月

■ 「人間ドック」から出る。
 結果が判るのは先である。
 ところで。最近の病院では、看護婦さんは、多くがマスクを着けているのである。
 えらく損をした気分である。
 おっと、「秘すれば花」というのもあるか。

■ ところで、こういう記事が配信されている。
 □ えっ?本当 サラリーマンの給与が10年ぶりに増加 国税庁統計
                 産経 2008.9.19
 民間企業のサラリーマンらが平成19年に受け取った平均給与は437万2000円で前年より2万3000円(0・5%)増え、10年ぶりに増加したことが19日、国税庁のまとめで分かった。
 平均給与は、9年の467万3000円をピークに9年連続で減少していた。19年上期は経常利益が過去最高を更新するなどしており、効果が数字上に表れた形だが、同年下期は燃料・原料高で「増収減益」に転じており、給与増が続くのは難しそう。増加したとはいえ、16年の水準を依然下回っており、アップの実感は乏しそうだ。
 昨年1年間の給与所得者は4543万人で前年より58万人増加。給与総額も198兆5896億円と前年より1・8%増えた。
 増加の内訳は、給料・手当が0・2%増にとどまったが、賞与は2・2%増え、増加分は業績のよかった企業のボーナス増分だったとみられる。
 年収300万円以下は1751万人で前年より11万人増え、全体の38・6%を占めた。1000万円超は232万人。割合も5%と前年より0・1ポイント増えた。
 男女別の平均給与は男性が前年比0・7%増の542万2000円、女性も7年ぶりに増加に転じ0・1%増の271万2000円。業種別の平均給与は、金融・保険業が691万円でトップ。最下位は飲食店・宿泊業の273万円だった。

 この記事の元ネタになった国税庁統計は、こちらを参照すべきである(10頁目)
 確かに、平成10年以降、減少する一方であった民間企業平均給与は、平成19年、2007年に至って上昇に転じているのである。日本企業にとっては、「バブル崩壊」後の「我慢の日々」に決着が付き、漸く社員に「許与増額」という形で報いることができるようになったのは、昨年のことなのである。もっとも、13年ぶりの円高、「バブル崩壊後」最安値水準到達という現状を踏まえると、今年以降は、また減少モードに転ずるかもしれない。
 ただいま、午前四時現在、ニューヨーク・ダウ平均は200ドル下落である。来週には、日経225はバブル後最安値更新どころか、6000円台突入も驚くに値しまい。日経225が6000円台というのは、1979年の話である。
29年前の水準である。しかし、日経225の500円、600円程度の下落には何も感じなくなってきているというのは、かなり怖い気がする。
 「あと二、三年、好況が続いていれば…」というのは、雪斎が前のエントリーにも書いたことである。国税庁統計は、「普通の人々、漸くカネが回り始めていた」ことを示すだけに、なおさら、そう思う。
 もっとも、円高それ自体は、日本にとっては決して悪くない状況であるはずである。
 「円高は円の価値が上がるのだから、それは何故悪いのか」とは、先帝陛下(昭和天皇)の御言葉であった。
 問題は、「価値の上がった円」の使い方に関する方針が、日本では、まだ出来上がっていないことである。
 このヴィジョンを考えることも、大事である。
 日本の金融機関が比較的に痛んでいないことを考えれば、「ジャパン・マネー」を生かす千載一遇の好機かも知れないのである。
 雪斎が無尽蔵にカネを持っていたら、パリにコンドミニアムを買うのは悪くない選択である。
 ちょうど、パリ―羽田の直行便も開設されるそうである。
 実際には、年明け以降に安くなるであろうフランス・ワインを地味に楽しみにしようか。


|

« 名称なき「好況」が終わったあとの風景 | Main | 今日と明日のことしか考えぬ根太さ »

「国内政治」カテゴリの記事

Comments

田中宏和氏が世に倦む日日で吉川元忠『マネー敗戦』を紹介していた記事に拠りますが、80年代前半に米国が世界最大の債務国となった際に、資本を輸出する側がその国の通貨建てで起債し資本輸入国が発券した債券を輸出国の貯蓄超過分が吸収するという、本来の資本輸出国と資本輸入国との関係を(当然)ドイツは採用し自国圏通貨による起債で資本輸入国の債券を発行させその債券をドイツの市場に上場させることを発券側に求めたが、日本は何故か円建ての起債をせずドル建て債券である米国債の購入のみで資本輸出を続け、対外純資産をドルで保有し続けている。
日本が蓄積した経常黒字と対外純資産は為替変動で常に減価させられ、日本経済のデフレ圧力となり、デフレ圧力は輸出条件の円安ドル高を求め、円資金はドル債券に流れる。ドルと米国の債権を支える為に、今に至るまで為替リスクを負わされ続け、資産を減価させされ続け、

Posted by: 赤木颱輔(akakiTysqe) | October 25, 2008 at 09:21 PM

ご退院、というか、娑婆に戻られたようで何よりです。

「円高は嘉すべきことではないか」と昭和天皇が水田蔵相に質したそうですが、おそらく戦前に井上準之助あたりが「陛下、通貨は強くあらねばありません」とご説明したのでしょうね。

これからは、円高メリットを国民が享受できるような政策が必要になってくると思います。とりあえずはガソリンの値段も下がるし、ワインもね。

Posted by: かんべえ | October 26, 2008 at 07:11 AM

よく新聞などに出ているこの手の統計は目安程度に認識しておいた方がいいように思います。世代間での総数にばらつきがあるのと 入退職を繰り返す事によって絶対数が変動する分ただ平均を前年比する事だけではあまり参考にならないような気がします。結局賞与の分プラスになっているのであれば景気不景気かかわらず、来年は分からないという事になると思います。恐らく統計をだすのにもそれなりのお金と時間がかかっているとは思いますのでもう少しまともな物を出してくれればと思います。
上限と下限がある程度定まっている分 様々な平均年齢の方が目安になると思います。さすがに200まで生きる人は居ないでしょうから。

Posted by: へきぽこ | October 26, 2008 at 12:03 PM

雪斎先生

先生のご厚意で、まさに無料で御高見を賜れることをいつもありがたく思っております。

私が不思議で仕方がないのが、前回のバブル崩壊にしろ今回のサブプライム危機にしろ、よい面について全く注目されないことです。

総務省統計局の公表資料からも(というよりにも常識的にも)明らかですが、株価と地価が下がれば下がるほど、ストックベースでの貧富の格差は縮小します。バブル期にフィリピン並の資産格差のジニ係数と言われた我が国が、バブル崩壊、今回のサブプライム危機によって、より資産が平準化された社会に向かっていることを、どうして誰も言わないのでしょうか?やはり、大きな声を出せる人は、土地や株をもっている人だからでしょうか。私は不思議に思っています。

Posted by: 山下 | October 27, 2008 at 12:59 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71618/42895322

Listed below are links to weblogs that reference 驚愕の10月:

« 名称なき「好況」が終わったあとの風景 | Main | 今日と明日のことしか考えぬ根太さ »