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September 11, 2008

 「今度もまた負け戦だったな…」。

■  「今度もまた負け戦さだったな」。
   「 はっ?」。
   「いや、勝ったのはあの百姓たちじゃ、儂たちではない」。

 いわずと知られた『七人の侍』の最終版の台詞である。
 日本人は、群像劇だといえば、何人のものが身近なのか。
 『七人の侍』の「7」か。はたまた「戦隊モノ」の「5」か。それとも、『隠し砦の三悪人』の「3」か。
 自民党総裁選挙も、「候補乱立」という言葉が踊っているけれども、別段、「乱立」というほどのものでもない。
 最大、「7」で行ってくれれば、ちょうどよいと思っていた。。 
 当初、名前が挙がっている人々を数えれば、麻生、与謝野、小池、石原、石破、山本、棚橋で、確かに「7」であった。結局、「5」に収まった。
 ところで、人間の人生で「勝ち戦」ばかりという人々は、どれだけいるのであろうか。
 今、名前が挙がっている人々の顔ぶれを見れば、少なくとも、政治家として「楽な生活」を送った人物は、あまりいない。
 麻生さんは、総裁選挙で二度、負けている。
 与謝野さんは、議席を失っている。
 石原さんは、父親の地盤を継いだわけではない。
 小池さんは、「国替え」で議席を守っている。
 石破さんは、退潮の派閥で、「下克上」的に出馬に踏み切った。
 こうして考えると、安倍、福田の前任総裁は、「余りにも簡単に総裁になってしまった」というのが、正直なところあろう。安倍、福田の両総裁は、たんなる「二世代議士」というよりは、「派閥領袖の二世」である。要するに、「清和会」という派閥のなかでは、「大事に扱われてきた」のである。
 果たして、それでよかったのであろうか。
 政治家とは、民衆のために、「今度も負け戦だったな…」と絶えず口走ることになるかもしれない人生を選んだ奇特な人々のことである。だとすれば、「敗北体験」ないというのは、不味いことなのであろう。
 因みに、雪斎も、人生における「勝ち」と「負け」の比率を数えたら、間違いなく 1対9 である。
 ただし、「重要な勝負」には負けなかったから、それで何とか首がつながっている。
 山中鹿之助に倣って、いってみよう。
 「願はくは、我に七難八苦を与え給へ」 。
 こういうことを書いている雪斎は、政治を観察しても、自ら政治家にはなれない。

 

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Comments

山中鹿之助の台詞は久々に聞きました。確か最終的には尼子家を再興出来ないままこの世去ったと記憶してます。その頃の人物ですと、確かに勝ち続けた方は居ないように思われます。雪斎殿が仰る大事にされてきた人物はいたかもしれませんが。 後世に残せた家は、確かに負ける時あれど肝心なところで勝利していたと思います。島津の耳川や伊達の摺上原位しか自分は浮かびませんが…
負ける事で勝ちを取る糧にしている場合もあるのかもしれません。野球でもここは負けられないと言うことがあるように この5人の方々はどのようなイメージで臨まれるのか?興味があります。こういう時代では守護のお殿様より戦国武将…なのかもしれません。

Posted by: へきぽこ | September 11, 2008 at 01:39 AM

山中鹿之助が月に向かって
「願わくば、、、」
と願った事を読んだとき、そんなことを願うから尼子は滅ぼされたんじゃないだろか、などと思ってしまった、ひねくれた小学生だったことを思い出してしまいました。

先生のご発言の本旨と関係ない投稿、失礼いたしました。

Posted by: KAMURO | September 11, 2008 at 05:48 PM

麻生氏の総裁選は4回目ですから、3回負けていますよね。これは三木武夫氏以来でしょうか?落選経験もありますよね。特に3度目は本命視されながら包囲網を作られ、痛恨に違いなかったでしょう。一度落選経験もありますし、2000年あたりまでに「士志の会」の他の3人が要職に就いていたことを考えれば、政界ではかなりの苦渋を舐めてきた方かもしれません。

与謝野氏は既に総裁の座も窺える状況だったであろう2000年の落選が、本当に大きかったでしょう。最近は闘病もありましたし。

その意味では、この2人が、経験の重みという点で頭ひとつ抜けている気もしますし、そうした苦労が、何がしか総理総裁になった暁に、生きてくることを願いたいと思います。

Posted by: KYKY | September 12, 2008 at 02:30 AM

揚げ足を取る気はありませんが
麻生氏は総裁選で3度負けています。
その上に衆院選でも1度落選していますね。

Posted by: who | September 13, 2008 at 01:16 AM

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