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September 15, 2008

それぞれの「破釜沈舟」

■ 小沢一郎さんも、「破釜沈舟」の構えを示したということであろうか。
 □ 小沢代表の「国替え」明言=次期衆院選で民主・鳩山幹事長
                 9月14日11時54分配信 時事通信
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は14日午前のテレビ朝日の番組で、小沢一郎代表(岩手4区選出)が次期衆院選で出馬する選挙区について「岩手からは出ない」と明言した。鳩山氏はこの後、記者団に「小沢氏はかねてから自分も背水の陣を敷く。別の選挙区から出ると何度か言っていた」と語った。
 太田昭宏公明党代表の地盤である東京12区に転出する可能性に関しては「これからの公明党との距離感にもよるが、一つの有力な選択肢」と語った。

 何処から出るのか。小沢さんが自ら「刺客」になるということであるから、その倒すべき相手は、少なくとも総理経験者、党代表ということになるのであろう。
 だとすれば、「森の石川、「小泉の神奈川」、「安倍の山口」、「福田の群馬」、そして今後の展開しだいであるけれども、「麻生の福岡」という具合になるのであろう。

 公明党の太田代表の選挙区に乗り込むという説があるけれども、それを本当にやるかどうかは判らない。それは、たとえば、武田軍団が、「織田・徳川連合軍」の信長ではなく家康の首を狙うようなものであるからである。敵方のジュニア・パートナーの首を狙って、どうするであろうか。いっそのことならば、小泉「構造改革」路線の否定を掲げて、神奈川に乗り込むとか、総理に直接引導を渡すべく、(麻生総理ならば)福岡に乗り込むとかぐらいのことをしてくれないと、インパクトはあるまい。まさか、この後に及んで、「やっぱり、岩手から…」という落ちにはならないであろうなと思う。加えて、岩手の元々の選挙区に自分の親族を擁立しようものならば、「結局、引退に向けたセレモニーだった…」という(反応が出てくるであろう。小沢さんにおける「破釜沈舟」の覚悟が、どの程度のものであるかは、こうしたことによって判断されるであろう。
 ところで、冗談のようであるけれども、以前から密かな話題になっていた麻雀劇画『ムダヅモ無き改革』が届いた。
 小泉純一郎元総理をモデルにした劇画である。
 雪斎は、麻雀をしたことがのがないので、麻雀用語のことは判らないいけれども、この劇画は、率直にいえば、「小泉純一郎をネタにして遊んだ」体裁のものである。近年の日本の政治家の中では国際政治の舞台で張り合うことのできた小泉元総理をネタにすればこそ、成立しえた劇画であろう。もっとも、この劇画のなかで、小泉元総理と並んでクールに描かれているのは、ウラジーミル・プーチンと麻生太郎幹事長である。なるほど、この世界では、「閣下」は英雄でなければならないのであろう。こうしたことは、麻生さんにとっては、確かに「資産」である。
 ところで、この劇画で小泉元総理の祖父、小泉又二郎の言葉として語られる台詞がある。
 「本当に強い男とは、必ず勝たなければならない戦に勝てる男のことだ」。
 全編、荒唐無稽な話が続く劇画であるけれども、この台詞は、そのとおりだと思う。
 いずれにせよ、次の選挙は、小沢さんにとっては、「必ず勝たなければならない戦」である。
 おそらく、それは、総裁に選ばれた場合の麻生太郎さんにとっても、同じことである。
 振り返れば、前回の郵政選挙は、小泉純一郎にとっての「破釜沈舟」の選挙であった。
 どちらが、自らにとっての「破釜沈舟」の選挙であることを国民に伝えられるか。
 それが「勝負の分れ目」であろう。

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Comments

小沢代表が他の選挙区から出るというのは
面白い試みですし、楽しみなんですが
小沢代表に続く人は居ないのでしょうかねぇ
鳩山、管、両氏は無理としても野田さん等の
若手の議員の衆議院選挙に懸ける覚悟を見てみたいですね。
小沢代表一人が前のめりな気がしてちょっと
足もとをすくわれそうな気がするんですが。

Posted by: 南の者 | September 15, 2008 at 03:20 AM

う~ん、さりげなく「まさか、そんなことやりませんよね」という形で民主の選択肢を削ろうという魂胆が見え見えの記事でちょっといやらしい感じがしますね。

小沢氏にとって「最後の戦い」だけにルールの範囲内ならあとは外野がとやかく言うべき代物ではないと思います。

Posted by: 一言 | September 15, 2008 at 04:09 AM

小沢さんは例によって、保険のかからない博打が好きですねえ。しかもその宣言を自分でやらずに、鳩山さんに「お使い」させるんですから。

「ムダヅモ無き改革」注文しちゃおうかなあ。

Posted by: かんべえ | September 15, 2008 at 09:28 AM

敵方のジュニア・パートナーの首を狙う作戦は理にかなっています。

戦史にも「城濮の戦い」などあります。
春秋時代、晋軍VS楚(盟主)、陳、蔡連合軍で行われた戦い。数で劣る晋軍は総力を挙げて右翼の陳、蔡勢を攻撃。同盟のよしみだけで参戦していた陳、蔡は戦意も乏しく総崩れとなる。主導権を押さえた晋軍は勢いに乗って楚軍まで撃破し大勝利をおさめる。

孫子のいう「実を避け虚を撃つ」です。ただ、公明党が戦意に乏しいかはわかりません。逆襲に遭ってしまうかも。

Posted by: 理にかなっている | September 15, 2008 at 10:14 AM

■小沢氏が国替えへ=東京12区有力、公明代表の地盤―政権奪取へ決意アピール―小沢総理大臣に関して私の予告?!

こんにちは。そろそろ囁かれる衆院選、それに備えて民主党も着々と手を討っているます。自民党も、総裁選により自民党イメージ戦略を着々と実行しつつあります。もし、民主党が単独与党になることができたら、そのあかつきには小沢総理大臣が誕生することになります。しかし、小沢総理大臣が実現したとしたら、民主党にとって良いことばかりではないと思います。民主党の代表としての仕事(自民党の総裁としての仕事も)と総理大臣としての仕事を一人が掛け持ちすることは、かなりの激務です。最近の政局ではこれを掛け持ちできたのは、変人といわれた小泉さんくらいなものかもしれません。小沢さん持病もあることですから、もし総理大臣になったら小渕さんの二の舞になるかもしれません。いずれにせよ、代表=総理大臣(総裁=総理大臣)という仕事は、いわゆる職務設計では「後家づくり」の職務といわれるような最大の間違いかもしれません。ここでは、長くコメントできません。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

Posted by: yutakarlson | September 15, 2008 at 10:51 AM

ここに来ての小沢さんの背水の陣どうなるのでしょうか? 勝負処故なのか?追い込まれて故なのか?僕 にはよくわからないのですが選挙が始まる頃には何かしら感じとれると思います。ただこの時期のトップに立つのはなかなか大変だと思います。アメリカの大統領選挙や経済問題もあるので… トップになっても頭を悩ませるかもしれません… 昔で言うと幕末から明治の時もそうですが、時代が激しく動く中で政治に携わる方々はかなりエネルギーを使われると思います。この時代にもエネルギー溢れる人にめぐり会えればと思います。

テレビでかんべえ殿をお見掛けしました。少し痩せられた印象でした。

Posted by: へきぽこ | September 15, 2008 at 11:21 PM

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