ネチェシタの意味
■ これで本当に10月解散による総選挙に踏みきるのであろうか。
□ 新たに200万人保険料負担 後期高齢者医療制度 共同通信 9月25日
4月の後期高齢者医療制度導入で、これまで医療保険料を免除されていた人からも新たな保険料の徴収が始まるなど、社会保険料負担が10月から一部で重くなる。
同制度に加入する75歳以上のうち、サラリーマンの子どもらに扶養されていた約200万人も10月から保険料を納付しなければならなくなった。これにより、75歳以上で保険料をこれまで払ってきた人も加え、年金からの天引き対象者は、最大で約325万人増え約1150万人に上る。
さらに65-74歳で国民健康保険に加入している人のうち、新たに約300万人が天引きの対象となると見込まれている。この結果、75歳以上と合わせ、15日の年金受給日に保険料を天引きされる高齢者は、最大約625万人増え約1500万人になる見通し。
また2004年の年金改革に伴い、厚生年金の保険料率は、労使折半でこれまで14・996%だったのが主に10月分の給与から15・350%にアップ。今後も17年度に18・3%で固定されるまで、毎年0・354%ずつ引き上げられる。
要するに、10月15日に「年金天引き 第二弾」が行われるという趣旨の記事である。総選挙の日程が、噂されているとおり、11月初めということになれば、天引きは、選挙開始と同時に行われることになる。このことは、政権・与党には、明らかに逆風となる。そういえば、安倍晋三内閣に引導を渡した昨年の参議院選挙の直前にも、定率減税廃止という実質、増税が行われたはずである。国民負担に関していえば、消費税のことに焦点が集まるけれども、選挙前の時点で、こういう国民負担増の施策が行われていたのである。
だとすれば、麻生太郎総理が、年金天引きで確実に300万人が心証を害した状況で、本当に選挙に打って出るのかは、判らない。
ニコロ・マキアヴェッリの思想の中でキー・コンセプトの一つは、「ネチェシタ」である。「neccesity」と同じ語源の言葉で、「必要性」、「必然性」を「意味する。政治の世界では、いかなる政策であれ発言でああれ、その「ネチェシタ」を考慮しなければ、逆の効果を生む。政治上の営為は、須らく時宜を得たものでなければならないというのは、この意味においてである。
中山成彬さんの発言は、この「ネチェシタ」の観点からしても、おかしなものである。「国土交通相の立場で、日教組批判をやることに、どれだけの『必然性』があるか」と問われれば、首を傾げざるを得ないであろう。
もっとも、中山さん自身は、「いいひと」ではある。中山さんが訴えようとしたことに、共鳴できるところはある。
「(ほぼ、単一民族国家である)日本は、内向きなので、外に眼を向けなければ…」という趣旨の発言は、特にそうである。しかし、それにしても、「必要性」はなかったといえるであろう。
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Comments
中山さんの発言の内容は必ずしも全て間違いでは無いと僕も思います。あの方は今回も文部科学相で良かったのではないかと思います。辞任ですませると言うよりは文部科学相と国土交通相をチェンジ! という訳にはいかないでしょうね… 普段カメラの前で話し慣れてない方は始めから良くも悪くも本音を出し過ぎない方が良いのかもしれません。雪斎殿の仰るように必要性を出して行くと言うのは大切ですが…
Posted by: へきぽこ | September 29, 2008 11:13 AM