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September 06, 2008

「一時の屈は萬世の伸なり」。

■ 自民党総裁選挙は、「志ある人々は総て出る」という雰囲気になってきた、結構なことである、
 昨日の段階で、石破茂、山本一太、棚橋泰文の各氏も出馬の意向を示した。
 これに加えて雪斎は、谷垣偵一さんや中川昭一さんにも出てもらえないかなと思う。
 候補が八人も九人も並んでくれれば、「麻生の次」は困るまい。「スペアは幾らでもいる」ということを示すのは、政党の強さなのである。
 振り返れば、安倍晋三、福田康夫の両氏は、「負けた経験」を持たない政治家であった。「負けた経験」をも持たない故に、その終りは似たようなものであった。
 此度の選挙の結果、確実に五,六人は、「負けた経験」を積むことができる。このことの意味は、小さくない。
 吉田松蔭が野山獄に送られた折、父親が次のように語ったとされる。
 「一時の屈は萬世の伸なり、繋獄何ぞ傷まんや」.。
 ところで、昨日夜、NHKニュースで、石破茂さんが、「経済」に関する持論を語っていた。石破さんは、「軍事」通として以外の別の顔を披露できだ。こうしたことも、出馬することの「効用」であろう。雪斎も、石破さんの出馬は、少し嬉しい、
 話は替わる。「それならば、雪斎は誰を支持するのか」と問われれば、どう答えようか。
 その答えは、「今は、見る阿呆なので…」というものである。
 そもそも、雪斎は、自民党員ではないのである。
 こうしてみると、民主党代表選挙が「小沢氏の無風再選」となるのは、惜しかったというほかはない。
 たとえば野田佳彦さんや枝野幸男さんが出て、「小沢の次は俺だ」とアピールして欲しかったとおおもう。
 民主党は、小沢で負けた場合のことを考えているであろうか。


 

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Comments

二昔前、派閥抗争華やかなりし頃には「総裁選挙は諸悪の根源」として忌避される傾向がありましたが、今じゃ「総裁選挙こそ自民党活性化の切り札」になっている感があります。

Posted by: who | September 05, 2008 10:35 PM

小泉時代に代表を務めたメンバーがいますよ。その中で私は特に岡田さんを押したいですね。
理由はもちろん郵政選挙大敗という強烈な挫折をしているからです。ただ、そのときから成長していることが大前提になります。党利党略で郵政民営化反対を唱え、小泉総理に逆手に取られた件。選挙でも生真面目な演説に終始して、結局何がやりたいのか国民に伝えられなかった件など。
政治は職業の”聖俗”を問えば最”俗”、騙し合いに勝てる力を身につけてほしいです。

Posted by: 民主は岡田さん? | September 05, 2008 11:22 PM

おお、再開されたのですね。また、先生の文章が読めるのはうれしいですね。

総裁選は大変好ましいですね。日本の官僚は優秀なんだろうと思っていますが、しばらくは、特に内政面でリーダーの役割が大きいと思います。アメリカ大統領選挙はやり過ぎと思いますが、最近は党首選挙が楽しみです。

・・・民主党はなんとかなりませんかね。私は棄権もやけくその投票もしない主義なので、現状だと自民党とおおまけして国民新党くらいしか入れるところがないのです。

Posted by: stratosphere | September 06, 2008 05:42 AM

自民のおまつり 民主の無風 これは随分と明暗を分けた感じがします。以前の民主代表は若手が少し顔を出したと思ったら結局もとに戻ったイメージです。 選挙に勝つ前提て頭を決めるもしくは結果を出さなければ代表を下ろされる。政党の脳味噌では的確な判断なのかもしれません。民主に関して言えば若手なりが今回も顔とは言わず頭くらい覗かせて、「うちもいいのが育って来てますよ」くらいのアピールは欲しかったです。
テレビに出てあーだこーだ短い時間でしゃべっているよりもきちんと考えを持って挙手する今回の総裁戦はそう意味でも意義があるように思われます。民主今からまた代表選やってみてもいいかもしれません。多分二番煎じみたいな言い方されるかもしれませんが…無風よりはましかもしれません。

Posted by: へきぽこ | September 06, 2008 09:29 AM

石破さんの出馬は、私も嬉しく思います。
ゆっくりと、論理的な語りは、とても聴きやすくて、私は好きです。

Posted by: 戀。 | September 11, 2008 11:49 PM

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