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September 07, 2008

予備選挙の効用

■ 結構なことである。もっと大々的にやればよろしい。
 □ 全都道府県で予備選=任期途中では初-自民総裁選
                9月6日19時45分配信 時事通信
 自民党総裁選で、全国の47都道府県連が党員・党友投票による予備選を実施することが6日、時事通信社の調べで分かった。同党によると、総裁が任期中に欠けた場合の総裁選で、全都道府県連が予備選を行うのは初めて。党員・党友参加のオープンな形で総裁選を盛り上げ、次期衆院選にもつなげようとの思惑がうかがえる。
 昨年の総裁選では、福島、茨城、群馬、山口、福岡の5県が幹部らの話し合いで支持候補を決めたが、今回は党員・党友参加の予備選に転じた。
 今回の総裁選は、党所属国会議員各1票の387票と、各3票が割り当てられる都道府県連の141票を合わせた計528票で争われる。
 予備選の投票方式に関しては、東京都連や福岡県連など11都県で、1位の候補が3票すべてを獲得する「総取り方式」を採用する方向。得票割合に応じて各候補に3票の持ち票を配分する「ドント方式」は25道府県で行う。「未定」は11県だった。
 党総裁選挙管理委員会は、予備選の結果を22日午後2時からの国会議員の投票前に明らかにしないよう、各都道府県連に指示する。 

 この予備選挙というシステムを、今後は自民党総裁選挙の「基本」型にすることが大事である。全都道府県で予備選挙をやるのは、初めてとのことであるけれども、これを以後の前例にしなければならない。きちんとと党員・党友が総裁選挙で投票できることになれば、これは擬似的な「首相公選」という趣も出てくる。「自分の意見を反映できる」という信頼感が出れば、政治に対する意識も高まってくる。自民党の党勢云々よりも、こうした意識の高まりを促すという効用が、大きいであろう。

 昔日、自民党総裁選挙が醜悪だといわれたのは、その工作の対象が政治家に限られていたからである。相手が政治家であればこそ、カネやポストで釣ったり脅したりという手法が主流となりえたのである。「ニッカ,サントリー、オールドパー…」。凄い隠語である。ただし、一般国民を相手にした工作ならば、そうした手法は使えない。説得の能力が何よりも問われることになるのである。
 さらにいえば、米国で民主、共和両党予備選挙の模様を伝えられれば、日本でも同じことをやってみたいと思う人々は、決して少なくないのではなかろうか。此度の全都道府県での予備選挙は、そうした想いには応えていることになる。
 民主党は、今からでも遅くないから、ちゃんとした選挙をやるようにすべきであろう。ぜひ、河村たかし氏には、でてもらいたいものである。ああいう特異なキャラクターの持ち主は、民主党にとっても貴重なのではないかと思うけれども…。
 それにしても、政治家というのは、大変な仕事である。学者なら自分の専攻する分野に詳しければ、仕事として成り立つけれども、政治家は、総ての分野に関して一応のことが語れなけれならないのである。石破茂さんならば、財政・金融の分野で何を語るのか。与謝野馨さんは、グルジア情勢への対応を、どのように語るのか。それぞれの政治家が、得意とされていない分野で何を語るか。これは注目点である。しかし、政治家は、そうしたことに対応できなければならないのである。
 雪斎が尊敬する多くの政治学者は、政治家の仕事には然るべき敬意を払っているのである。逆にいえば、自分を高みにおいて、政治家に茶々を入れるだけの政治評論の質は、決して高くない。こうした機会には、メディアや言論家も、その質が問われるのだということは、自戒を込めて記しておくことにしよう。

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Comments

今回の総裁選のシステムは風邪通しが少し良くなった感じがするので賛成です。どこかでごにょごにょ話して決まるよりは、話題性もあり関心も集まるので今までとはちょっと違う期待をしてしまいます。雪斎殿の仰るように政治家とは様々な見識や資質が問われる職業であり、自分がその立場になる事を想定して論ずる事が出来ない方々対して残念に思う気持ちもあります。しかし個人的な考えですが大臣になったからにはその分野にもう少し専門的に取り組んで欲しいと思ってしまう方も中にはいました。もちろん時間がかかる事なのですぐ形に表れてくるのは難しいとは思います。だとすると先日のような内閣改造などはどうも解せないのです。素人考えで申し訳ないのですが、 内閣改造という作業について意味があるものなら雪斎殿のお考えを聞かせて頂きたく思います。 長々と失礼しました。

Posted by: へきぽこ | September 07, 2008 at 01:07 AM

予備選挙は30年前から行われていますよ。提唱したのはクリーンを標榜していた三木武夫元首相でした。
ところがいざ実施されてみると、田中派が金と組織力にものを言わせて、ブルドーザー選挙で党員票までかっさらって行ってしまいました。
この結果、予備選挙は総裁選挙を更に醜悪にするものとして、78、82年の2回きりで封印されてしまいました。
つまり昔から予備選挙をやっていても醜悪だったのであり、自民党総裁選挙がいささかでもクリーンになったとすればそれは別の要因によるものです。

Posted by: who | September 07, 2008 at 10:10 AM

ブログ復活 感謝感激です。
政治が面白くなりそうですね。
happy01

Posted by: SAKAKI | September 07, 2008 at 09:34 PM

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