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August 29, 2008

アフガニスタンの凶報

■ アフガニスタンでNGOスタッフが殺害された一件は、まことに残念である。報道から垣間見る限りは、このスタッフは、「善意の日本人」を体現しているところがある。現地住民には、「日本人の善意」は明らかに伝わったはずである。だから、現地住民の手で葬儀が営まれることになったそうである。このスタッフにとっては、「男子の本懐」であろう。
 しかも、このスタッフは、五年余り現地に溶け込んで活動していた「歴戦の勇者」である。大した知識も装備も持たずイラクに乗り込んで結局、何もしなかった過日の「自称、ボランティア」とは質的に異なる、そして、農業技術指導おいうのは、相応の「特殊技術」である。要するに、こういうNGOは、「外交官ができないことを手がけている」のであるl。
 現在の日本は、何でも「国家」や「民族」という枠組に物事を収斂させて語る段階にある国家ではない。色々な人々の「さまざまな活動」が、全体として「日本の魅力」を引き上げているのである。
 にもかかわず、こうした遭難劇が起こると、「自己責任だ」とわめきちらす御仁がいるのは、どういうことであろうか。こういう御仁は、多くの場合、「愛国者」を自称するものであるけれども、そのの姿勢が「多様性の擁護」に裏付けられていない点では、民主主義体制に害悪を及ぼす存在であることは間違いない。現在の自由と民主主義の価値を重んじる日本社会においては、「偏狭さ」こそが最たる敵である。
 かって、勝海舟は、「憂国の士が国を滅ぼす」と語った。それは、現在の世でも何ら変わらない。少なくとも、自称、「憂国の士」などよりは、落命したNGOスタッフの方が、日本人の「声望」を高からしめることに貢献したのは、確かであろうl。
 それにしても、アフガニスタンでも治安悪化がとまらないということになれば、ジョージ・ブッシュの八年の執政は、結局j、何だったのかということになる。

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「国際情勢」カテゴリの記事

Comments

憂国の士と名乗る輩より 世の中に必要なのは 今回のような地域や人を憂い活動される方々だと思います。日本には人を憂い… つまり優という言葉があります。憂国よりまず優しい人でありたいと思います。そうすれば国を滅ぼす憂国の士など生まれてこないだろうと思います。沖縄の方々もそうですが今ある日本の平和や地位がどのような人々の上に成り立っているのか… どのような歴史の上に成り立っているのか… もう一度考え直す良い機会だと思います。そういう意味でもこの件に関しての報道にはもの足りなさを感じます。

Posted by: へきぽこ | August 28, 2008 at 12:16 PM

二度にわたる勝手な書き込みに申し訳なく思います。
今回のような事件…大変残念に思います。治安悪化の中で何かを変えていかなければならないのはとても困難な事だと思います。佐久間象山も新しい文化文明を取り入れ変えていかなければならないと活動されていましたが刃に倒れ生涯を閉じました。 そこに生きる人の為に活動している人が人の手にかかるのはとても残念で仕方ありません。これを自己責任の一言でかたずける人がいるならばその人は僕にとって 論ずるに値しない人 です。このような方々が人前で話す機会が無くなる世の中になる事を期待します。

Posted by: へきぽこ | August 28, 2008 at 12:45 PM

はじめまして  いままで、(ブログを中断される前から)ずっと拝見させていただき、勉強させていただいております。本日の意見は、これまでの諸エッセイの中でも、心の底から、上から下まで、共感し、同意いたします。
なぜ、彼のような者が殺されなければならないのか、アフガニスタンの市民にとっても、日本の市民にとっても、大きな損失であります。これまで、テロリズムにも三分の理があるかと思っていましたが、今回の件ほど、テロリズムを憎らしいと思ったことはありません。
彼のような高い志を持った人がいること(いたこと)、その人が道半ばで倒れたことは、忘れないようにしたいものです。
最後に一点だけ、共感できなかったのは、現地住民の手で葬儀が営まれても、「男子の本懐」ではなかったであろうと思います。彼の本懐は、アフガニスタンが緑豊かな土地になることでありましょう。

Posted by: ぞう | August 29, 2008 at 02:02 PM

>こうした遭難劇が起こると、「自己責任だ」とわめきちらす御仁がいるのは、どういうことであろうか。

こういう遭難劇を日本人非難や詐欺的行為に使ってきた今までの反動が出ているだけでしょう。

NGO活動で犠牲になれば英雄ですが、派遣労働で犠牲になっても何も無しですからねえ。

Posted by: むまきる | September 03, 2008 at 07:27 AM

私もなくなられたに尊敬の念を抱く者ですが、自己責任論もある程度あたっていると思います。

この方の属しているNGOは、憲法9条があれば害されないというのが信条です。そんな事はウソなのは、リーダーも含めて分かっているはずで、実際春には撤退する事を公言していました。にもかかわらず夏に犠牲者を出したのは、リーダーの責任が少なからずあります。そして、なくなられた方もそのような虚構と判断のミスは承知していたはずで、死もある程度は織り込み済みであるべきでした。

大きな声で非難するのは望ましくありませんが、少なくともリーダーは反省しないと、また犠牲者が出てしまいます。このNGOにシンパシーを持つメディアの論調には、自衛隊の派遣が彼を殺した、というものが少なからずあります。そのような表向きの主張自体はどうでもいいのですが、内部ではきちんと行動計画の練り直しをする事を望みます。

Posted by: stratosphere | September 09, 2008 at 05:38 AM

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