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January 30, 2008

一般教書演説と「北朝鮮」ファクター

■ 昨日昼刻、米国大統領一般教書演説の模様を観る。
 この演説からは、二〇〇二年には「悪の枢軸」を構成していた北朝鮮の名前は消えている。
 代わりに、下記のような文言があるだけである。
 America opposes genocide in Sudan. (Applause.) We support freedom in countries from Cuba and Zimbabwe to Belarus and Burma. (Applause.)
 「アメリカは、スーダンにおけるジェノサイドに反対する。われわれは、キューバやジンバブエから、ベラルーシやビルマに至る国々における自由を支持する」。
 アジアでは、「自由」が達成されていないとして言及されているのは、ミャンマーである。「北朝鮮は、どこにいった…」と反応するのは、自然なことである。

 多分、ジョージ・W・ブッシュが大統領として最後の外交得点を挙げるとすれば、それは北朝鮮絡みの話になるのであろう。そうした布石が打たれていることを察知できる記述ではある。
 北朝鮮の「核廃棄」と米国の「対朝テロ支援国家指定の解除」が抱き合わせで発表された場合には、日本政府は、どのように対応するのであろうか。多分、「拉致案件を無視するのか…」と反発するような対応は、採れないであろう。北朝鮮の「核廃棄」が東アジア情勢の安定化に寄与するものであり、日本は、そこから間違いなく恩恵を被るのであれば、その合意を歓迎しないわけにはいかないであろう。日本にとっては、「核・ミサイル」と「拉致」は一体のものであったけれども、米国にとっては、そういうことはない。北朝鮮問題は、米国にとっては、どこまでいっても、「核・ミサイル」に関する話である。小泉純一郎『内閣期に「拉致はテロだ」という想定が流布されたために、、拉致が対朝テロ支援国家指定の根拠であるという誤解が残っている。その誤解から自らを解くことが、日本の人々にとっては大事なことであろう。
 最近、「保守・右翼」知識層が、シンクタンクを立ち上げて、「対朝テロ支援国家指定の解除が、日米関係を悪化させる」という提言したらしい。だが、それは、どういう調査・研究に基づく結論なのであろうか。もし、それが米国政府に対する「牽制」の意味合いを込めた提言であるならば、そうした「牽制」にはたいした意味があるとは思われない。
 国際経済の世界では最近、「デカップリング」論というのが語られている。だが、それは、昔、国際政治の世界では、「ロンドンが核攻撃を受けた場合に、ニューヨークが攻撃されたわけでもないのに、反撃するのか」という文脈で語られた言葉であった。これから日本で議論されなければならないのは、「核・ミサイル」と「拉致」の対北朝鮮政策「デカップリング」の是非である。それは、雪斎が以前から唱えてきたことである。

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Comments

動かざる事山のごとし
拉致が解決するまで 腹を決めて 何もしない
これでよいのでは?

Posted by: s828e | January 30, 2008 at 11:07 AM

私は別に不思議だとは思いませんね。
正直北朝鮮があるから日本を牽制出来るので、彼らが北をやっつけるなど始めからあるはずもない。私としては早くアメリカが北朝鮮に基地を置いたり、北朝鮮の兵士を戦争に狩り出す事でアメリカの戦争で死者が出る事で、アメリカへの憎悪が高まる事を期待していますが、カネを渡せば満足するのが彼らですから、そこまでは行かんでしょう。

拉致問題?北朝鮮以上の拉致やテロを繰り返すアメリカにそんな事非難する資格はないはず。「アメリカの友人」を自認する雪斎さんがそこに気が付かないはずもない。無論イラク戦争後のアメリカの手先になることがプラスかマイナスかはわからないけれど、まあ北朝鮮はアメリカのために血を流す衛星国として頑張るでしょう。

では日本としてはどうするべきか。
まずは憲法9条を北朝鮮・韓国に押し付ける事です。
従軍慰安婦問題など戦前の日本を悪魔と考え、これは朝鮮半島統一後も激しくなるばかりで、半島は反日以外に道はない。中国を憎悪の対象にするのは難しい。

ならば彼らの手を縛るという形で「戦前の日本がやっていた事を全て否定するためにも憲法9条を受けいれ、徴兵制も廃止せよ」と迫ればよい。反日を掲げる彼らは当然否定する。彼らが拒めば「平和の敵」「平和主義を否定するものは悪魔だ」と非難し、さらに9条を世界に広げよとプロパガンダをやればいい。これは今捕鯨で喰らい付いているオーストラリアにも有効でしょう。グリーンピースなども平和団体ですから、これを世界で利用し、外国人たちを分断し、争わせる事は日本にとって極めて有益です。

この「グローバリズム=八紘一宇」の時代に本家本元の我が日本としても何かを手に入れたい。それは国連の常任理事国などといった空証文ではなく、平和主義ファシズムこそが有用でしょう。

Posted by: ペルゼウス | January 30, 2008 at 11:40 AM

こんなオカルティックな妄想をしてみた。

もし天の道理(天道)なるものが有るのなら、自国や支配者の利益の為になした「道」に反した行為は、やがて犯した者に還ってくるであろう。
地球の主を怒らせた者は地球から振るい落されるであろう。

日本は文字通り「ひのもと/霊の本」の道、即、「かんながら」の道を歩みゆくしかないのだ。

Posted by: 笛吹働爺 | January 31, 2008 at 01:05 AM

雪斎さん

おはようございます。ジョージ・W・ブッシュ大統領、最後の議会での一般教書演説ですが、かなり、先行き不安の経済重視でしたね。

北朝鮮問題は、先送りでしょう。日本としてはアメリカ次期政権に期待する他ないのですが、デカップリング(非連続性・切り離し)がどこまで出来るかでしょうね。

韓国も、北朝鮮に強硬に出るとは思いませんしね。

執筆、お疲れ様でした。

Posted by: forrestal | January 31, 2008 at 10:23 AM

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何かというとすぐに某は△△国のスパイだとか、××事変は○○党の陰謀だとか言うのが好きな人がいますが、その伝で云うなら、米国のイラク戦争に一も二も無く賛同し、あまつさえこれに反対するものに反米だなんだとレッテルを貼って罵倒した輩は、間違いなく北朝鮮のスパイ... [Read More]

Tracked on January 30, 2008 at 10:00 PM

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