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December 13, 2007

走らない「師走」

■ 「結局、この様かよ…」というのが、率直な印象である。
 □ 民主の勉強会は逆効果?再議決は合法
 民主党は11日、対テロ新法案の衆院再議決と参院での首相問責決議案提出に関し、学識経験者を招いて勉強会を開いた。決議案提出をにらみ理論武装する狙いだったが、逆に再議決は憲法で規定されており、問責理由に結び付けるのは困難との「解説」を受ける結果となった。
 勉強会は、鳩山由紀夫幹事長、輿石東参院議員会長ら党執行部や衆参両院の国対幹部らが参加。
 衆院法制局出身で大東文化大法科大学院の浅野善治教授は、再議決を定めた憲法59条などの関連法規や過去の再議決事案などを挙げ「再議決は憲法でも法律でも認められている」と説明。問責決議が可決された場合でも、福田康夫首相が参院本会議などに出席することは「法的に支障はない」とした。
[2007年12月11日20時39分]

  雪斎が判断する限り、民主党幹部の思惑通りに「再可決条項」の無理を理論付けてくれる学者などは、「いない」ということである。雪斎も、民主党の「軍師」の立場を得たつもりで、「再可決が駄目な理由」を探ってみたけれども、どうも思いつかない。結局、これは、「スカボローフェア」に出て来る「縫い目のないシャツを作ってください」というのと同じ類の話であろう。それとも、これは、かぐや姫が求めた「蓬莱の玉の枝」、「燕の子安貝」、「仏の御石の鉢」、「火鼠の裘」、「龍の首の珠」と同じ類であろうか。高々、「新テロ特措法案」を潰したいがために、「道理を引っ込めて無理を通そうとするから、こういう羽目になるのである。こうして、民主党の阿呆らしさの印象だけが残るのである。民主党も、いい加減、「自分で自分にダメージを与える振る舞い」をやめるべきであろう。
この記事は、『日刊スポーツ』のものである。勉強会開催が決まった折には、『日本経済新聞』のような一般紙が報じたけれども、この勉強会の顛末は、他の新聞では伝えられなかったようである。「落ち」が余りにも当たり前すぎて、あえて報じる「価値」もなかったということであろうか。
 ところで、民主党筋から最近、聞かれる言葉に「直近の民意」というのがある。参議院選挙という直近の選挙で勝利した民主党が「直近の民意」の代弁しているのであるから、民主党の意向こそが優先されるべきであるという理屈である。しかし、次の衆議院選挙で民主党が過半数を制し得なかった場合、「直近の民意」を代弁していると唱えることができるのは、自民党のほうである。そうなった場合、民主党は、「直近の民意」を代弁しない参議院多数に拠って何をしようというのであろうか。
 民主党は、状況が変われば自分の首を絞めることになりかねない理屈に走り過ぎるのである。 
  「四の字固めを掛けたつもりが、態勢を反転させられて、自分が痛い目に遭っている」。今の民主党には、そうしたプロレスラーの風情が漂っている。ちゃんと先を見て、布石を打ってもらいたいものである。

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Comments

しかし以前テレビで見てたら「いざとなれば衆議院の優越でテロ特措法は可決されるのだから、我々に責任を押し付けるのは心外」とか言ってたのですから、わけが分からない。一体民主党はテロ特措法に賛成なのか反対なのか。それでいてアフガンに兵を送ると言ってるのでは反戦でもない。こんなわけのわからん野党というのも珍しい。

ところでいよいよ豪州、兵を送ると宣言しましたね。私は捕鯨の廃止だの伝統の保護など関心はありませんが、ラット首相が気に食わなければ兵を送ると言う思想の人間だという事は大きな問題であり、何か事あるごとに「兵を送る」という亡国の首相だと考えていましたが、その予感は当たりましたね。
徳川綱吉のような人間が豪州の首相になったわけで、雪斎さんがおっしゃるイデオロギーなどどうでもよいどころかイデオロギーこそこれから重要、まさに「感情を勘定に置き換える」どころか「勘定こそ感情」の時代に突入したと言うべきでしょう。

同じ人間だという事は同じ人間ならば同じように考え、同じように行動し、同じように生きろという事になり、人間は兄弟だという言葉は俺は兄でありお前は弟、弟は兄の命令を聞けという事になる。そういうグローバリズムの時代にどう対応するのか。民主党も自民党も答えられない。

この豪州のジョージ・ブッシュにどう答えるか。
憲法9条の押し付け以外に策はないでしょう。向こうが環境ファシズムなら、こちらは平和主義ファシズムで対抗する。そういう謀略でも民主党からは聞きたいものです。

Posted by: ペルゼウス | December 14, 2007 at 11:32 AM

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