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November 22, 2007

阿部寛結婚をネタに考えた話

■ 雪斎の議論からすれば異例であるけれども、「芸能ネタ」から始まるエントリーである。
 □ “平成の視聴率男”阿部寛が結婚で狙う「もう一つ上」
             11月21日17時0分配信 夕刊フジ
 「最後の大物独身俳優」といわれてきた俳優、阿部寛(43)が、15歳年下の元OL(28)と、ついにゴールインした。平成の視聴率男として、各局のドラマに引っ張りだこの人気俳優は、結婚で「もう一つ上」を狙う。
  …
 結婚を機に、幅を広げてきた俳優は多い。阿部の上には、人気、実力とも現在トップクラスの“中年俳優四天王”といわれるベテランが壁となって立ちはだかっている。佐藤浩市(47)、真田広之(47)、中井貴一(46)、渡辺謙(48)の4人で、いずれも妻帯者か、結婚経験者だ。
  …
 芸能評論家の肥留間正明氏は阿部が結婚したタイミングについて「理想的だよね。今は40代前半が男の結婚適齢期。働き盛りで、男盛り。役の幅も広がり、ファミリー的なCMも増えるだろう。内助の功が大きなプラスになる」と話す。

 気になったのは、紹介されていた「理想的だよね。今は40代前半が男の結婚適齢期。働き盛りで、男盛り」というコメントである。「今は40代前半が男の結婚適齢期」というのは、本当であろうか。それが本当ならば、何故、男性の「結婚適齢期」が「四十歳代前半」になったのであろうか。昔、「女性の結婚適齢期クリスマス・ケーキ説」というのがあったと記憶するけれども、男性については、どうであったのであろうか。「女性の晩婚化」の事情は、様々に語られるけれども、「男性の晩婚化」の事情は、あまり語られていないと思われる。
 もっとも、雪斎を含む、雪斎の周囲には、「独身」は多い。
 結論からいえば、二十歳代、三十歳代は、「不安」なのである。しかも、今は、昔と違って四十歳代、五十歳代に確実に「安定」を手にしているという予測も、立てにくい。故に、自分の「地盤」を固めきったと判断できる年齢にならないと、どうも家庭を持つという選択に踏み切りにくい。「主夫」という考え方もあるけれども、家庭を運営の第一の責任は、男性のほうにあるのが常識なので、その「責任」を真面目に実感している人物ほど、先延ばしということになるのであろう。
 昨日のエントリーの中で紹介したけれども、現在の「社会保障目的」税制の文脈で語られているのは、専ら「年金・医療・介護」に絡む財源としてである。
 しかし、「消費税を上げて、子育てと教育に関わる費用に充当する」という議論が何故、出てこないのかは不思議である。二十歳代、三十歳代に、こういう費用負担に関わる不安を払拭すれば、早期に結婚して子供を成そうという人々は増えてくるのではないか。これに関する費用に幾ら掛かり、それは消費税幾パーセントに該当するのか。こうした試算を雪斎は見てみたい気がする。
 加えて、現在、「ファミリータイプ」呼ばれている3LDK型のマンション仕様を4LDKにして一世帯あたりの「居住空間」を増やすことである。無論、価格は上がらないようにすることを考える。
 こうした手当てを真面目に考えなければ、多分、若いうちに家庭を持とうという「動機付け」にならないような気がする。
 阿部寛さんは、NHKスペシャル大河ドラマ『坂の上の雲』で主人公である伊予・松山三人衆の一人、秋山好古を演じることが決まっているそうである。俳優として「後世に遺せる作品」に出演する時期と家庭を持つ時期が重なったということであろう。大いに嘉したいものである。
 そういえば、古来、男にとっても、「妻を娶る」のは、人生における「喜び」のひとつであった。
 藤原鎌足の歌にもある。「内大臣藤原卿 采女安見児を娶きし時作る歌」とある。
 「われはもや安見児得たり皆人の得難にすとふ安見児得たり」 (私は安見児を得た、皆が手に入れられないと言っていたあの安見児を得たのだ)。
 雪斎も、「精進」しよう。もっとも、雪斎は、別に、「障害者は結婚して家庭を持てるのか」という近代日本特有の問題をクリアしなければならないけれども…。

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Comments

> 昨日のエントリーの中で紹介したけれども、現在の「社会保障目的」税制の文脈で語られているのは、専ら「年金・医療・介護」に絡む財源としてである。
> しかし、「消費税を上げて、子育てと教育に関わる費用に充当する」という議論が何故、出てこないのかは不思議である。

結局、老人向けの福祉にばかりお金が使われてしまっていて、新たな世代へは回っていないということですよね。
何故そうなのかちょっと考えてみたのですが、老人向けの福祉予算を削ってしまうと、十分な医療が受けられなかったり、まともに物が食べられないために亡くなってしまう人がどうしても増えてしまうと思います。そのような例が増えると、世間やマスコミがそれを問題にして、「政府は何をやってるんだ」と批判するため、政治家や官僚もそのような批判を避けるために老人向けの福祉予算を思い切って削減できないのでしょう。そのしわ寄せが新たな世代に行ってしまうのでしょうね。
昔は寿命が短かったため、みんな「人間70年も生きたらもう十分」と考えて、それほど老人福祉を要求しなかったのでしょうが、今は社会全体が人間の「死」というものをなかなか受け入れられなくなっているのでしょうね。
というように、ちょっと非道な考え方をしてしまいました。w

Posted by: Baatarism | November 22, 2007 at 12:44 PM

40代が男盛りの適齢期とは・・
小生・・20代で結婚し、子宝に恵まれ、あとは枯れ行くばかりと半ば諦めの境地にありましたが、ちょっと元気が出てきました。阿部寛ちゃんがモデルの手編みセーター集から手編みの逸品をプレゼントしてくれたのが、今の嫁さんです。
  老人や障害者福祉は、実は「他人任せ」「カネ出せばいい」という感覚があるのか、共感も得られやすいのですが、少子化対策は多くの国民個人の生活様式に変化を求めるものでもあり、何らかの義務を課すようで、重く感じるのではと思います。妙案も無く票にならないんですよね。
 カネのかかる教育、休めない会社、なかなかもって難しい問題だと思います。

Posted by: SAKAKI | November 22, 2007 at 10:44 PM

雪斎さん

こんばんは。

40代を一般化することはできませんが、晩婚化の傾向としてそのようなデータが出ているのでしょうね。

ただ、安心/不安というのは上手いレトリックで、この議論をしだすとキリがないように考えます。個々人の状況、認識が異なりますから。

ただ、最初のデータの話に戻れば、何らかの試算に基づいた「安全」に対するリスクの回避への傾向なんでしょう。希望格差社会に対する漠然とした不安の回避もその一要因でしょうね。

それにしても四天王は、さすがの俳優揃いですね。私は、真田広之さんが一番好きですけど。

Posted by: forrestal | November 23, 2007 at 12:55 AM

高齢者人口の比率が高まれば、当然、有権者に占める高齢者の比率も高まる。言い方は悪いですが、いまの高齢者は元気でヒマもあるし、財力も備えている。政治に関わる余裕もあります。一方で、子育てしている世代は、忙しくて、政治に関心を向けるヒマはありません。
ということで、政治がどうしても高齢者の方を向いてしまうのは、ごく自然な流れなんでしょう。日本の政治に「高齢者バイアス」がかかり、「老後の不安」ばかりに政治が動かされてしまう、といったことが、雪斎先生ご指摘のような「次世代育成ビジョン」欠如につながているのではないでしょうか。

Posted by: うめもと | November 23, 2007 at 01:44 AM

晩婚化といいますが、江戸時代の商家の奉公人なんて40代、50代で暖簾わけしてもらって初めて嫁さんをもらうのが普通だったように思いますが。。

Posted by: ある | November 23, 2007 at 06:42 AM

いま現在の日本人の平均年齢は44.0歳、有権者の平均年齢は51.6歳です。色々な話はあると思いますが、単にこの数字を考えただけでも、政治が高齢化シフトするのも仕方ないか、と絶望的になります。

(総務省統計局の2007年11月人口推計値を使い、0~4歳は2.5歳、5~9歳は7.5歳、として計算してみた数字です。これ、私が初めて計算したときからみても急速に向上しました。ため息)

Posted by: forsterstrasse | November 27, 2007 at 05:54 AM

暴論の極みだが、団塊の世代から上の選挙権を10年くらいいっそモラトリアムをすべきだ。

そうしないと、高齢者の我田引水で日本は滅びるしかなくなります。

Posted by: あかさたな | December 15, 2007 at 10:28 PM

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