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November 30, 2007

馬鹿の四乗

■ 「大本営・総軍(南方軍)・方面軍・第15軍という馬鹿の四乗がインパールの悲劇を招来したのである」。
 戦時中、インパール作戦時の第三十一師団長であった陸軍中将・佐藤幸徳が遺した言葉である。
 


 

 参議院民主党が「全会一致」の慣例を破って額賀福志郎大臣の証人喚問を議決したことには、雪斎は戦慄を覚えた。

 □ <額賀氏宴席同席疑惑>アワー氏、会見し同席否定
           11月29日22時11分配信 毎日新聞
 額賀福志郎財務相の宴席同席疑惑で、宴席の主賓とされる米国防総省元日本部長のジェームズ・アワー米バンダービルト大教授が29日、自民党本部で記者会見し「何人かの人が来たが額賀氏は来ていない。額賀氏と何度か面会したが、いずれも国会か防衛省の執務室で、夕食、昼食、朝食を共にした記憶はない」と額賀氏の同席を否定した。
 アワー氏は昨年12月4日、財団法人・国際研修交流協会の幕田圭一理事長(東北電力会長)の招待で宴席に出席したと説明。守屋武昌容疑者が、アワー氏と額賀氏が同席したと証言したことについては「私には分からない。守屋氏に聞いてもらいたい」と述べるにとどめた。会見は自民党の要請で行われた。【竹島一登】

 □ <額賀氏喚問>混迷深まる…民主、窮地に
        11月29日21時58分配信 毎日新聞
 額賀福志郎財務相と前防衛事務次官の守屋武昌容疑者への証人喚問をめぐり、共産党が29日、野党だけでの議決について「全会一致を貫くべきだった」(穀田恵二国対委員長)と誤りを認めたことで、与党側は「当然だ。民主党は拳を下ろして喚問を延期せざるを得ないだろう」(参院自民党幹部)と勢いづいている。額賀氏と防衛専門商社元専務の宴席同席問題をめぐる証人喚問の行方は、守屋容疑者の逮捕も重なり、混迷してきた。後略…。

  何故、証人喚問に「全会一致の議決」が必要とされたかといえば、それが多数党の恣意によって行われるのを防ぐためである。もし、多数党の都合で証人喚問を行うようになれば、少数党の立場が危うくなる。自民党の中には、「こうなったら、小沢一郎を喚問だ」と息巻く向きがあるけれども、そうしたことがまかり通るようになれば、日本の政党政治が機能しなくなるのである。こういう危険な前例を参議院民主党は作ってしまった、唯一の「確かな野党」である共産党が反省したのも、当然であろう。そもそも、額賀喚問の根拠も確かとはいえないのであるけれども、次の『読売』記事は、そのことを暗示している。

 □ 「単純収賄は成立する」守屋前防衛次官、逮捕前に語る
24日、読売新聞のインタビューに答える守屋前次官 収賄容疑で逮捕された前防衛次官の守屋武昌容疑者(63)は今月17日と24日、自宅で計約7時間、読売新聞の単独取材に応じた。金銭受領や宮崎容疑者への便宜供与を否定する一方、接待については「単純収賄は成立する。脇が甘かった」と逮捕を覚悟した様子で、時折、目に涙を浮かべた。
 中略。
 ――証人喚問で、宮崎容疑者との宴席に同席した政治家として、額賀財務相、久間章生・元防衛相の名前を出した理由は。
 「『(記憶が)間違っていることもある』『ご迷惑をかけたくない』と言ってきた。でも、『言え』って話だから。(額賀財務相らが)『行っていない』って言うから、間違っていたんじゃないかと今度は不安になった」。後略。

 守屋前次官も、自分の証言には自信を持っていないようである。
 それにしても、「『言え』って話だから」という前次官の言葉は、何を意味しているのであろうか。
 「記憶が曖昧なままだけれども、他の誰かから、『額賀大臣らが同席したと証言しろ』と求められた」という意味であろうか。
 もし、そうであるならば、その「「誰か」の正体は何であろうか。
 特定の具体的な人物なのか。それとも、「額賀同席証言」を期待する世の雰囲気であるのか。
 誠に奇妙な話である。
 「馬鹿の四乗」という言葉は、佐藤中将における「陸軍の雰囲気」批判である。往時の陸軍には、インパール作戦の失敗を口に出す雰囲気はなかった。
 今、民主党に、「とにかく、自民党の足を引っ張れ」という雰囲気があり、その雰囲気の中で現在の事態が続いているのであれば、幾多の民主党議員が「馬鹿の四乗」を構成するかもしれない。民主党の中から、「いい加減にしろ」という声は出てこないのであろうか。

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Comments

おはようございます。
今の世の中、あまり馬●と言ってはいけないようなんですが(^^;
証人喚問で追求しようと言う相手に、電話で情報提供をお願いする民主党は●鹿としかいいようがないですねえ。
読売のインタビュー記事には、さすがにショックを受けているようですが、後の祭り。

>「『言え』って話だから」という前次官の言葉は、何を意味しているのであろうか。

これは証人喚問の時の次のやりとりを指すのではないでしょうか。

浅尾氏「証言のなかで、何事も包み隠さずと言った。政治家の不正確なら、誰々だと思うとつけて結構なので2人の名前を挙げてください」
守屋氏「まあ、あの私の記憶が間違っていたら大変なご迷惑をおかけするので、わたしの気持ちとしては、軽々に申し上げられない」
浅尾氏「包み隠さずという宣誓と異なるのでは」
守屋氏「それでは申し上げますが、久間先生と、あの、額賀先生ではなかったかと思っております」

後は、あのメール問題の時と同じで、さも確証があるかのように国会で追求してしまったので引くに引けず、「証人喚問さえ決めればタレコミ情報があるだろう」という淡い期待にすがっているのが現状ではないかと。
まさに、突撃すれば神佑天助があると考えていたインパール作戦そのものですね・・・。

Posted by: 板倉丈浩 | November 30, 2007 at 06:24 AM

板倉丈浩殿
>今の世の中、あまり馬●と言ってはいけないようなんですが(^^;
 あ、これは失礼しました。佐藤中将の言葉からの引用ですけれども、不味かったでしょうか。
 これだけ確度の怪しいネタで証人喚問とは・・・、と思います。

Posted by: 雪斎 | November 30, 2007 at 06:56 AM

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007113002068524.html
まぁ、民主党お粗末というよりほかないですが。
与党の強行採決をさんざん批判してきたんだから、そもそも今回の議決はあまり印象がよろしくない。結局同じ穴の狢かばーか。くらいにしか思われてない。

「これに対し、自民党は野党単独で決定した今回の証人喚問を、全会一致で議決する慣例を無視しており無効だと主張。」
慣例を無視したから無効っていう言い草もどうかと思いますけどね。議決は議決で有効でしょう。強行だろうとなんだろうと。
全会一致じゃないと実質的な効果はないよ、この状況で証人喚問やっても嘘言い放題だから意味無いよ、っていう意味で「無効」っていったのなら、まぁ、そうですよね、くらいのことですけど。

Posted by: AnonymousCoward | November 30, 2007 at 10:29 AM

見送り決定
やれやれ

Posted by: AnonymousCoward | November 30, 2007 at 03:05 PM

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