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November 01, 2007

パイレーツ・オブ・ソマリア

■ 二日前のエントリーの続きである。あの海賊事件は、どうなったのか。
□ 北朝鮮の貨物船乗っ取り ソマリア沖でまた海賊 '07/10/31
 【シンガポール30日共同】国際海事局(IMB)海賊情報センター(クアラルンプール)に三十日入った情報によると、アフリカ東部ソマリア沖で、北朝鮮の貨物船が海賊とみられる集団に乗っ取られた.

 IMBは北朝鮮政府や現場海域をパトロールしている米軍など多国籍軍の海軍と連絡を取り合っている。現場では救助に向け「大掛かりな作戦」(IMB幹部)が展開されているという。
 フランス公共ラジオが治安当局者らの話として報じたところによると、貨物船は二十二人が乗り組み、首都モガディシオの沖合に停泊中、地元部族の武装集団に乗っ取られた。犯人側が身代金を要求しているとの情報もある。
 ソマリアでは無政府状態が続いており、同国沖では二十八日にも日本の海運会社(東京)が管理、運航するケミカルタンカーが海賊とみられる集団に乗っ取られ、韓国人乗組員ら二十三人の消息が不明となっている。
 IMBの集計によると、ソマリアでは今年一~九月に、未遂も含め二十六件の海賊事件が発生、前年同期の八件から急増している。

  □ 海賊船に発砲、ヘリ発進 米軍がソマリア沖で大捕物 '07/10/31
 【シンガポール31日共同】海賊事件の相次ぐソマリア沖で、米海軍が駆逐艦などを繰り出して海賊制圧作戦を展開していることが米海軍の発表で三十一日、分かった。日本の会社が運航するケミカルタンカーを乗っ取った海賊の船は米艦の発砲で炎上。北朝鮮貨物船にはヘリコプターが発進、負傷者を救助した。
 米海軍などによると、二十八日、ドーヴァル海運(東京)が運航するケミカルタンカー「ゴールデン・ノリ」(六、二五三トン)の救難信号を受け、誘導ミサイル駆逐艦「ポーター」が現場に急行、海賊の小型船に二五ミリ砲を数回発砲、炎上させた。タンカーには韓国人ら二十三人が乗り組んでおり、米海軍などは監視を続けている。
 三十日には、国際海事局(IMB)海賊情報センター(クアラルンプール)から、北朝鮮の貨物船「ダイ・ホン・ダン」が乗っ取られたとの連絡を受け、現場から約九十キロの海域にいた駆逐艦「ジェームズ・E・ウィリアムズ」が現場に向かい、海賊に武器を置いて投降するよう無線で命じた。
 その際、乗組員が海賊に抵抗して船を奪還し駆逐艦に医療支援を要請、駆逐艦はヘリで重傷の乗組員三人を収容するなどした。乗組員は、奪還の過程で海賊二人が死亡し、五人が拘束されたと話している。
 ソマリア沖などでは米英などの多国籍海軍が海上治安作戦としてパトロールを行っている。

 要するに、日本企業所有タンカー襲撃の翌日に、北朝鮮貨物船が襲撃される別の事件があった。米軍は、駆逐艦を使って二つまとめて片付けたという話である。日本タンカーを襲った海賊は、船が米軍の攻撃で沈められた。北朝鮮貨物船を襲った海賊は、乗組員の返り討ちに遭った。これが顛末である。
 こうした海賊対処の活動を「補給」で補完するのが、何故、「戦争加担」なのか。現状は、「海事警察」に近いことが行われている。軍隊が派遣されれば、そこで行われることは、総て「戦争」なのか。
 それにしても、現場では、北朝鮮船舶が米軍に対して救助を要請し、それに米軍が応えているのである。多分、表向き、北朝鮮政府が米国に「謝意」を表することはないと思うけれども、水面下では、それに近いことが行われるのであろう。もしかしたら、こうした一つのことが、米朝接近を更に促す材料になるかもしれない。物事を動かすのは、ほんの些細な出来事である。
 ここで、色々な可能性の一つを考えてみる。「もし、北朝鮮がインド洋上オペレーションに参加していたら、日本は北朝鮮艦艇に給油をしたのであろうか」。日本の給油活動が再開された後、米朝関係が好転すれば、北朝鮮が艦艇をインド洋に派遣するなどが絶対にないと言い切れるのか。その折に、「拉致」で日朝関係だけが取り残されていたとすれば…。故に、「あり得ない」などとは、考えてはいけない。十数年前には、補給活動それ自体が、「あり得ない」話であったのである。ヘンリー・キッシンジャーが語ったように、国際政治を視る原則の一つは、「『決してない』とは決して言うな」(Never say "never".)である。

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