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November 16, 2007

幕間の一言

■ 此度の身体状況に付き、色々とお見舞いを頂いています。。読者各位に謝意を表します。
 現在、平常の執筆作業を含む九割方の作業を停止しております。
 大学の授業も来週は総て休講にして、養生専一にするつもりです。
 依って、作業の本格的な再開は、今月最終週以降になると思われます。

■ 報告だけだと読者各位に「思考の材料」を提供するという拙ブログの目的を果たせませんので、一言だけ書きます。

 「柔よく剛を制する」。
 日本の「柔の道」の意味をを説明するのに、広く知られた言葉である。
 この言葉は、元々、古代中国兵法書『三略』の冒頭に登場する言葉である。
 「軍讖に曰く、『柔よく剛を制し、弱よく強を制す』と。柔は徳なり、剛は賊なり。弱は人の助くるところ、強は怨の攻むるところなり。柔は設くるところあり、剛は施すところあり、弱は用うるところあり、強は加うるところあり。この四つのものを兼ねて、その宜しきを制す」。
 「端末いまだ見れずんば、人よく知るなし。天地は神明にして、物と推移し、変動して常なし。敵によって転化し、事の先とならず、動けばすなわち随う。ゆえによく無疆を図制し、天威を扶成し、八極を康正し、九夷を密定す。かくのごとく謀る者は、帝王の師たり」。
 政治家にとっての資質は、状況に機敏に対応するための「柔」である。「駄目なものは駄目」という姿勢くらい、非「政治」的なものもない。そうした硬直した姿勢を「信念や理念に忠実」などと称揚する向きもあるかも知れないけれども、「信念や理念に忠実」に振る舞いたい御仁は、宗教家にでもなればよろしい。
 ところで、福田康夫総理が訪米し、日米首脳会談に臨む。日米関係に絡む雰囲気は、以前とは、かなり異なる。紛れもなく、「天地は神明にして、物と推移し、変動して常なし」である。福田総理には、是非、「柔」を発揮してもらいたいものである。今、「給油活動の継続」ということばかりに眼が行っているけれども、米国にとっての現下の懸念材料は、「サブプライム・ショックに伴う経済失速」であるはずである。こうした経済案件に対して、日米両国の「協調」を打ち出せるか。これは面白い着眼点ではあると思う。

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「学者生活」カテゴリの記事

Comments

雪斎さん

こんばんは。サブプライムの大手の赤字はまだまだ出てきそうですね。イギリスにも飛び火してますし。かなりアメリカ経済の不安定化が、株価など下げてますね。外交・軍事的なことばかりでなく経済において、危機にどれだけ協調できるかは、実際、ハードの協調よりも深刻かつ難しいですが、日本がここで協調していく意志表示ープロセスー結果(ここはあまり重要ではないのですが)、それがアメリカが仮に次期、民主党政権になっても、日本を重要視せざる得ない要因を作り、関係強化に繋がります。結局は日本の対応次第なのですが・・・。

福田総理の体調面が心配ではありますが・・・。

雪斎さんもゆっくり「休養」されて、好きな音楽をたくさんお聴きください。急に寒くなりました。風邪などひかれぬようご自愛ください。

Posted by: forrestal | November 16, 2007 at 11:43 PM

こんにちは。
体調がすぐれないご様子、くれぐれもご自愛くださいませ。
他の方のコメントにもありますが、とかく気が滅入るようなニュースばかりなので、静養されるなら、好きな学問や音楽の世界に浸るのもいいかもしれませんね。
「現実」「現場」を重視して優れた見識を披露されている雪斎さんにとっては、なかなかそうはいかないでしょうけど。

しかし、例の慰安婦決議以来、日米関係は少しずつ良くない方向に進んでますねえ。
内政の混乱で、基地や牛肉のような比較的軽い案件ですら解決の見込みが立っていません。
北朝鮮のテロ支援国家指定解除にしても「テロとの戦いから脱落した国に何で配慮する必要があるのか」と言われてしまえば返す言葉もないわけで・・・。
特に民主党の「反米」は本気ではなく政権奪取のための戦術なんでしょうが、給油転用問題で容疑者扱いされていることも含め、米国側に相当な不快感を与えているのは間違いないでしょう。

表面には出てきませんが、日米首脳会談で真に重要なポイントは集団的自衛権の件だと思います。
なにしろ、安保条約には日本の防衛義務について具体的な定めはありませんし、日本は北朝鮮に対して手も足も出ない状況にあるわけですから、日本国の責任者としては、常に米大統領の言質をとっておかないと安心できません。
一方で、日本側の集団的自衛権の行使容認については「もう少し待ってくれ」と言うしかないわけで、どこまで信頼してもらえるか厳しい状況にあります。
安倍さんはこの同盟維持のプレッシャーに耐え切れませんでしたが、福田さんはどうでしょうか?
そんなに忍耐強い人ではないようなので(短気だとか)、心配です。

お見舞いの書き込みで悲観的な意見を書いてしまいました。すみません・・・。

Posted by: 板倉丈浩 | November 18, 2007 at 01:04 PM

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