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November 30, 2007

馬鹿の四乗

■ 「大本営・総軍(南方軍)・方面軍・第15軍という馬鹿の四乗がインパールの悲劇を招来したのである」。
 戦時中、インパール作戦時の第三十一師団長であった陸軍中将・佐藤幸徳が遺した言葉である。
 


 

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November 29, 2007

ベーゼンドルファー

■ 昨日付『日経』に載っていた記事である。
 □ ヤマハ、オーストリアのピアノメーカー買収で合意
 【ウィーン=桜庭薫】ヤマハが著名な高級ピアノメーカーであるオーストリアのベーゼンドルファーを買収することで27日合意した。複数の交渉関係者が日本経済新聞記者に明らかにした。買収額は推定で1500万ユーロ前後(約25億円)で、28日にベーゼンドルファー側がウィーンで発表する。ヤマハはグループのブランド力を高め、課題だった超高級市場の攻略に乗り出す。
 ベーゼンドルファーは現在、米系ファンドのサーベラスの傘下にある。ヤマハはベーゼンドルファーの全株式を取得する方向で最終調整する。(07:00)

 「ベーゼンドルファー」は、音楽に少しでも興味のある人々ならば、その名を知るピアノ・メーカーである。「鍵盤の獅子王」と呼ばれたウィルヘルム・バックハウスは、「ベーゼンドルファー」しか弾かなかったという逸話があるそうである。故に、何分、値段が高い。最も安い「汎用品」ですら、五百万円程度だし、コンサート用のものだと二千百万円くらいにはなる。そうしたピアノ・メーカーの「最高級ブランド」を手に入れたのだから、ヤマハも「よい買い物」をしたのかもしれない。変なことをして、「ベーゼンドルファー」のブランド価値を損ねるような真似だけは、避けてほしいものである。
 因みに、「ベーゼンドルファー」は、ラウド・スピーカーも製造している。「物欲」には淡白である雪斎が唯一、「これは欲しい」と思っているモノである。
 ただし、このスピーカーは、雪斎の自宅には置けない。防音室を備えた別宅を構えなければ置けそうにはなそうである。 
 とすれば、早く「ミリオネア」にならないと実現しそうにない話なのである。
 只今、ニューヨークでは、ダウ平均株価が三百ドル以上も上昇している。
 とりあえず、十月半ば以降の「株価低落局面」は、収束に向かうのであろうか。それにしても、長かった。

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November 27, 2007

豪州の転機・続

■ 昨日に続き、日豪関係を題材にして考える。
 □ 保守連合、上院も過半数割れ=労働党は少数政党の協力必要に-豪総選挙
                    11月26日17時1分配信 時事通信
 【シドニー26日時事】24日のオーストラリア下院選挙と同時に行われた上院選挙(定数76、改選議席40)は26日、与党保守連合(自由党、国民党)が改選前から2議席減らして37議席となり、過半数を割り込む見通しになった。下院では大勝して単独過半数を確保した労働党も、上院は32議席にとどまり、法案の成立には少数政党の協力を求める必要がある。 

 結局、「ねじれ議会」の運営に苦労しなければならないのは、ラッド新政権も同じのようである。昨日、日経CNBCのニュースを視ていたら、ラッド新首相は来年初に米国を訪問するとの報が流れてきた。「結局、『安倍』が『福田』に代わっただけのことだな…」と率直に思う。たとえイラク戦争対応に濃淡の差があるにせよ、またラッドの「親中派」ぶりが喧伝されたとしても、ANZUS同盟の重要性は何ら変わらない。

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November 26, 2007

豪州の転機

■ 確かに、国際政治の世界は 絶えず転変する。
 □ <オーストラリア>総選挙 ハワード長期政権に国民「飽き」
                 11月24日22時10分配信 毎日新聞
 【シドニー井田純】24日行われたオーストラリア総選挙は、野党・労働党が11年ぶりに政権を奪回した。次期首相となるラッド労働党党首(50)は「変化」を求める有権者の審判を受け、イラク駐留部隊の撤退など独自色を発揮するとみられる。ハワード首相(68)にとっては、長期政権に対する国民の「飽き」に加え、米国との「近すぎる」関係も敗因となった。
 …中略
 また、経済成長優先の立場から米国と同じく京都議定書の批准を拒否したハワード首相に対し、労働党は批准を公約。豪州を襲った記録的な干ばつ被害で国民の環境問題への意識が高まる中、首相の拒否はマイナスに作用した。国民1人あたりの温室効果ガス排出量で米国と1、2位を争う豪州が政策転換に踏み切れば、「ポスト京都議定書」議論に影響を与えることになる。
 外交面でもラッド氏は「独立した外交政策」との表現を用い、ハワード政権の対米追随路線の転換を主張し、支持を広げた。労働党は、イラクとその周辺に展開する約1500人の豪軍のうち戦闘部隊550人を撤退させる方針を示している。
 ラッド新政権は、米国との同盟関係を維持しつつ、中国などアジア諸国との関係強化を図っていくとみられる。対日外交については、積極的な発言を繰り返したハワード首相に比べ、ラッド氏は控えめな印象を与えている。3月に調印した日豪安保共同宣言の枠組みについても、現状維持の消極的な姿勢に転換するとの見方が強い。

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November 23, 2007

SHMーCDを聴いてみる。

■ SHM-CD というのを御存知であろうか。
  これを売り出した会社の説明は、下のようになっている。
 □、SHM-CDについて(ユニバーサル ミュージック)
CD発売から25年、様々な形で音質の向上を目指した商品が開発されてきましたが、今回、ユニバーサル ミュージックと日本ビクターの共同開発により、新素材による高音質CDを発売します。
通常のCD素材とは別種のポリカーボネート樹脂系を使用することにより、さらに透明性を向上させた、新たなCDの誕生です。
SHM-CDの品質特性
・通常のCD素材とは別種のポリカーボネート樹脂系で透明性を向上、さらに優れた光学特性を兼ね備えている。
・特に円周方向の複屈折特性に優れており、高流動性、高転写性でDISC成形に適した素材となっている。

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November 22, 2007

阿部寛結婚をネタに考えた話

■ 雪斎の議論からすれば異例であるけれども、「芸能ネタ」から始まるエントリーである。
 □ “平成の視聴率男”阿部寛が結婚で狙う「もう一つ上」
             11月21日17時0分配信 夕刊フジ
 「最後の大物独身俳優」といわれてきた俳優、阿部寛(43)が、15歳年下の元OL(28)と、ついにゴールインした。平成の視聴率男として、各局のドラマに引っ張りだこの人気俳優は、結婚で「もう一つ上」を狙う。
  …
 結婚を機に、幅を広げてきた俳優は多い。阿部の上には、人気、実力とも現在トップクラスの“中年俳優四天王”といわれるベテランが壁となって立ちはだかっている。佐藤浩市(47)、真田広之(47)、中井貴一(46)、渡辺謙(48)の4人で、いずれも妻帯者か、結婚経験者だ。
  …
 芸能評論家の肥留間正明氏は阿部が結婚したタイミングについて「理想的だよね。今は40代前半が男の結婚適齢期。働き盛りで、男盛り。役の幅も広がり、ファミリー的なCMも増えるだろう。内助の功が大きなプラスになる」と話す。

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November 21, 2007

「せこい正義」の害悪

■ ちょっと気懸かりな話である。
 □ 強まる増税色 政府税調答申、実施時期など不透明
               11月20日21時6分配信 産経新聞
 20日に取りまとめられた政府税調答申は増税色の濃い内容となったが、政治状況などで実現時期が不透明なものが多く、すぐに国民生活を変えることにはならないとの見方が強い。答申の焦点となった消費税や証券優遇税制、格差是正に向けた税制について、答申から実現の見通しを占った。
 ○ 増税
 消費税増税については、社会保障制度維持のために必要と明示したが、増税時期や上げ幅には踏み込まなかった。一方で、今後増税する際に検討課題となる仕組みについても意見を示した。
 食品や日用品に関する軽減税率について「事業者の事務負担、税務執行コストなどを考えれば単一税率が望ましい」とした。このほかの大きな理由として、「我が国の税率水準が欧州諸国と比べて低い」としたが、引き上げるべき税率を示していないため、説得力を欠く記述となった。「10%以上になれば軽減税率が必要になる」(学識経験者)という声が強い。後略。
 □ 証券優遇税制
 上場株式の譲渡益、配当などの税率を本来の20%から10%に引き下げている証券優遇税制については、香西泰会長が以前から表明していたように廃止を打ち出した。しかし、「昨年度の答申の方向に沿って対応すべき」と、表現は弱かった。
 譲渡益は平成20年末、配当は20年3月末が廃止の期限。政府税調は昨年度も廃止を提言したが、自民税調が延長を決めた経緯がある。後略。

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November 19, 2007

日本外交の「難局」

■ 先刻、病院から首と肩の痛みを抑える薬剤をもらってきて使い、ようやく状態が好転の兆しを見せている。二週間、大変な想いをした。今週一杯は、休むことにしている。状況が少しでも好転すると動きたくなるのは、雪斎の習性であるけれども、此度は抑えることにしよう。来年以降も稼働率を下げて、少しでも「長く」活動する構えを築く必要がある。雪斎の国家に対する貢献は、「太く短く」よりも、「細く長く」のほうが適切であろう。そうしたことを再確認した此度の「身体不調」であった。

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November 16, 2007

幕間の一言

■ 此度の身体状況に付き、色々とお見舞いを頂いています。。読者各位に謝意を表します。
 現在、平常の執筆作業を含む九割方の作業を停止しております。
 大学の授業も来週は総て休講にして、養生専一にするつもりです。
 依って、作業の本格的な再開は、今月最終週以降になると思われます。

■ 報告だけだと読者各位に「思考の材料」を提供するという拙ブログの目的を果たせませんので、一言だけ書きます。

 「柔よく剛を制する」。
 日本の「柔の道」の意味をを説明するのに、広く知られた言葉である。
 この言葉は、元々、古代中国兵法書『三略』の冒頭に登場する言葉である。
 「軍讖に曰く、『柔よく剛を制し、弱よく強を制す』と。柔は徳なり、剛は賊なり。弱は人の助くるところ、強は怨の攻むるところなり。柔は設くるところあり、剛は施すところあり、弱は用うるところあり、強は加うるところあり。この四つのものを兼ねて、その宜しきを制す」。
 「端末いまだ見れずんば、人よく知るなし。天地は神明にして、物と推移し、変動して常なし。敵によって転化し、事の先とならず、動けばすなわち随う。ゆえによく無疆を図制し、天威を扶成し、八極を康正し、九夷を密定す。かくのごとく謀る者は、帝王の師たり」。
 政治家にとっての資質は、状況に機敏に対応するための「柔」である。「駄目なものは駄目」という姿勢くらい、非「政治」的なものもない。そうした硬直した姿勢を「信念や理念に忠実」などと称揚する向きもあるかも知れないけれども、「信念や理念に忠実」に振る舞いたい御仁は、宗教家にでもなればよろしい。
 ところで、福田康夫総理が訪米し、日米首脳会談に臨む。日米関係に絡む雰囲気は、以前とは、かなり異なる。紛れもなく、「天地は神明にして、物と推移し、変動して常なし」である。福田総理には、是非、「柔」を発揮してもらいたいものである。今、「給油活動の継続」ということばかりに眼が行っているけれども、米国にとっての現下の懸念材料は、「サブプライム・ショックに伴う経済失速」であるはずである。こうした経済案件に対して、日米両国の「協調」を打ち出せるか。これは面白い着眼点ではあると思う。

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November 12, 2007

更新の暫時、中断のお知らせ、

■ 先週より続いている肩と首の不調が好転しませんので、当面、このブログのエントリー更新を中断します。
   これは、かなり痛いです。
   当分、特に論ずべき政治ネタがあるとも思えませんので、この機を捉えて「静養」とさせて頂きます。
   読者各位におかれましては、時節柄、御自愛なされますように。

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November 11, 2007

少し間が空いた四題

■ 前の衆議院総選挙から既に二年を過ぎた。もう、そうう時期なのか。
 □ 「年内解散説」揺さぶる与党 会期延長、民主は「徹底抗戦」
                11月9日14時44分配信 産経新聞
 政府・与党は今国会を12月15日まで35日間延長することを決めた。来年度予算編成を考えるとギリギリの線だ。新テロ対策特別措置法案成立への福田康夫首相の強い意志の表れといえるが、民主党は徹底抗戦の構えを見せている。ただ、小沢一郎代表の辞任騒ぎによる民主党のダメージは大きく、与党は「年内解散」をにおわせる揺さぶりを展開。与野党攻防が激化すれば思わぬ事態になりかねない情勢だ。
 …中略
 そんな中で与党でささやかれだしたのが「年内解散説」だ。自民党執行部では、年内に衆院選をやれば与党の過半数維持は確実だとはじき出したこともあり、野党議員は一気に浮足立った。
 しかし、年内解散で与党が勝っても衆院で3分の2以上を占める可能性はほとんどなく、「3分の2」の再議決条項は封じられることになる。公明党が猛反対することは確実な上、解散のない参院民主党には今ひとつ効果が期待できない。
 それでも野党が強硬姿勢を貫けば、解散風は加速しかねない。ある自民中堅は「郵政解散もそうだったが、小競り合いは何かの拍子で死闘に変わるんだよね…」と困惑顔でつぶやいた。


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November 07, 2007

民主党に期待すること。

■ 小沢一郎氏が辞意を撤回したようである。そのこと自体は、真面目に論評する気も起きないけれども、この騒動の結果、「政治家は法案を通してなんぼの商売である」ということを民主党議員が確認したのであれば、それは結構なことである。自民党にとっては、法案を通すためには民主党との「協調」が要るけれども、民主党にとっても、自らの政策を実現したければ、自民党との「協調」が要る。民主党が政権与党の足を引っ張ることを「野党」の役割と考えていたのであれば、それは「五五年体制」思考の惰性であった。小沢氏が「連立」という奇策を通じて、そのことを党内に伝えようとしたのであれば、此度の騒動にも、それなりの意味がある。もっとも、「宰相・小沢一郎」のイメージをリアリティを持って語るのが難しくなったのは、確かであろうけれども…。
 そうこうしているうちに、次のような記事が配信されている。
 □ 民主が新テロ法対案、給油活動再開に柔軟姿勢
11月6日13時43分配信 読売新聞
 民主党は6日、インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開する新テロ対策特別措置法案への対案となる「アフガニスタンでの人道復興支援活動と国際テロリズム根絶に関する特別措置法案」(仮称)の骨子案をまとめた。
 インド洋で各国が行う海上阻止活動を直接承認する新たな国連決議が採択された場合は、日本がその活動に参加することを検討するとして、給油活動の再開に柔軟姿勢を示したことが特徴だ。また、自衛隊をアフガン本土に人道復興支援やインフラ(社会資本)整備などに限って派遣することを打ち出している。「戦闘活動は行わない」として、アフガンで展開する国際治安支援部隊(ISAF)に自衛隊は参加せず、ISAFへの後方支援活動を行わないことも明記した。

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November 06, 2007

それ兵の形は水に象る。

■ それ兵の形(かたち)は水に象(かたど)る。水の形(かたち)は高きを避(さ)けて下(ひく)きに趨(おもむ)く。兵の形(かたち)は実(じつ)を避(さ)けて虚(きょ)を撃(う)つ。水は地に因(よ)りて流れを制し、兵は敵に因りて勝(か)ちを制す。ゆえに兵に常勢(じょうせい)なく、水に常形(じょうけい)なし。よく敵に因(よ)りて変化して勝(しょう)を取る者、これを神(しん)と謂う。ゆえに五行(ごぎょう)に常勝(じょうしょう)なく、四時(しじ)に常位(じょうい)なく、日に短長(たんちょう)あり、月に死生(しせい)あり。
      ― 『孫子』「虚実編」
 今まで幾度も論じてきたように、政治家の資質の一つは、「柔軟性」である。雪斎は、この認識を何から得たかといえば、その一つが上に書き出した『孫子』の記述である。
 「それ兵の形は水に象る」とは、結構、雪斎には気に入りの言葉である。「兵」の目的は、勝利であろうけれども、それを手にするための「兵」の形は、変幻自在でなけれならない。
 近年、どの世界でも「ぶれない」ことが称揚される。だが、政治の世界では、このことには留保を付ける必要がある。政治家が「ぶれない」ことを要請されるのは、「国益を図る」という一点においてである。その一点さえ踏まえれば、どのようなオプションを持とうとも、それは広く考えられるべきである。福田総理が民主党との連立を考えたのも、その連立が数あるオプションの一つであったからに他ならない。世人は、連立云々という話に眼を奪われがちであるけれども、「その連立で何をしようとしているか」が重要なのである。
 故に、自民党一党優位体制lであろうが二大政党体制であろうが、そこでで問われるのは、「国益を守る」に際して、どちらが「有効な器」かということでしかない。「二大政党体制の実現を目指す」ということで「ぶれない」姿勢を強調するのは、政治家の在り方としては本末転倒であろう。雪斎は、昔日は熱心な「二大政党体制」論者であった。雪斎の「永田町」生活は、「自民党」本部ではなく「小沢・新生党」本部に通うこから始まったのである。今の気分はといえば、、「二大政党体制ですか…。何時か、そんな時代が来るといいですね…。それよりも、当面の課題を片付けるほうが先でしょう…。新テロ特措法を、何とかしないと…」という具合である。雪斎は、二年前の「郵政選挙」直後から、民主党との「協調」を説いていた。野党しての民主党が、昔日の社会党とは異なる「柔軟性」を発揮してくれることを期待したからである。だから、前原誠司代表期の民主党には本当に期待した。今は、もしかしら民主党に期待を持ちすぎたかもしれないと思っている。否、前原氏を初めとして若手議員数名には、まだ期待を寄せているが…。
 雪斎は、こういう政治における「変幻自在」を説く意味において、「ぶれていない」と思う。雪斎は、そのことには自負がある。そういえば、ニコロ・マキアヴェッリの臨終の言葉は、「私は私の魂よりも祖国を愛する」であった。イタリアの異民族支配からの脱却こそ、近代政治学の幕を開いた書を残した男の心中にあった動機である。「変幻自在」に振舞うためには、「核」が要る。しかし、往々にして、その「核」は、外からは見えないものなのである。
 ところで、昨日午後の報道によれば、加藤良三駐米大使が、「日米関係は困難な状況にある」と語ったそうである。一年余り前に、日米関係は「未曾有の良好さ」を保っていたはずであった。小泉純一郎時代の遺産は、また一つ消えようとしているのであろうか。

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November 05, 2007

小沢辞任の後先

■ 小沢一郎氏が民主党代表を辞める意向のようである。驚きはない。小沢氏は、「そういう人」である。
 少なくとも、参議院選挙以降、民主党は「増長」し過ぎたという他はない。
 この二、三日の雪斎の「夢想」が実は「夢想」でなくなるかもしれないと考えることのほうが、却って驚きである。

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November 04, 2007

政治の「儚さ」、文化の「輝き」

■ 政治は、サーフィンに似ている。
 政治家が相手にしているのは、「時代の要請」という大小様々な「波」である。
 福田康夫総理にとって、「補給活動」継続は、自分が手掛けたかった政策であろうか。
 そんなことはあるまい。
 福田総理が必死になって「給油活動」継続に取り組んでいるのは、それが偶々来た「大波」であるからである。
 偶々、「波」が来れば、それに否応なく乗らざるを得ない。乗らなければ、「波」に呑み込まれてしまう。
 それが政治家の宿命である。
 故に、政治家の仕事に、「状況追随」などという批判を寄せるのは、無意味である。「状況」に対応するのが、政治家の仕事の本質である。
 しかも、政治家がどれだけ巧く「波」に乗って相応の成果を挙げたとしても、その成果が「永遠の生命」を持つことはない。「新テロ特措法」も、きちんと成立したとしても、実際の有効性を保ち得るのは、せいぜい数年のことでしかない。そのような「儚い」もののために、日々、苦闘しているのが政治家なのである。そして、政治家は、「あのサーフィンはは格好良かった…」という印象を人々の記憶に残すことしかできないのである。
 このことは、「永遠の生命」を持つ作品を具体的に後世に遺すことができる学者や芸術家の仕事とは、際立った対照を成している。ルネッサンス期、フィレンツェを統治したメディチ家の政治上の権勢は、一瞬の出来事であったけれども、そこで産み出された芸術作品は、「永遠の生命」を持ちながら人々の前に存在している。
 その意味では、政治は、所詮、「二流の仕事」でしかない。しかし、その「ニ流の仕事」に、世の人々の生活が依存しているのである。
 「自民・民主」連立構想は頓挫した後では、新テロ特措法の衆議院再可決による強行処理という道筋も、確かに考慮しなければなるまい。後々のことを考えれば、あまりやりたくはないことであるけれども、仕方がないかなという気にはなる。小沢一郎氏の「民主党離脱・自由党再興」というのは、雪斎の「夢想」であるけれども(「夢想」とわざわざ断り書きを入れているのに、本気に反応する人々がいるのは困ったものである)、こうした「夢想」を考えなければならぬほど、民主党の「硬直性」には辟易しているのというのは、雪斎の本音である。小沢氏が「政策協議にも反対だという声が党内では多数だった」を語っていたのを聞き、「それなら党を割ればいい」と反応したわけである。
 自衛隊がインド洋から撤収するのを待っていたかのように、パキスタンでは国家非常事態が宣言されたようである。
 またまた、「大波」が来るのか…。
 政治家がその「大波」に巧く乗れなければ、世の人々の生活が影響を受ける。世の人々は、そのことをどこまで真面目に認識しているであろうか。「永田町」の騒動を面白がって観ている場合でもないのである。

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November 03, 2007

幻の連立

■ この話は、取上げないわけにいかない。
 □ 福田首相が連立打診、民主は拒否=政府・与党、新テロ法で会期延長検討
                      11月3日1時1分配信 時事通信
 福田康夫首相(自民党総裁)と小沢一郎民主党代表は2日午後3時から休憩を挟み、国会内で約2時間10分、党首会談を行った。首相は、衆参ねじれの下で国会運営が行き詰まっている現状を打開するため、連立政権協議を打診。小沢氏は持ち帰ったが、民主党はこの後の緊急役員会で連立拒否を決め、小沢氏が電話で首相に「連立はのめない、受諾できない」と伝えた。
 与野党は先月30日の党首会談後、法案処理で歩み寄りの動きが出ていたが、連立政権構想が頓挫したことで再び対決機運が高まるとみられる。政府・与党は新テロ対策特別措置法案の成立を図るため、10日までの会期を延長する方向で検討に入った。
 会談で首相は「今の政治情勢を見て、政策を実現するための新体制をつくる必要がある」と連立を提案。新テロ法案の成立も改めて求めた。これに対し小沢氏は、自衛隊の海外派遣を随時可能とする恒久法の制定を条件に、新テロ法案成立に協力する考えを示したが、回答は留保した。
 これを受け、小沢氏は2日夜、緊急役員会を招集し、対応を協議した。しかし、「大連立は国民から批判を受け、党がもたない」(鳩山由紀夫幹事長)との意見が相次ぎ、連立協議には応じない方針を決めた。新テロ法案にも賛成できないとの考えで一致した。この後、小沢氏は「役員の皆さんは、政策協議に入ること自体も反対の考えの人が多数だった」と述べた。 

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November 01, 2007

パイレーツ・オブ・ソマリア

■ 二日前のエントリーの続きである。あの海賊事件は、どうなったのか。
□ 北朝鮮の貨物船乗っ取り ソマリア沖でまた海賊 '07/10/31
 【シンガポール30日共同】国際海事局(IMB)海賊情報センター(クアラルンプール)に三十日入った情報によると、アフリカ東部ソマリア沖で、北朝鮮の貨物船が海賊とみられる集団に乗っ取られた.

 IMBは北朝鮮政府や現場海域をパトロールしている米軍など多国籍軍の海軍と連絡を取り合っている。現場では救助に向け「大掛かりな作戦」(IMB幹部)が展開されているという。
 フランス公共ラジオが治安当局者らの話として報じたところによると、貨物船は二十二人が乗り組み、首都モガディシオの沖合に停泊中、地元部族の武装集団に乗っ取られた。犯人側が身代金を要求しているとの情報もある。
 ソマリアでは無政府状態が続いており、同国沖では二十八日にも日本の海運会社(東京)が管理、運航するケミカルタンカーが海賊とみられる集団に乗っ取られ、韓国人乗組員ら二十三人の消息が不明となっている。
 IMBの集計によると、ソマリアでは今年一~九月に、未遂も含め二十六件の海賊事件が発生、前年同期の八件から急増している。

  □ 海賊船に発砲、ヘリ発進 米軍がソマリア沖で大捕物 '07/10/31
 【シンガポール31日共同】海賊事件の相次ぐソマリア沖で、米海軍が駆逐艦などを繰り出して海賊制圧作戦を展開していることが米海軍の発表で三十一日、分かった。日本の会社が運航するケミカルタンカーを乗っ取った海賊の船は米艦の発砲で炎上。北朝鮮貨物船にはヘリコプターが発進、負傷者を救助した。
 米海軍などによると、二十八日、ドーヴァル海運(東京)が運航するケミカルタンカー「ゴールデン・ノリ」(六、二五三トン)の救難信号を受け、誘導ミサイル駆逐艦「ポーター」が現場に急行、海賊の小型船に二五ミリ砲を数回発砲、炎上させた。タンカーには韓国人ら二十三人が乗り組んでおり、米海軍などは監視を続けている。
 三十日には、国際海事局(IMB)海賊情報センター(クアラルンプール)から、北朝鮮の貨物船「ダイ・ホン・ダン」が乗っ取られたとの連絡を受け、現場から約九十キロの海域にいた駆逐艦「ジェームズ・E・ウィリアムズ」が現場に向かい、海賊に武器を置いて投降するよう無線で命じた。
 その際、乗組員が海賊に抵抗して船を奪還し駆逐艦に医療支援を要請、駆逐艦はヘリで重傷の乗組員三人を収容するなどした。乗組員は、奪還の過程で海賊二人が死亡し、五人が拘束されたと話している。
 ソマリア沖などでは米英などの多国籍海軍が海上治安作戦としてパトロールを行っている。

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