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October 31, 2007

福田康夫と小沢一郎の「人間関係」

■、政治の世界では、「潮流」というものは、突如として変わる。これもまた一つの事例であろう。
 □ 小沢代表「協力できることは協力」、首相と初の党首会談
             10月30日13時58分配信 読売新聞
 福田首相(自民党総裁)と民主党の小沢代表は30日午前、国会内で初の党首会談を行った。
 首相は、インド洋における海上自衛隊の給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法案について「協力して欲しい」と要請した。
 小沢氏は「特措法は認められない」と反対した。ただ、小沢氏は「一般論として協力できることは協力する」と語り、政府・与党との協議に柔軟に対応する考えを示した。
 首相は再会談を要請し、小沢氏は受諾した。再会談は11月2日で調整している。参院での与野党逆転で混迷が続く臨時国会は、事態打開に向けて動き出す可能性が出てきた。
 会談は、午前10時から国会内の常任委員長室で行われた。最初の約10分は自民、民主両党の幹事長、国会対策委員長が同席し、その後、首相と小沢氏だけで45分程度会談した。

 □ 首相が国会運営の新ルールに意欲、小沢氏と合意めざす
                  10月31日1時4分配信 読売新聞
 福田首相は30日夜、11月2日を軸に調整している小沢民主党代表との再会談について、「(衆参で第1党が異なる)この状況を何とかして打開するつもりで努力する」と述べ、与野党間の新たな国会運営のルールや協力体制の構築に向け、小沢氏と何らかの合意を目指したいとの考えを示した。
 首相官邸で記者団に語った。
 首相は、「(国会は)新しい状態だ。そういう状況の中で政治を進めるのは何か工夫しなければ出来ない」と強調した。その上で、与野党間や政府・野党間で協議機関などを設置するかどうかについて、「(小沢氏とは)そういうことについても話をしていかねばならない」と述べた。
 首相は30日の党首会談で、小沢氏に対し、「衆参ねじれの中で新しい政治の動かし方を考えたい」と提案しており、再会談で小沢氏から前向きな対応があることを期待している。

 小沢一郎氏が突如、「軟化」の兆しを示し始めているように映る。ほんの数週前には、「駄目なものは駄目。話し合うのも無意味だ」といわんばかりの姿勢を示していたことからすれば、雰囲気が明らかに変わってきたようである。小沢氏の「軟化に、どういう事情が反映されているのかは、率直に判らない。「軟化」に転じざるを得ない何らかの事情が発生したのか。それとも、数週間前の「意固地」の姿勢は、たんなる芝居であったのか。何れにせよ、福田康夫総理と小沢氏の間に、コミュニケーションの経路が設定されたのは、結構なことであろう。政治は、「人間関係」の産物である。おそらくは今まではあまり言葉を交わしたこともなかったであろう福田総理と小沢氏の間に、きちんとした「人間関係」ができれば、それは佳い事なのではないか。
 この「福田・小沢」会談には、「密室」という批判があるようであるけれども、「密室」で議論しようがしまいが、衆参両院それぞれの第一党の党首が議論して、「ねじれ国会」の中で物事を前に動かす仕組ができれば、それでいいのではないであろうか。
 前に、「行く川の流れは…」の『方丈記』の一節に依拠したエントリーを書いたことがある。世の中の諸事が絶えず変転するものであれば、その変転に絶えず適応していく「柔軟性」を持つことが政治家には要請される。政治家が相手にするのは、数万年前の「化石」や数百年前の「古文書」ではなく、変転の最中にある現在進行形の人間社会の「現実」である。故に、政治の世界では、「変節漢」、「日和見」、「状況追随」は、決して非難されるべき資質ではない。それは、自らが背負っている「利害」の極大化に結び付くならば、躊躇せずに発揮されるべき資質である。政治家が「理念」を語ることが無意味だとは思わないけれども、それに縛られるくらい阿呆なこともない。
 政治評論の「質」を鑑定する基準の一つは、こうした事情をどれだけ真正面から見据えているかということであろう。
 福田康夫と小沢一郎の実質的な意味での「政治」を視たいものである。

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Comments

単なる外野席の感想ですが・・・・。

政局がらみの報道が見られるが、核心は対米関係では。安倍総裁の辞任もそうだったし。あのときに安倍前総理が言いたかったことは何だったのか。今日行われた在京大使による議員への説明会、11月の日米首脳会議、海賊船の報道等々。その文脈の先に何が?そのためのトップ会談と思えるのですが・・・。

Posted by: M.N.生 | October 31, 2007 at 03:11 PM

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