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October 10, 2007

読売新聞のコラム

■ 前に、「雪斎、勘助、官兵衛」と題したエントリーを書いた。そこで言及した読売新聞T記者のコラムが、先刻、ようやく世に出た。

 コラムの全文は、下掲の通りである。文中、実名で出ているところをイニシャルに差し替えて紹介する。佳いモノを読ませて頂いたT記者に感謝である。

  □ [記者ノート]福田政権、名軍師はいるか
              2007.10.08 東京朝刊
 戦国時代の軍師として名高い山本勘助を主人公に据えたNHK大河ドラマ「風林火山」が放送されている。ゲームやマンガなどサブカルの世界にまで浸透している「三国志」でも、名軍師の諸葛孔明は抜群の人気を誇る。日本人の軍師びいきは最近始まった話ではなさそうだが、このところ軍師への関心が高まりつつあるのも確かなようだ。
 論壇関係でも、「ハンドルネーム」を用いるのが当たり前のウェブの世界では、実在した軍師の名前を借りた言論人の活躍が目立つ。今川義元に仕えた太原雪斎(たいげんせっさい)にちなみ、「雪斎の随想録」というブログを開設している政治学者のJ・S氏(42)もそんな一人。単なる評論ではなく、政策提言にまで踏み込んだ文章が売り物だが、自らの“軍師志向”の背景についてこう語る。
 「政治学や経済学といった社会科学には、現実の問題にどう対処すべきかという処方箋(しょほうせん)を出す役割があるはず。日本ではまだまだ『学問と実務は別』と考える学者が多いが、それではいけない」。知識人はより良い政治のため自らの知恵を生かす使命がある。そのためには生々しい政治にかかわることもいとわない--そんな意気込みを「雪斎」の名に込めたのだという。
 一方、秀吉の軍師、黒田官兵衛にならって「かんべえ」を名乗り、内政・外交を幅広く論じるウェブサイト「溜池通信」を主宰しているのは双日総合研究所副所長のT・Y氏(47)。
 「私は情報を上げるスペシャリストよりそれを生かすジェネラリストのほうが偉いと思っている。官兵衛の生き方が好きなだけで、社会を動かそうなんて気持ちもないし」。その発言は意外にクールだが、組織を生かすためにリーダーを支える知恵袋としての「軍師」の役割が大きいことは確かだと説く。「例えばホンダ創成期の本田宗一郎に対する藤沢武夫、最近なら小泉政権における飯島勲秘書官や竹中平蔵氏ですね」
 ここで興味深いのはS、Yの両氏とも、先に退陣した安倍政権にあっては、その「軍師=参謀システム」、つまり手兵の政治家を中心とした首相補佐官制度がうまく働かなかったと指摘している点。「軍師の役割は本来知識人のもの。政治家を起用するのは間違い」(S氏)、「トップに直言して“裸の王様”にさせないのが補佐役。お友達関係では駄目」(Y氏)。
 最近ではインテリジェンスといった言葉も大はやりだが、知将を生かすことの難しさはいつの世も変わらない。発足したばかりの福田政権の行く末を考える上でも、「軍師」は一つのキーワードになりそうだ。(H・T)

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Comments

雪斎さん

こんにちは。

以前のエントリで、私も軍師がよかったのですが、何故か、秀吉でした。。。

「学術研究を幅広く、社会に還元していく・政策形成にいかしていく」というのは、なかなか難しいことですね。

かんべえさんも仰られてますが、後世、名を残す学者というのは、スペシャリストであり、ジェネラリストでもありますね。

私も将来、ポリシー・インテレクチュアルズに仲間入りできるよう、精進いたします。

Posted by: forrestal | October 10, 2007 at 12:55 PM

僕なりに、福田さんの軍師を選定してみました。

Posted by: SAKAKI | October 11, 2007 at 06:49 AM

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Tracked on October 11, 2007 at 09:21 AM

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