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June 04, 2007

「日の丸を付けないメイド・イン・ジャパン」

■ ワシントン在住のI女史から入ったメールには、眼を剥いた。一部を抜粋する。
 

「渡辺謙のこと知っている?」――このようにあるアメリカ人に聞かれたときには、思わず聞き返してしまいました。重ねて「彼は日本で知られている俳優か?」と聞かれて、本当に驚きました。「だって、彼って日本人よ」と言う私に、今度は彼のほうがびっくりしていました。トムも決して日本のことを知らないわけではない人です。仕事上、何度も日本に行ったこともありますし、挨拶程度の日本語は言うこともできるのです。そんな人が、日本人はKen Watanabeを知っているのか、あの“ハリウッド俳優”を? という疑問を抱いたのも、考えてみれば不思議ではない……そう思い直すのにそれほど時間はかかりませんでした。
 5月13日、ワシントンの大使公邸に、その人、Ken Watanabeは颯爽と現れました。大股で入り口ホールを横切って控え室に消えるまで、ほんの2秒半しかかかりませんでした。私が普通に歩けば20秒はかかる長さですから、瞬きほどの短さと思ったのも私の幻惑でしょう。ただ、目の前を通り過ぎる細身のウエストと顎のあたりの無精ひげのシルエットが、残像として私の脳裏に焼きつきました。

 雪斎が一瞬、驚いたのは、Ⅰ女史と同様、「米国人が日本人に対してケン・ワタナベを知っているかと問いかけた」ということであった。ただし、冷静に考えれば、その米国人にとっては、「ケン・ワタナベが日本人であるかどうかは、余り問題がなかった」ということなのであろう。
 考えてみれば、アーノルド・シュワルツネガーが「オーストリア出身」であるということを気にしている米国人は、ほとんどいないであろう。米国では、そうしたことを気にしている暇がない。要するに、ケン・ワタナベは、今では、「日の丸を付けないメイド・イン・ジャパン」の重要な一つになりつつあるのであろう。
 渡辺謙さんの演技を最初に観たのは、夏目雅子さん主演映画『瀬戸内少年野球団』だった。朝ドラマ『はね駒』で斉藤由貴さんの相手役を務め、大河ドラマ『独眼竜政宗』で名を馳せた渡辺さんは、日本では名前の知らない人のいない俳優になった。そして、渡辺さんは、ケン・ワタナベになった。一つの成功物語である。
 「日の丸を付けないメイド・イン・ジャパン」は、至るところにある。世界の人々が「これは日本由来のものである」と知覚せずに接しているものは、枚挙に暇がないであろう。戦後六十年、日本人は、そうした努力を続けてきたのである。
 こうして考えると、「日の丸を付けないメイド・イン・ジャパン」が世界に続々と送り込まれることの意義は、かなり注目されるべきことかもしれない。日本の隣には、万事、「太極旗」を付けていないと気が済まない人々がいるようであるけれども、それは、何と寂しいことであろうか。
 フランスで通訳を務めてくれた方のご息女のために、過日、日本から「キティちゃん」のぬいぐるみを送った。喜んでもらえたようである。「日の丸を付けないメイド・イン・ジャパン」の効果は、絶大である。

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Comments

国際俳優になる以前から、渡辺謙の演技は、確かに素晴らしかったが、米国人は彼のドロドロ人生を知っているだろうか。ケンは白血病になり、無名時代からケンを支えた、糟糠の妻とともに宗教に入信。治療費・生活費のため、妻は教組から多額の借金をした。また妻はケンと共演女優若村麻由美との不倫に気づいた。ケンと妻の間で離婚裁判が起きた。事実を揉消すため、教組と若村は結婚。ケンと妻は離婚。ケンは白血病を克服し、見事俳優として復帰。女優の南果歩(作家辻仁成の元妻)と再婚。
新聞などの週刊誌の見出しだけで、推測した渡辺謙のスキャンダルです。旗本の息子役の謙と芸者役の若村は、本当にデキていたと思います。息がピタリでしたから。ゆみちゃんはドラマ見て、その頃からふたりは妖しいと思っていました。
不倫といえど、余にも美男美女カップルで似合い過ぎる。
でも謙の元妻が可哀想で同情してしまいます。
若村は巨漢教組を美食漬けにして、死に至らしめた。計画殺人だと思いますね。スキャンダルを揉消すため、謙と別れさせられた仕返しでしょうね。渡辺謙は名俳優だけど、彼の人生は不可解です。なんかね、その頃から彼の演技も曇ってきたように見えます。本当はもっと演技が上手いはずなんですけど。ケン・ワタナベの人生を知っても、アメリカ人は驚かないと思いますけど。

Posted by: うみおくれクラブ・ゆみ | June 05, 2007 at 11:47 PM

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