« ブラームスはお好き? | Main | さて、次は「洞爺湖」 »

June 07, 2007

コムソン・ショック

■ 日本の社会福祉制度の信頼性を損ねるという観点からすれば、これは、「消えた年金番号」以上のものになるであろう。
 

□ コムスン事業所の新規・更新、2011年末まで認めず
             6月6日14時35分配信 読売新聞
 厚生労働省は6日、グッドウィル・グループ(GWG)の訪問介護大手「コムスン」(東京都港区)の全国の事業所の新規指定と更新を、2011年12月まで行わないよう都道府県に通知した。
 2006年4月施行の改正介護保険法により、不正な行為があった事業者による指定・更新を5年にわたり認めないとする規定を適用した。コムスンは、全国8か所の事業所で、雇用していない訪問介護員を勤務しているなどと偽り、介護事業所指定を不正に取得したことが問題とされた。この規定を全国規模で適用するのは初めて。
 同省によると、5月末現在、同社の介護事業所は2081事業所(介護予防サービス事業所除く)あるが、同法では不正がなかった事業所も含めて更新が5年間禁じられるため、来年度には1424事業所に減少、最終的には、2011年度に426事業所にまで減る。2081事業所には、訪問介護だけでなく、デイサービスやグループホームなどの事業所も含まれる。サービス利用者は、更新時期まではサービスを受けることができるが、事業所の更新が認められないと、事業所を変えなければならなくなる。

 親会社のグッドウィル・グループは、コムソンの介護事業を別会社に移行させて、急場を凌ごうとしているようであるけれども、何とも締まらない話であろう。厚生労働省も、厳正に対処しなければなるまい。大体、この会社は、処分が出た後に本社を六本木ヒルズから築地に移したようであるけれども、、誠に姑息な印象を与える。
 ただし、現下の福祉産業というのも、介護保険で徴収された「国のパイ」に群がっているという点では、以前の土建業者と性格が余り変わらないような気がする。グッドウィル・グループは、ベンチャーといっている割には、かなりビジネス・モデルの古い企業なのである。
 ところで、もし、七十五歳以降に看護師を一人、年俸五百万円で雇うと仮定する。自分の生活費を日々、年間五百万円と設定し、九十歳まで生きるとすれば、六十歳時点で最低でも二億五千万円が必要になる。国家の社会福祉政策を恃みにしないという姿勢を貫こうとすれば、これだけの裏付けが必要とされる。普通の人々には、そうした「裏付け」を築くのは難しい。「老いた後」に怯えければならない状況というのは、やはり異様なものなのではないか。全国には、看護職に従事する人々は、百数十万人いるとされる。全人口の1パーセントである。余りにも少な過ぎないであろうか。こうした看護職は、旧植民地からの「移民」が請け負っているのだそうである。「移民」とは言っても、フランス語を話せるから高齢者とのコミュニケーションには支障はないようであるけれども、同じことを日本で考えることがでるのであろうか。
 こうして考えると、たとえば「モーニング娘。」の少女たちが、続々、若くして結婚したり妊娠したりしているのは、「芸能人としての自覚」云々を口にする向きもあるかもしれないけれども、大いに慶賀すべきことのように思う。どんどん「若くして結婚、妊娠」というトレンドを加速、定着させることが、この国にとっては大事であろう。
 このコムソンの一件は、参議院選挙に、どのような影響を与えるのか。それは、少しの間でも、「消えた年金番号」に絡む政権与党批判の嵐を鎮めることになるか。それとも、「安倍さんになってから、ろくなことがない」」という反応になるのか。五分五分であろう。

■ 追記、文中、「コムソン」とあるのは、「コムスン」の誤りです。お詫びしますが、訂正はしません。
 酔った頭でブログを書くと、こういう阿呆を平気でやることを後日の戒めとするために、恥を曝しておきましょう。

|

« ブラームスはお好き? | Main | さて、次は「洞爺湖」 »

「経済事象」カテゴリの記事

Comments

コム「ス」ンでしょうか?

Posted by: firework | June 07, 2007 at 09:08 AM

看護職の人数のお話はフランスのお話なのでしょうか。
細かいことばかりですみません。

いつも楽しく拝見させていただいています。

Posted by: firework | June 07, 2007 at 09:12 AM

firework殿
ご指摘多謝。追記に書きました。
看護職というのは、看護師、助産師その他を含めた日本での数が百数十万ということだそうです。正確な数字は確認いていません。

Posted by: 雪斎 | June 07, 2007 at 01:08 PM

いつも楽しく拝見させていただいています。

> フランス語を話せるから高齢者とのコミュニケーション
> には支障はないようであるけれども

??? 文脈が・・・

Posted by: h | June 08, 2007 at 09:52 AM

僕も酔った頭でネットに書き込んでしまい、醒めた後に困った経験があるのですが、やっぱりあれは後悔しますよね。「飲んだら書くな、書くなら飲むな」でしょうね。

Posted by: Baatarism | June 08, 2007 at 02:35 PM

ジュリアナ東京を経営していた方が、福祉事業?
どう考えても変ですよねー。
みなさん、樋口社長にまんまとひっかかった!
私も雪斎先生と同じように酔った勢いで、書いていまーす。

Posted by: さなえ | June 08, 2007 at 05:09 PM

ごめんなさい。
樋口社長でなく、折口会長の方でした。
折口さんは、やばいと思って逃げちゃったのね。

Posted by: さなえ | June 08, 2007 at 06:11 PM

老後の生活をお金に換算すると随分な額になるんですね。
私の祖母は、地方の中の下階層で早くに夫を亡くし、二人の息子を女手一つで育て84で他界しましたが、晩年は孫4人に囲まれ、色々あったとはいえ幸せな最後を迎えられたんじゃないかと思っています。

遺族年金等多少の恩給はあったにしても、それだけでは辛く苦しい老後になったんじゃないかと。

親が子を養い、子が親を看取るというのは当たり前のことですが、他人に委託することと比較すると潜在的に大変な資産価値を持っているんですね。それに、大家族っていいこともいっぱいあります(うちは最大3世代7人家族でした)

どうも介護と言うと、介護する側が辛いとか、苦しいとか、ネガティブな要素ばかりが育児同様強調されていますが、それは一人でも同じこと、家族で支えあって苦楽を共にしていく古い価値観のポジティブな部分をもっと見直してもいいんじゃないかと思う今日この頃です。

まだ伴侶を見つけていないので片手おちですが、とりあえず老父は労わって行きたいなと、昨今の福祉行政にかかわる一連の報道を見てそう思った次第です。

Posted by: horten | June 10, 2007 at 12:29 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71618/15341254

Listed below are links to weblogs that reference コムソン・ショック:

» コムスン介護事業所指定打ち切りへ [歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。]
訪問介護最大手のコムスンが介護報酬を不正請求していた問題で、厚生労働省は6日、同社の指定介護事業所約1600ヵ所について来年4月以降、指定の更新をしないよう都道府県に通知しました。 これに対しグッドウィル・グループは6日夜、コムスンの全事業をグループ企業である日本シルバーサービスに7月31日付で譲渡すると公表しましたが、厚生労働省は7日、これも凍結するよう同社を行政指導したと発表しました。 誰よりも困るのは、これまで介護サービスを利用してきたご老人たちにちがいありません。 ***♪老人と介護の... [Read More]

Tracked on June 07, 2007 at 10:35 PM

» コムスン社長引責辞任へ [歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。]
グッドウィル・グループは8日、子会社コムスンの樋口公一社長が、介護報酬の不正請求問題などの責任をとって辞任することを発表しました。辞任時期は、厚生労働省による指導や改善指摘事項を完了次第とし、後任は未定とのことです。一方、グッドウィル・グループの折口雅博CEOは、辞任しない考えを表明しました。また、6日発表した事業譲渡は凍結することも明らかにしました。 ***♪介護撤退コムスンの春♪ 翳りさす広いヒルズの午後三時 じっとみつめて 欲しいのよ 取り消しをあえて 免じて欲しいの 六十五才の... [Read More]

Tracked on June 08, 2007 at 10:44 PM

» 六本木という街の根拠の無い『縁起でもない』イメージ。 [貞子ちゃんの連れ連れ日記]
大西ブログで、六本木ヒルズは縁起が悪い? に、いわゆる脊髄反射。 以下は、全く根拠の無い、まるっきり私の主観だけの感想。 東京といえば、6歳ころに物心付いてから、ず〜〜っと暮して知っていますが、六本木はそれほど良い街のイメージは全く無かったところです。 イメージ的に大人の不良が たむろする場所です。 大人の不良が集う場所へ、外人の不良やマスコミ関係者などが集う「夜の街」になったのが六本木というイメージです。 私は20代の頃、先輩数人にボディガーになってもらって 後輩と二回ほど見物に行きました。青... [Read More]

Tracked on June 08, 2007 at 11:50 PM

« ブラームスはお好き? | Main | さて、次は「洞爺湖」 »